茨城県の地域おこし協力隊が発刊!『隊員1人1人の1095日』

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

非売品なのでご紹介するか迷いましたが、興味深い一冊なのでブログにしました!

この記事では茨城県の地域おこし協力隊により作れた『隊員1人1人の1095日』をご紹介します。

概要

タイトル 隊員1人1人の1095日
発行者 近藤弘志
編集者 西川龍之介
発行日 2021年2月10日
発行元 茨城県地域おこし協力隊有志の会
ページ数 98ページ

本書は茨城県で活動する地域おこし協力隊の有志によって制作されました。2020年は世界中が新型コロナ一色。協力隊に限らずだれもが活動を制限されましたが、そんな中であってもなにかしら次に残していければという思いで発案されたそうです。タイトルの1095は3年間の日数ですね。

活動期間が限られている協力隊にコロナ禍は極めて厳しい。でも、そのまま終わること無く、隊員たちで連携して作品を仕上げたことは素晴らしいことだと思います。しかも大きなチャレンジをして。

制作にあたってはクラウドファンディングで資金を募り、目標額を大きく超える約160万円を達成。わたしも微力ながら支援いたしまして、そのリターンとして本書をいただいた次第です。

内容は大きく3つに分けられます。

  1. 各隊員のポートフォリオ(プロフィール)
  2. 隊員のインタビュー
  3. 対談

①は隊員の経歴、資格および特技、主な活動、自己PR、コンタクト方法がまとめられていました。これをもっとも役立てるのは協力隊の着任を検討している方でしょう。おそらくどの説明会に参加するよりも有益な情報になるかと思います。なので、できればWebで公開するのがいいかなと。

②は協力隊になった動機や活動の手応えなどのインタビューです。前向きな内容は全体の6〜7割ほどで課題や難しさについて率直にお話されているのが印象的でした。やりたいことがハッキリしていても具体的にとなると別問題。正解がない場合はこうして実体験から考えることが大切だと思います。余談ですが、水戸黄門も同じような考えで歴史書(大日本史)の編纂をはじめて日本全体を含めた地域の発展につなげました。

ちなみにわたしはインタビューを受けている岩崎さんのブログを楽しみにしていました。(いまもアーカイブで読めます)「オカシマサマ」や水戸黄門ゆかりの陰陽神社の祭りなど、貴重な情報を次々と紹介されていて、かわプラザ(常陸大宮市)でオカシマサマが見れるようになったのもその延長かと思います。今後、地域の歴史や民族に興味を持って検索した方々は数年前の岩崎さんのブログに辿り着くのではないでしょうか。岩崎さんはすでに隊員を卒業されていますが、ネット上に記事が残る限り地域おこしに繋がっていると言えるでしょう。

③は隊員同士だけでなく行政の職員やサポーターの意見を聞けて面白かったです。後者は(立場的にも)前向きな意見が多いのですが、「全国随一の協力隊支援・研修体制」を謳う背景にはそれだけ不安を抱える人やノウハウが不足していたということでしょう。色々なご苦労があったのかなと想像しました。茨城で制度がはじまっておよそ9年。フォロー体制が充実したとはいえ課題は山積みのはず。ネガティブな情報こそ本来は共有しなくてはいけないと思うんですよね。じつはわたしの興味もそこだったりします。

続いて、内容と少し離れて本書の特徴をご紹介します。

協力隊同士の連携

本書のもっとも大きな特徴は隊員が地域をまたいで連携したことです。近隣の隊員同士なら以前からありましたが、このような大規模なものはわたしが知る限り初めて。

隊員は自治体ごとの雇用なので他の地域との連携はあまり想定されていないと思いますが、わたしのような探訪者や一般の観光客は面白ければひとつの地域にこだわりません。一般的な自治体の職員や観光協会がやらないような企画にもつながるので個人的には大いに歓迎したいところです。

コロナ禍を利用して新たな展開を導き出したのはスゴイと思いますし、作品としてもきちんと仕上がりましたのでいい前例になりました。企画者に携わった隊員は近々卒業するようなので、こうした体制もあとに繋げられるとよいのですが。。

活動の公開

クラウドファンディングやそれも含めた企画をブログにするなど、オープンで斬新な動きだったと思います。失敗するリスクがあるのに大胆だなと。それができたのは制作に関わった隊員が「慣れていた」せいでしょうか。

協力隊の活動は意外と知られていないというか、探しても見つからない場合があるんですよね。市の広報誌やFacebookに限定した活動報告だと知るのが大変です。

わたしはただのマニアなので相手にしなくていいですが、一般の方が協力隊の活動に関することを調べた場合、目的の情報を見つけやすくしてあげる配慮は大切かと思います。そう考えるとGoogleやYahooで探せるサイトやTwitterの運用が必要になるのではないでしょうか。

本書の企画者の多くはSNSやブログをされていますし、たくさんのフォロワーがいます。共有アカウントの場合は前任者の「遺産」もあるでしょう。

そうした「慣れ」や「蓄積」が拡散力や行動力につながったのではと思います。情報発信は続けるほど成果が出やすいと思いますが、それは協力隊以外も同じなのでぜひ先駆けて欲しいですね!

まとめ

この記事のまとめ

  • 本書は茨城県の地域おこし協力隊の有志が制作
  • 次の世代に活動や経験を伝える目的があった
  • 協力隊は隊員間の連携や発信方法など進化している
この本の評価
読みやすさ
(4.0)
面白さ
(4.0)
デザインの美しさ
(3.5)
コストパフォーマンス(非売品)
(3.0)
オリジナリティ
(4.0)
総合評価
(4.0)