【著:青木智也】『続いばらぎじゃなくていばらき』を読んで

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

茨城県民であれば耳にしたことがあろう茨城王イバラキング

Webサイトのタイトルですが、「メロンのことでしょ」という方も「知っている」に含みたいと思います。これで圧倒的な認知度に!

今回は茨城王の書籍化の第2弾である『続いばらぎじゃなくていばらき』をご紹介します。

なぜ、いきなり第2弾なのか。それは茨城県の各地域を紹介する点で当サイトと似ているからです。ヒットの背景にも触れながら今後の地域情報の発信についても考えてみます。

本の概要

『続いばらぎじゃなくていばらき』は2006年4月に発売。著者は『茨城王』こと青木 智也さんです。

本書はベストセラー『いばらぎじゃなくていばらき』の続編。前作が県民性にスポットを当てたことに対して今作は地域。実際に訪れて体験したことなどをユーモアたっぷりに紹介しています。

発売は12年以上前ですが、平成の大合併後に執筆されましたので市町村名はいまと同じ、各地域の特徴も大きく変わっていません。茨城生活が長い方はこれからでも充分お楽しみいただけると思います。

単なる地域情報の発信にとどまらず、歴史的・政治的な背景、さらに問題点についてもやんわり触れています。『よいしょ』し過ぎない自然な立ち位置なので共感しやすい!

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現在、書店で見つけることは難しいですが、図書館にあったりします。(県内の)図書館のサイトでタイトルを検索してみましょう

MEMO
本書で取り上げられた『ネタ』はイバラッパーの歌の元になっています

本書の狙い

「いばらぎじゃなくていばらき」

これほど県民から賛同を得られるタイトルがあるでしょうか。「よくぞ言ってくれた」という気分になります。小学校で習うはずなのに。

著者が声を上げなければ、今頃「いばらぎでも正解」とか辞書に書かれていたかも。あぶないところでした。

冗談はさておき、当時から茨城は全国的に知名度が低く、県の場所はおろか名前すら間違われていたようです。それはたしかに問題。知名度の高いほうが県民にとってなにかと良さそうですからね。

それでは、本書の狙いは茨城のアピールを狙ったものでしょうか。ちょっと違いますのであとがきから引用します。

なんとなく東京が上で茨城が下だと思っていました。子供の頃はテレビ番組が東京と一緒というのは自慢でしたが、よくよく考えたら茨城の民放がないじゃないですか 。雑誌だって載っているお店は東京ばっかりで茨城のお店が載っていません。茨城なのに東京ウォーカーや千葉ウォーカーが売れています。こんなのはほんの一部ですが、知らず知らずのうちにわれわれ茨城県民は東京中心主義に侵されていたんです。
あとがき/続いばらぎじゃなくていばらき

最後の一文は「それはおおげさだとしても」と続きます。しかし、茨城県で東京の話題が多いのは事実。わずか1時間ほどで行ける距離ですからね。

さらに本書では「茨城県民は意外と茨城のことを知らない」と指摘しています。グサリ。。でも同感。

茨城は東京の刺激を手軽に得られる。そのうち茨城より先に東京に目を向けるようになってしまった。。そんな想像が膨らみます。

本書の販売エリアは前作と同じで県内のみ。想定される読者はほぼ県民です。狙いとしては「すでにある魅力に気付いて楽しもう」。それに「ただし、魅力を伝えるなら一工夫いるよ」が付け加えられていると思います。

ヒットの背景

著者の青木さんとわたし。お互い知っているとかいないとか。一緒に仕事をしたことがあるとかないとか。。それはともかく、茨城発信の先駆けとしてキングを尊敬しております。はい。

わたしはこのサイトをはじめる前から本書や前作を読んでおりますので、少なからず茨城王を意識した運営をしています。そこで僭越ながら茨城王が人気を博した背景を振り返りながら、地域情報の発信について考えてみたいと思います。

まずはサイトの開設。Webサイト『茨城王』のはじまりは2000年。いまから19年も前なんですね。ワォ!わたしが物心付く前。。なんてことはありませんが、色々と『ひよっこ』だった頃には違いありません。いまもですが。

2000年は『IT革命』が流行語大賞になった年。その頃はまだまだパソコンを持っている方は少数。それに当時は『ブログ』という言葉もほとんど使われていませんでした。ADSLが普及しておらずISDN(懐かしい!)を使っていた時代ですね。

インターネット(以下:ネット)があるとはいえ、個人でサイト運営している人なんていませんでした。だれもが「html?はて?」という感じ。そんな状況で地元の情報を発信していたとは。。かなりの先駆けっぷりだと思います。

当時、わたしもネットに触れていましたが、発信なんてまったく考えなかったです。わたしがネットで夢中だったのは、ゲームの裏技を探すことだったので!(あとファミコンソフトの通販)

2001年になると、いわゆる『テキストサイト』が増えてきました。『侍魂』なんかをよく覚えています。CSSをほとんど使わず文字をベタ打ちしたようなサイトなんですが、これがまた面白かった。当時は漫画以外で砕けた文章を読むことが少なかったですからね。日常会話のような文章がキレイなフォントで表示されるだけで新鮮でした。

ネットの利用者が少なく、発信者はさらに少ない時代。利用者はふだん読めない素朴でユニークな文章を楽しみにしていた。。茨城王が人気サイトになった背景だと思います。

一方、いまは多くの方がスマホやパソコンを持っていて自由に情報発信できます。また、すでに途方もない量の情報がネットにあります。

wata

茨城の魅力、伝わっているはずですよね?あれれ。。

いまは情報が多すぎてちゃんと伝わらないんです。他の県も自分たちのことを知ってほしいですからね。発信すれば伝わる時代ではなくなりました。

では、どうすればいいのか。正解はないものの、参考までにわたしがサイト運営で気をつけていることをご紹介します。

wataがサイト運営で気をつけていること

  1. 他にないコンテンツを提供しているか
  2. それがわかりやすいか
  3. 自分の好きなことをしているか


1でなければやる意味がありません。2でなければ伝わりません。3でなければ続けられません。

SEO対策などの技術も重要ですが、まずは中身、わかりやすさ、継続性。この辺は時代が変わっても共通でしょう。

付け加えるとコンテンツやサイト自体にテーマがあるといいですね。「こういうサイト」と思っていただければ、情報を取りにきてもらえます。

次は動画の時代です。情報量はテキストや写真と比べ物になりません。出せば目立ってウケるはずです。が、少しすれば情報が多すぎてやはり伝わらない問題が発生するでしょう。

そんなときも今回のように時代を振り返りながら大切なことを思い出していただければと思います。

まとめ

『続いばらぎじゃなくていばらき』は茨城の各地域について紹介。著者は茨城王こと青木智也さんです。

県民向けに茨城のことをもっと知ってもらうために書かれました。人気となった背景を考えながら、新しい時代の地域発信を考えてみてはいかがでしょうか。