【書籍レビュー】茨城の怖い話【著:寺井広樹・一銀海生】

ども〜。いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!(はじめてブロガーらしい挨拶をしてしまった。。)

そう。わたし観光マイスターなので県内あちこち足を運んでいるんです。楽しい場所もあれば。。心霊スポットも!まぁ怖い体験なんてしたことないんですけどね。

でも、ウワサによると県内にも出るところがあるそうですね。それってどこ?それを知るべく茨城の怖い話をゲットしました。これで幽霊巡りのコースが組めるようになるかも!

この記事ではその名も『茨城の怖い話』のレビューをします。ネタバレなしですが、純粋に本を楽しみたい方はこの記事を先に読まないことをオススメします。

『茨城の怖い話』とは

『茨城の怖い話』は2018年3月にTOブックスから発売されました。寺井広樹さんと一銀海生さんの共著ですが、どのお話をどちらが書いたかはわからないようになっています。

タイトルの通り茨城県の各地が舞台となり、具体的な地名も数多く登場します。観光地として知られた県南・県央地域が中心なので、県民ならほぼすべてのスポットをご存知でしょう。

”怖さ”の種類としては実際の事件(と思われる)や事故を元にしたリアル系。妖怪や宇宙人といった昔懐かしいオカルト話はとても少ないです。(どうでもいいですが個人的にそういうのをスーパー系と分類しています)

リアル系特有の残虐・後味悪い・アダルトな要素も多分に含んでおりますので免疫ない方は要注意です。対象は成人以上かと思います。

MEMO
本書は県内の図書館にも置かれている場合があります。地元の図書館で検索してみましょう。

取り上げられた恐怖スポット

本書で取り上げられている恐怖スポットは以下です。かっこ付きは具体的な場所がわからないものです。(ある程度はわかる)

恐怖スポット一覧
  1. 阿見町…予科練平和記念館
  2. 稲敷市…(利根川)
  3. 牛久市…(ジェイソン村)、縁切寺
  4. 大洗町…大洗海岸
  5. 笠間市…筑波海軍航空隊記念館、笠間城、笠間稲荷神社
  6. 下妻市…筑波サーキット
  7. 常総市…鬼怒川、法蔵寺
  8. 大子町…袋田の滝
  9. つくば市…筑波山、(玉塚)、(T大学)
  10. 土浦市…土浦駅
  11. 坂東市…国王神社
  12. 日立市…日立の一本杉、旧本山トンネル
  13. ひたちなか市…水戸つばさの塔
  14. 水戸市…(留置場)、(トランプ城)、(常磐線)、茨城県護国神社、(千波湖)
  15. 美浦村…(霞ヶ浦)

wata

県北が2,県西が1、鹿行が0。他は県南・県央エリアです。ずいぶん偏りがありますね

注目の話『累ヶ淵』

それでは注目のお話をひとつご紹介しましょう。

累ヶ淵かさねがぶちをご存知でしょうか。歌舞伎にもなった有名な怪談ですが、常総市の民話を元にしています。民話といっても実話という説もあるんですが。。

本書では『新説 累ヶ淵』として現代の言葉で綴られていました。障害を持って生まれた子どもが親の欲望によって不幸な最期を遂げてしまう。そこから誕生した怨念が両親に復讐をし、子孫まで不幸にしていくという恐怖が連鎖する物語です。

”事件”となった鬼怒川、霊を供養した弘経寺、ゆかりの墓がある宝蔵寺と知っている名前がいくつも登場するのはいいのですが、なんとも複雑な気持ちになりますね。これで知名度上げても。。

人間関係が複雑なので理解するのは難しいかも知れません。ただ、現代的な言葉遣いなので過去に読んだものと比べると読みやすく感じました。

登場人物がよく会話をしてドス黒い感情をストレートに言葉にしますのでかなり刺激が強かったです。一方、ラノベ的なので言葉に”軽さ”を感じることもあったのですが。

ところで、常総市には『お伽羅きゃらさま』といって若い女性が鬼怒川を鎮める人柱となる民話があります。こちらも累ヶ淵同様にゆかりの墓が市内にあるんです。(安楽寺)

