水戸十ヶ寺の古刹 如意輪寺|御朱印・由緒・常陸国(水戸)三十三番札所|茨城町

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

この記事でわかること
  • 由緒とご本尊について
  • 寺伝にない歴史
  • 御朱印のいただきかた

いまも昔も人通りの多い道に面したお店は流行ると思うんですよね。集客の必要がないのでとにかく売るだけ!

昔の道といえば関東だと東海道が思い浮かびますが、茨城だと水戸街道です。やはり街道沿いの寺社は繁栄したのでしょうか。

この記事では茨城町の如意輪にょいりんをご紹介します。水戸街道の宿場町・長岡宿にあり旧長岡地区の方々にとって重要なお寺です。参拝しやすいのでぜひ足を運んでみてください♪

龍谿山 西樂院 如意輪寺とは

如意輪寺参道

如意輪寺参道

如意輪寺は茨城町の小鶴にある天台宗の寺院です。小堤の町役場から車で約10分、茨城町東ICを下りてからだと7分ほどです。

道中あまり広くない道が続きますが、境内の駐車場はトラックが停められるほど広いのでご安心ください。乗用車なら20台近くいけるでしょう。

寺伝によると創建は平安時代。慈覚大師(円仁)が東国で布教した際に開山したとあります。ただし、寛文3年(1663年)の天台宗の開基帳には「年代不明」とあり、実際の歴史はよくわかっていません。

同じく開基帳だと開山は仁賀法印でその年まで八代続いたとあります。さらに末寺が3ヵ寺、門徒10ヵ寺、旦那(檀家)が601人と立派なお寺だったとわかります。でも、そんな如意輪寺も筑西市(旧関城町)黒子の千妙寺の末寺です。千妙寺、どれだけ大きかったんだ。。

元禄3年(1690年)までは小鶴の小字である堂周にありました。現在地への移転は徳川光圀の意向があったようです。元禄3年は光圀が藩主を退いた年ですから、どんな意図があったかちょっと気になるところ。

ご本尊は如意輪観音。。と思いましたが、”茨城の寺(四)”には如意輪観音ではなく阿弥陀如来とあります。たしかに本堂に安置されているのは阿弥陀如来。。今度お寺で尋ねてみますね。

現在、旧長岡地区のお寺は如意輪寺のみなので信仰の中心となっているそうです。

山門

山門

山門

駐車場から境内に入るにはスロープと山門の2通りがあります。健康なら少し歩いて山門からお参りするのがオススメです。

「山号」があるくらいなのでお寺といえば山ですが、わたしは平地で青空の見えるお寺も好きです。如意輪寺は参道から見る山門と空が美しいですよ。

後ろにちらっと見える巨木は山桜です。参拝した12月にはもちろん咲きませんが、4月には見事に開花。県内の寺社の桜はお寺にしだれ桜、神社に山桜が植えられていることが多いので他のお寺と少し違っているといえるでしょう。

開花した美しいお写真が”茨城県の桜”にありますので、ぜひご覧ください。


参考
【茨城町】如意輪寺の山桜茨城県の桜

如意輪堂(観音堂)

如意輪堂(観音堂)

如意輪堂(観音堂)

山門の先、正面に見えるのは如意輪堂(観音堂)です。中には寺号にもある如意輪観音が安置されており、お参りすることで長寿、安産、厄除けのご利益があるといわれています。

この観音さまと観音堂は元禄3年(1690年)に徳川光圀に寄進されました。観音さまの背中にもそのように銘がありますので間違いないでしょう。

如意輪寺の場合、仏としては格上で本尊にもなっている阿弥陀如来より人気(?)があるとか。黄門さまとのご縁があるからかもしれませんね。水戸領第六番札所(現在は常陸国の第六番札所)になっているのもそのような背景かと思います。

三つ葉葵の寺門

三つ葉葵の寺門

寺門である三つ葉葵は観音さまを寄進された元禄3年から許されるようになりました。水戸十ヶ寺のひとつにも数えられており、水戸藩のお寺という印象が強いです!

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如意輪寺の御詠歌は「重ねてもここに小鶴の如意輪寺みきりの松をしるべにはして」延享4年(1747年)に水戸市の滝田三右衛門などによって出版された”水戸三十三番札所”にあります

本堂

本堂

本堂

入母屋造の本堂です。昭和63年(1988年)10月に新築されました。

扁額と龍の彫刻

扁額と龍の彫刻

山号”龍谿山”に龍の彫刻。美しいですねぇ。そういえば、光圀のあざなは子龍でした。如意輪寺と龍の関係はなかなか興味深いものがあります。

前述の通り、如意輪寺は元禄3年に当地に移設されました。墓石を見ると古いもので寛文2年(1662年)とあります。それまでの由緒がよくわかっていないことから、光圀によってなにか大きな変化があったのでは予想しますがいかがでしょう。

江戸から水戸街道で水戸に向かう場合、水戸のひとつ前は長岡宿。まさに如意輪寺のある場所なんです。人と物が集まる要所ですから、水戸の門番としてさまざまな役目があったと思います。

廃寺になったものがほとんどですが、かつて以下のような関係寺があったそうです。

末寺

大戸 不岸ふがん
安井村 妙光みょうこう
長岡 正法しょうぼう

脇寮

無量院
高照寺
※”常陸紅葉郡鑑”による

門徒寺

越安村 東光院
蕎麦原村 宝蔵院
馬渡村 常照じょうしょう
常井村 法性ほうしょう
近藤村 教王きょうおう
安井村 三明さんみょう院、医王院
※”小鶴村年代記”による

本堂には阿弥陀如来像が安置されています。瑠璃色の螺髪がすご〜く目立ちますので、すぐにわかると思いますよ!心静かに「南無阿弥陀仏」を唱えてお参りしましょう。

御朱印

如意輪寺の御朱印

如意輪寺の御朱印

如意輪寺の御朱印です。御朱印料は300円です。

本堂左手の庫裏でいただけます。庫裏はインターホンのある方で客殿と異なりますのでご注意ください。

この日はご住職不在だったため書き置きをいただきました。大変ご丁寧に対応くださり感謝です!

アクセス

名称 龍谿りゅうけい西樂さいらく院 如意輪寺
住所 茨城県東茨城郡茨城町小鶴1771
駐車場 あり(20台ほど駐車可)




まとめ

この記事のまとめ

  • ハッキリした創建年代はわからない。阿弥陀如来と如意輪観音がご本尊とされている。
  • 観音さまと観音堂は水戸黄門による寄進
  • 御朱印は本堂左手の庫裏でいただける

参考文献

茨城町史 通史編/編:茨城町史編さん委員会
茨城町史 地誌編/編:茨城町史編さん委員会
茨城の寺(四)/著:今瀬文也