【民話を読もう Vol.2】那珂町の民話(那珂市)【編:那珂町教育委員会】

茨城の民話を紹介する企画の第2弾。今回は現在の那珂市の民話が収録された那珂町の民話をご紹介します!

全編イラスト付きでフリガナもばっちりありますから小学生から楽しめる一冊です。妖怪も発見したので最後までぜひご覧ください。

MEMO
購入はほぼ不可能です。那珂市の図書館や県立図書館で借りて読んでください。

概要

タイトル那珂町の民話
編集・発行那珂町教育委員会
制作 監修:藤田稔
さし絵:桧山栄
編集:中山悦男、仲田義一、山崎和雄、高瀬久子
発行日1998年3月
ページ数144ページ

茨城の民話といえば茨城民俗学会の代表理事をされた藤田稔先生ですね。いまでも多くの書籍を通してお名前を拝見します。監修に名前があることでなんだか気持ちが引き締まります。収録されている民話は全51話。昔話、額田のたっつあい、伝説の3つに分類されています。昔話は特に地域性のないお話でその多くは笑い話となっています。額田のたっつあいは額田のホラ吹きのことですね。じつは茨城を代表する民話だったりします。伝説は地名や寺社の由来などが中心です。

面白いのはなんといっても伝説関係です。妖怪、武将、神仏がバランス良く収録されており、観光地巡りのより楽しいものにしてくれます。額田神社(鹿島八幡神社)、八幡太郎、一乗院、正覚寺などなど。現在でもよく知られている名前がズラリとあって嬉しい限り。正覚寺の丑の刻参りの伝説について知るならこちらがオススメですね。境内の紹介よりもわかりやすいです。

一方、『たっつあい』は有名ではあるものの本で読むには少し物足りない印象があります。笑い話は話し手の話し方や場の雰囲気が大切なので仕方ない面もあるのですが。。ちなみにたっつあいは達才のことで、非常に頭がよく多方面で活躍した人物ではないかといわれています。余談ですが、たっつあいの墓は那珂市の引接寺にありますよ。

wata

タイトルにある那珂町ですが、平成17年(2005年)に旧瓜連と合併して那珂市となりました。瓜連は父の故郷なので個人的に色々感慨深いものがあります。

「笑い」を大切にした地域性が見える

漫才のネタを文字起こしして爆笑になるかというと微妙です。漫才にはリズムやタイミング、身振り手振りなどがありますからね。民話の笑い話も同じで読んで楽しむのは少々難しいように思います。

そういう意味では本書には物足りなさを感じるのは致し方ないのですが、他の地域と比較して「笑い」を大切にしてきたことは心に留めておきたいですね。『たっつあい』の民話がたくさん残っていること自体に意味があるのではないでしょうか。

昔話は笑い話が多いのですが、那珂町のことではないので語り手が好んだ内容かと思います。とんちがきいていたり、勧善懲悪だったり、そしていわゆるバカ話などは『たっつあい』に通じるものが多く、地域の人々の精神性が現れているようですね。

【ネタバレあり】見つけた妖怪

大蛇の鱗/P128

大蛇の鱗/P128

本書に登場する妖怪です。★でランク付けしてみました。★が多いほど妖怪としての能力(謎)が高いです。

  1. だいだらぼう ★★★
  2. 古峰ヶ原の天狗 ★★★
  3. 額田の大蛇 ★★★

大物が揃いました。だいだらぼうは県央地域を中心に数多くの民話が残されています。常陸国風土記にも巨人の記載がありますので巨人は茨城で親しまれやすいのかも。

古峰ヶ原こぶがはらの天狗はいまから1200年前も前に落雷やひょうで困っていた鴻巣の農民を救ったそうです。天狗は栃木県鹿沼市の古峰ヶ原からやってきたと言われているので古峰ヶ原神社を創建し日本武尊と共にお祀りしています。

神社は鴻巣の鷲神社の境内社としてありますのでお参りした際にチェックしてみてください。御神木の根本あたりにあったと思います。以前は天狗の面も置かれていましたね。

額田の大蛇は額田城主の家臣・根本彦次郎に討たれたといわれています。はじめは若い娘の姿をしていたのですが、娘の周辺はなまぐさい風が吹くので怪しんだ彦次郎が奇襲をかけました。切られた娘は約3mもの大蛇となって。。

大蛇の鱗は氏神の額田神社に奉納されたそうです。いまもあるのか気になるところですね!

まとめ

この記事のまとめ

  • 那珂町の51の民話を収録
  • 茨城を代表する民話「額田たっつあい」を多数収録
  • いまに残る寺社の伝説がある
この本の評価
読みやすさ
(4.0)
面白さ
(3.5)
デザインの美しさ
(3.0)
コストパフォーマンス
(3.0)
オリジナリティ
(3.5)
総合評価
(3.5)

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