つまり、どちらも実話とされています。むかし、本当にそのような悲しい出来事があったのでしょうか。

わたしはあったと思っています。物語として脚色された部分はあるものの、二度と同じことが起きないよう語り継がれてきたと考えています。

民話は本にあるお話だけで終わらず、語り手がなんらかの意見を加えることで完成したのではないでしょうか。人柱で平和になったお話はありません。道徳を教えるために恐ろしさを増して語られてきたのでしょう。

書いてあることは事実なのか

本にあることが事実かどうかはわかりません。あくまで”怖い話”を楽しむ目的で制作されていますので事実関係を追求するのはナンセンス。

とかいいながら気になる部分を軽くツッコんでみます。参考程度に聞き流してくださいね。

笠間城について

本書で取り上げられている恐怖スポットの『笠間城』について以下の説明がありました。

笠間城は、天正年間(1573-1593年)に宇都宮頼綱が甥の持朝(笠間氏)に命じて築城させた城。宇都宮一門として戦国時代まで勢力を誇った。
八 笠間城(笠間氏笠間)P67

県民なら「おや?」と思うことでしょう。笠間城は承久元年(1219年)に笠間時朝ときともが築城しました。天正年間だと微妙に戦国時代が終わっているような。。

”持朝”については誤植です。”持”のつくりは同じですけどね。どうして誤植になったのかは「笠間持朝」で検索してみるとすぐにわかるかと思います。

結論から申しますとこの部分はWeb上の文字をコピペしたと思います。そのためコピペ元の誤植がそのまま使われてしまったのでしょう。

他にもネット情報を参考にしていると思われる記述がいくつか。悪いことではないのですが、記述が固まっていたり文脈から外れているので少し気になりました。

余談ですが、笠間城および築城された佐白山はたしかに心霊スポットとして知られています。やはり戦死者の霊なのですが、この話はとても古い時代からいわれていることです。

起源をたどると笠間時朝が佐白山に築城した際、すでにあった正福寺を滅ぼしたことにはじまります。時朝は夜な夜な僧兵の霊にうなされましたが、正福寺を城内に再建したことで悪夢から解放されたとか。一応救われているお話なんですよね。

ところが、近年になるとそうした争い自体がなかったという説もあるんです。戦地からなにも発掘できていないからなんですが。。だとしたら僧兵の霊とは一体。。

全体的な感想

タイトルに『茨城』とある通り、茨城県民を読者と想定していますので県民がよく知るスポットのお話が並びます。お話自体はわりとよくあるパターンが多かったかと思います。それを心理描写と会話マシマシで怖さを強調という感じですね。

身近に怖い場所があると思うとすごく気になりますよね。「ほんとかな〜?」なんて思う話もあれば、聞いたことあるのもいくつか。日立なんかは有名ですよね。本にあるようなことは知りませんが、”いわくつき”なのはたしかなのでやはり気になる内容でした。

ライトノベルのような軽快さが魅力ですが、一方で言葉に軽さを感じてしまうような面もありました。また、少々無理やり茨城に関連付けている箇所も見受けられました。特に導入とシメの部分です。もしかしたらテンプレ的に書いているかも。

本書で背筋が凍るような思いをしたい方はぜひお読みください。信じる心があればより楽しめることでしょう。

あえて野暮ったいこといいますけど事実とそうでないことはしっかり見極めてくださいね。わたしの親戚のことですが、近所の空き地が心霊スポットとして話題になり面倒な対応をすることになりました。人を困らせない程度に楽しんでもらえればと思います。

この本の評価
読みやすさ
(4.0)
地域性
(5.0)
生々しさ
(4.0)
信憑性
(2.0)
コストパフォーマンス
(2.0)

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