【レビュー】茨城の妖怪図鑑【著:中沢健】【監修:山口敏太郎】

前回の『怖い話』に続いて今回は『妖怪』!オカルト大好きなんです。

元オカルト板の住民ですからね。「ニンゲン」と「ヒトガタ」は後者のほうがロマンあふれるネーミングだと思います。わかる人にしかわからないので聞き流してください。

この記事では『茨城の妖怪図鑑』のレビューをします。ネタバレはなし。最後に付録として妖怪の出没地をまとめましたので、地元妖怪を見つけてみましょう♪

茨城の妖怪図鑑とは

茨城の妖怪図鑑は2019年にTOブックスから発売されました。Kindle版もありましたので、わたしはそちらを購入。お仕事の休み時間にサクサクッと読ませていただきました。

著者は筑西市出身の中沢健なかざわ たけしさん。作家・脚本家の活動を中心にキャラクターデザイナーなどもされています。

今回は『妖怪』を扱っていますが、肩書のひとつでもある『UMA探検家』の延長ということでしょうか。守備範囲広いですね。。

図鑑だけあって、県内全域に渡って妖怪を紹介しています。いわゆるうわさ話もありますが、少なくとも60以上はありますから結構な量です。

各妖怪について短く簡潔に書かれていますので、1話あたり数分で読むことができます。短いものだと1分もかかりません。全体でも1時間ほどで読み終えるかと思います。

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挿絵も多いので文章でピンとこない方も安心ですよ〜

感想あれこれ

妖怪。。いまの30代以上なら間違いなく小学校で話題になっていたはず。夏休みになるとテレビで心霊・怪奇特集などの番組がよく流れていたものです。いまにして思えばずいぶん無茶な企画もありましたけど。。

わたしは口裂け女とかトイレの花子さんみたいなリアルにいつでも出てきそうな苦手でした。河童とかのっぺらぼうみたいなのは免疫あったんですけどね。

少し成長するとジャンプの『地獄先生ぬ〜べ〜』にハマっていました。雑誌ではなく単行本派だったので、各話のあとがきにある出典や逸話などを読み込みましたね。

著者はわたしはより少し年上ですがほぼ同世代なので、なんとなく波長が合うといいますか伝えたいものがわかります。

本書は大変な勇気で発刊されたと思います。妖怪や地元茨城に感心のある方が読者と予想できますが、肝心の『妖怪体験』をしたことある方はごく少数のはず。

それでもより多くの方に楽しんでもらうため時に詳しく、時に面白く、そして時に怖さを交えた紹介をしています。

テクニカルな文章ではなく、妖怪についてまっすぐに語る姿勢が半信半疑を少しだけ信じる方に傾かせると思います。

気になる点としては、出典と違う書き方が散見されました。特に舞台となる地域が違ってしまうのは問題です。

また、本書では妖怪の定義を「『ゲゲゲの鬼太郎』に妖怪として登場しても違和感ない存在」としていますが、神々やUMA、都市伝説、超常現象なども含まれており、さすがにちょっと違うと思うのも。。妖怪はある程度キャラクターや背景がないと捉えどころないし。。

以上の2点は資料的な目的や妖怪に限って知りたい読者にとって注意です。

妖怪は実在するのか!?

素朴な疑問として妖怪はいるのでしょうか。そして会ったことありますか?

残念ながらわたしはまだありません。妖精とか宇宙人にもあったことないし、筋斗雲にも乗ったことありません。ふつうの人は触れたことがないかと思います。

だからといって存在しない、と断言することも難しいですよね。「ない」ものは否定できない。証明する方法もまた「ない」のだから。これを悪魔の証明といいます。

「妖怪が実在するか」は「神や仏は実在するか」と同じくらい返事に困る質問です。信仰のある方に言ったら、言い方次第で大きな問題になりますよね。

神や仏や妖怪は信じる人たちがいて実在するとされてきた事実があります。細かい部分はそれぞれご意見あると思いますが、自分の意見と違うだけで全面否定はよろしくない。茨城ゆかりの岡倉天心の言葉を借りれば「茶器がない」です。

わたしは実体験こそないものの、いたら楽しいのでのでなるべく実在する可能性を探りたいと思っています。神仏も同じです。

神、妖怪、UMAの違いとは

本書では妖怪だけでなくUMAや神についても触れています。妖怪だけ知りたい方はちょっとだけ注意してください。

これらの明確な区別は難しいのですが、UMAはUnidentified Mysterious Animalの頭文字をとったものなので実在する動物も含まれます。近代に出てきた言葉で妖怪と神とは一線を画しています。

そしてUMAは時代をさかのぼると妖怪と呼ばれ、妖怪という言葉がない時代までいくと神と表現されていたと思います。では一体なにが違うのでしょう。

たぶん、それらの根っこは同じで違っているのは人間の方。それぞれの時代の人間が自分の理解を超えた存在に出会うとき、いろいろな名前で表現されたと思います。

UMAの次はなんでしょう。まだ未知の世界である深海か宇宙に潜んでいる気がするんですけどね。

収録されているお話には当ブログで扱っているものも多数あります。こちらは文字数の制限がないため、時代背景までわかるように詳しく書いています。妖怪のいた時代などまで考えながらだとまた違ったものが見えてくるかと思います♪

