【著:矢御あやせ】『大洗おもてなし会議』の感想|大洗町

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

社会人になる前、2年間でライトノベル(通称:ラノベ)を1000冊ほど読みました。

本すごく好きなんです。詳しくはないんですけどね。長いのはちょっと苦手なので、できれば短編集のようにサクッと読めるものがいいです。

そんなわたしが満足できる一冊、なんと茨城県民が書いているではないですか!大洗おもてなし会議ミーティング〜四十七位の港町にて〜』です。大洗のセブンイエブンでゲットしました。(イエブンは誤字ではありません。いや誤字かも)

タイトル通り大洗ゆかりの作品です。この記事では大洗おもてなし会議の紹介と読み終えた感想を書きます。面白そうだと思ったらぜひゲットしてくださいね。

大洗おもてなし会議とは

大洗おもてなし会議は2018年3月に発売。著者は茨城県水戸市出身の矢御やおあやせ@80chan)さんです。

物語の舞台となるのは同県の大洗町。人口は約16,000人。太平洋に面した港町で海水浴やあんこう料理、立派な水族館があることで知られています。近年だと『ガルパンの町』という印象でしょうか。

主人公は大洗出身の皆川涼子みなかわ りょうこ。地元にある祖母の民宿 松川荘でアルバイトをしています。本当は民宿を継ぎたいけど、笑顔をつくれないし自信がない。。悩みを大洗にやってきた医師加賀徹かが とおるに話したところ『大洗おもてなし会議』を提案される。というあらすじです。

キャラクターの性格がハッキリしていることや各章を短く区切っていることで、ふだん小説を読まない方でも気軽に楽しめると思います。最後の章を除けば1章40ページほどです♪

わたしの一番好きな章は第1章!(本書では課題1)出会いがあり、課題が見え、おもてなし会議でみんな成長していく。。素朴で心温まる物語です。

現在の大洗を忠実に再現していますのでガルパンさんには特にオススメ。主人公と同じように地元で生活する20〜30代は色々と思うところがあるかもしれませんね。

続いて軽くネタバレしつつ作品の特徴をご紹介いたします。

料理

主人公は民宿のアルバイトで料理が得意。新鮮な海の幸がとれる大洗ですから、全編を通してよだれの出そうな描写が。。お酒も引き立っていましたね。おいしそう!

「食」については本書でかなり力を入れています。味や調理方法、食べ合わせまで詳しく書けるということは、実際に召し上がったのでしょうか。だとしたらなかなかの。。

食事にストーリーが加わるとまさに一味違います。高級店や専門店はすごく意識していますよね。『おふくろの味』も少なからずストーリー補正が働いているのではないでしょうか。本書では町補正も加わって「きっとおいしいんだろうな〜」と思わせます。

料理 x 物語 x 町 = 。。じつは町の魅力発信にすごく効果的だったりして。。小説家と地域のコラボ。あったら面白そうですね!

登場人物

魅力的な登場人物にも触れておきましょう。ずっと地元民なわたしとしては主人公の涼子と妹の美沙が気になる存在でした。

涼子は地元が大好き。でも周りの評判(魅力度ランク最下位)もあって意見を言えない。一方、妹は地元嫌いを公言。でも全部が嫌いなわけじゃない。

こういう方、実際にたくさんいると思います。好きだけど受け入れてもらえなそうだから言わない。嫌いと言ってしまったので、好きなところを認めにくい。

同じ地元を見ているはずのにどうしてまったく違う評価になるのか。現実といくつもオーバーラップする人物たちです。

また、主要人物の強みと弱みの両面が描かれていたのも印象的でした。なんでも出来る人なんていない!チームプレーで課題をクリアする展開が面白いです。

大洗町

大洗が舞台なだけあって場所や名物などの固有名詞連発です。ざっくり数えただけで10。有名どころばかりなので、ピンとくる方は多いでしょう。

町が物語に自然と関わっているのがいいですね。しっかり取材をして丁寧に考えられたのだと思います。

途中、主人公の涼子が東日本大震災から復興までの経過や町民と茨城県民の気質について触れていました。特別なことではありませんが、著者が現地で取材をして書いたと思うと感慨深いです。

取材させて貰った方が読者になりますから誤解は避けたい。でも、考えはしっかり伝えたい。情熱を持って書いたであろうポイントなので注目です。

ラノベを読もう

ラノベ好きなのに久しぶりの読書になってしまいました。月並みですが、ラノベはいいぞ。

思えば通信の発達によって、少しずつ本を読む機会が減りました。以前は電子書籍にマンガなんてなかったですから。これから動画がもっと手軽に見られるので、本の需要は減るのでしょうか。

そんなことはありません。物語はどんな作品にも欠かせないもの。画像や音声があると魅力的ですが、確実にコストがかかります。それに物語の後にマンガや映像ができますよね。

これからは社会のトレンドに合わせて素早く物語を提供。そんな作品や小説家が求められるのではないでしょうか。発売まで時間のかかる本よりもnoteや電子書籍が伸びる気がします。

いずれにせよ人々が物語に共感をして楽しめることに違いはありません。ただ、現代はまとまった時間をとることが難しいので、読みやすいラノベには今後も期待です!

まとめ

大洗おもてなし会議は茨城県の大洗町を舞台とした小説。著者は水戸市出身の矢御あやせさんです。

大洗の民宿を継ぎたい主人公が町の医師と会議をしながら成長する物語です。

簡潔で読みやすく、大洗や県民に対する想いの詰まった作品ですので、ぜひご一読ください。