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民話の本を紹介するシリーズ第5弾はつくば市!タイトルは『つくばの昔ばなし』です。(そのまんま!)
予めお断りしておきますが、つくばの民話は数多く伝わっていますので今回の本はそのごく一部の内容と思ってください。
概要
タイトル | つくばの昔ばなし |
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編集 | 筑波書林編集部 |
絵 | 本堂清 |
発行日 | 1999年6月23日 |
ページ数 | 106ページ |
つくば市といえば研究学園都市のイメージが強いと思いますが、それは1985年の科学博以降のこと。近年開発されるまでは田畑、山林、筑波山と自然ばかりの土地でした。
中世まで遡ると筑波山付近は軍事的な要所として多くの武将に注目されていたんですよね。南朝の後醍醐天皇は常陸国の国府をいまの石岡からつくばの小田に移そうとしていた、なんて話を耳にしたことがあります。霊山・筑波山の影響で古くから信仰の盛んな地域でもありますので、つくばの民話は多方にわたっています。
本書は現在のつくば市に旧筑波郡の永井(土浦市)や宍塚(土浦市)を加えた範囲の民話30話を収録しています。どのお話も現在に残る地名や寺社名が記載されていますので、関心を持って読めると思います。対象年齢は10歳くらいからでしょうか。挿し絵が多くどのお話もちょっとだけ刺激的なのがいいですね。定番の「筑波山と富士山」もありましたよ。常陸国風土記の筑波郡の章が元かと思います。
わたしが気になったお話は「女堰」です。いわゆる「人柱」のことですね。お話自体は短いのですが、おとなが読むと特別な怖さを感じるかと思います。概要を説明しましょう。川の氾濫を鎮めるために村人から意見を求められた口寄せの女。口寄せが儀式で神がかりとなり「女を川に沈めろ」と言うと自分が村人に捕まって沈められてしまう。それから堰で聞こえるようになった「心からだ。口からだ」のささやくような声。。この言葉は残酷な意味を持っているように感じました。
その他、ガマ口上をはじめた永井兵助、二の宮の由来となった二宮尊徳(二宮金次郎)、本ブログの第1回目の記事で取り上げた「茶釜雷神」などが取り上げられています。読むと話したくなるものばかり!
ところで、収録されているお話のうち3話はヤマトタケル、もう3話は八幡太郎義家、それに平将門について1話ありました。将門はともかく東征の英雄について多くのページを割いているんです。
常陸国風土記に「筑波は古い時代に紀の国と呼ばれていた」とあります。「紀」とはなんぞや?という感じですが、専門家によると「城(城塞)」と同じ意味だそう。古くから関東・東北の蝦夷と戦う最前線だったので多くの英雄譚が伝えられたのかもしれませんね。
本の入手法
筑波書林の本はいまではなかなか手に入らないんですよね。うまく行けばAmazonやAmazonのマーケットプレイスなどでゲットできますが。
借りて読むならつくば市内の図書館かアルカス土浦、県立図書館に在庫がありますのでチェックしてみましょう。
ちなみにわたしは桜川市の川島書店で購入しました。真壁のひなまつりのシーズンに訪問しましたので店内のたくさんのつるし雛を楽しむことができました♪
妖怪発見!
残念ながら本書に妖怪は出てきません。。
茶釜雷神とか島田石の竜などを妖怪としようと思ったのですが、神仏の類ですよね。
厳し目にカウントしているのでこのような結果となりました。次回にご期待ください!
まとめ
この記事のまとめ
- つくばの民話は英雄譚が多い
- 書籍の購入は困難だが、図書館で借りて読める
- 妖怪のことは書かれていない
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。
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