妖怪を知ると役に立つのか

サブカルって自分が楽しい以外にあまり役には立たないんですよね。「楽しい」は大切だと思うんですが。

じゃあ役に立つことばかりやればいいのかというと、なんとも言えません。それぞれの人生ですから納得できることをするのが一番です。

妖怪知識を得て何になるんだろうと疑問を持つのはもっともです。だがしかし、ここでわたしはあえて役に立つと断言したい!

妖怪はその土地の人々が生み出した無形文化だと思うんです。それを役に立たせるかどうかは人次第です。どんな付加価値を与えられるかが重要で素材だけで良し悪しを判断してはいけません。

例えるなら、いい料理人とはおいしい食材でおいしい料理を作るのではなく、安くてそこそこの食材でおいしい料理を作る人のことです。

素材を活かせる人が現れるまでは保存しておき、現れたらありったけの素材を提供できるようにする。

アーティストは無から有を生み出す天才よりも有から別の有を生み出すことの方が多いのです。妖怪に限らず、その土地を発展させたければ素材となる情報をしっかり保管していくとが大切かと思います。

というわけで、ぜひ自分の身の回りの妖怪を調べてみましょう。まったく知らなくてもOK。少しだけ人に話せるようになるだけで自分のふるさとの未来に貢献していると思いますよ!

付録:妖怪と出没スポット一覧

紹介されている妖怪を一覧にしました。スポット名とあるのは妖怪にまつわる具体的な場所です。

スポット名のかっこ付きは本に書かれていませんが関係しているので載せました。

★マークは当ブログで紹介していますのでリンク先で詳細をご覧ください!

地域 名称 スポット名
阿見町 海神と大毒魚 ★阿弥神社
石岡市 化け鐘 霞ヶ浦
奈美松・古津松 ★童子女の松原公園
山姥、片目のカタツムリ 不明
潮来市 利根川の竜 ★常陸利根川
稲敷市 ねがい天狗とかない天狗 大杉神社
牛久市 ウシジナー 牛久沼
翼竜忍者、河童 不明
大洗町 光る人 大洗磯前神社
小美玉市 小美玉市の河童 ★手接神社
笠間市 笠間の十三天狗 愛宕神社
鹿嶋市 巨角蛇 角折浜
大鯰、神鹿 鹿島神宮
古河市 むじな 不明
五霞町 かまいたち 不明
桜川市 一つ目妖怪 真壁町桜井
城里町 うなぎ小僧 ★清音寺・竜潭渕・うなぎ地蔵
常総市 大亀 ★弘経寺
(法蔵寺)
大子町 山の神 不明
高萩市 馬面蛇 (名馬里ヶ淵)
化けこんにゃく、ういじ、月に化けた狸 不明
筑西市 八竜神 ★五所神社・大宝池
下水道ワニ、体育館の床下に潜む巨大生物、幽霊の干物、カエル男、傘化け、小栗判官 不明
つくば市 茶釜雷神 ★金村別雷神社
頭白上人 ★解脱寺
★金嶽神社
人面犬 不明
土浦市 河童の手のミイラ (満蔵寺)
ツチノコ、スカイフィッシュ 不明
東海村 台風人間 不明
利根町 ねねこ河童 ★金刀比羅神社
行方市 夜刀神 ★夜刀神社・椎井池
八つ目うなぎ 椎井の池
みずち 不明
坂東市 平将門 ミュージアムパーク茨城県自然博物館
日立市 伊福部岳の雷神 不明
香香背男と天津甕星 (大甕神社)
日立市、つくば市、神栖市 金色姫 ★蚕影神社・蚕霊神社
★蚕養神社
常陸太田市 亀が淵の美女 亀が淵
蝉ばばあ、雪女 不明
ひたちなか市 食わず女房 不明
鉾田市 ひょうたん入道 不明
うつろ舟 (鹿島灘海浜公園)
水戸市 千波湖の河童 千波湖
動く恐竜像 水戸森林公園
悪魔の足跡、せいえむどん、赤小豆洗い 不明
龍ケ崎市 女に化けた狐 ★女化神社
飛行お猪口、しょいかご婆さん、虫まき爺 不明
八千代町 のっぺらぼう 不明
結城市 九尾の狐 ★安穏寺
不明 人が生んだ蛇 朝房山
わいら、ウバメトリ、かぶきり小僧、茨城のニンゲン、ミス・ネスコ、イクチ、日和坊、ダイダラボウ 不明

まとめ

この本の評価
読みやすさ
(5.0)
詳しさ
(2.0)
網羅性
(3.0)
意外性
(3.0)
妖怪愛
(5.0)

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