如信上人終焉の地 法龍寺|県内最大の銀杏とカヤ|大子町

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

この記事でわかること
  • 法龍寺の由緒
  • 銀杏の紅葉の見頃

県内最大の銀杏が大子町にあるのはご存知でしょうか。今なお健在で秋を美しく彩っています。

銀杏があるのは法龍寺です。あまり知られていませんが、大子の紅葉を語るなら知っておきたい場所。

この記事では大子町の法龍寺と境内の銀杏についてご紹介します。紅葉シーズンにぜひ足を運んでみてください!

法龍寺とは

法龍寺入口

法龍寺入口

法龍寺は大子町の上金沢に位置する真言宗大谷派の寺院です。山号、院号などはわかりません。。

参拝するならほぼ車になるでしょう。場所は常陸大子駅から車で15分ほどです。

由緒について大子町観光協会のサイトから引用します。

親鸞上人を祖父にもつ如信上人が、関東および奥州への布教に下った際、陸奥の国の上金沢(大子町)に招かれ、正安2(1300)年1月4日、66歳のときにこの地で遷化しました。(真宗大谷派東京教務所作成資料による)
その後、徳川光圀公が領内を巡視した際に如信の墓を訪ね、お堂を建立して法龍寺と名付けたといわれています。
法龍寺(如信上人終焉の地)/大子町観光協会

如信にょしん上人は浄土真宗の開祖・親鸞の孫。特別な人物なので、お寺の紹介には”如信上人終焉の地”と添えられることが多いのです。

協会のサイトでは創建の部分が省略されていますが、次のようなエピソードがあります。

「今の福島県西白河郡白川町の大網常端寺に住んで、奥州、関東の強化に専念した。そしてたまたま依上村金沢付近を巡錫中、聖徳太子の像が放置されているのをみて嘆かれ、太子堂を建てさせて、門弟の乗然坊に守らせた。(『茨城県市町村総覧』)
法竜寺(真宗大谷派)茨城の寺(二)

いまの法龍寺の前身として太子像を安置する太子堂が建立され、如信上人の門弟・乗然坊が守ることになりました。それが正応2年(1289年)といわれています。

如信上人はずっとこの場所にいたのではなく、奥州大網東山で布教をしていました。毎年11月の親鸞聖人の命日(報恩講)にあわせて上京しており、その帰りに乗然坊のいる草庵に立ち寄り亡くなったんです。

”終焉の地”とされているのは布教の拠点ではないという意味もあるんですね。

光圀公は延宝2年(1674年)に新しい堂宇を建立して田畑20石を寄進しています。寺宝の如信上人像も本願寺十七世真如とともに寄進しました。

山門(四脚門)

山門(四脚門)

シンプルで美しい山門(四脚門)の先にはしっとりした境内が広がっています。。

wata

光圀ってよく大子町に足を運んでいたんですよね。なにか特別な思い入れもあったのでしょうか。
MEMO

駐車場は入口の石柱の先。本堂のすぐお隣にあります。

本堂

本堂とカヤ

本堂とカヤ

法龍寺の本堂です。境内に入ってすぐ目に入るかと思います。大きくはありませんが、比較的新しくキレイにされています。

なんどか足を運んでいますが、だれかに出会ったことはありません。静かに信仰されているのでしょう。

足下の苔

足下の苔

境内は2つの巨木によってあまり日が差しません。そのせいか足下には苔が大量に発生しており、歩くと絨毯の上を歩いているようです。個人的にはすごく落ち着く雰囲気。。

このときは紅葉のシーズンでしたので、駐車場付近は銀杏の実の香りがしていましたね。

本堂には水戸光圀公由来の如信上人座像と聖徳太子立像が安置されています。いずれも大子町指定の有形文化財です。

銀杏とカヤ(大子町天然記念物)

銀杏

銀杏

お寺のことをよくご存じない方でも境内の銀杏とカヤは耳にしたことがあるかもしれませんね!いずれも大子町指定の天然記念物です。

銀杏は延慶2年(1309年)に本願寺第三世の覚如上人が如信上人13回忌のためにお手植えをしました。いまでは次のように育っています。

樹齢:約700年
樹高:32.5m
幹周り:11.1m(目通り)
法龍寺のイチョウ/大子町文化遺産

信じられない大きさ。。いくつかの幹がひとつになってこの太さ。本当に銀杏なのか疑うほどです。。

銀杏の”乳”

銀杏の”乳”

銀杏には枝が垂れ下がっているように見える部分がありました。なんだろうと調べたら以下のことがわかりました。

イチョウの「乳」のことですね。これは英語でもChichiといいます。乳房に見立てての名前です。古くなると出る木がありますね。ただ、雄の木でも雌の木でも出ます。出ない、あるいは出にくい個体もあります。乳が発達する古木は、古来から信仰の対象になることが多く、日本各地に垂乳根のイチョウであるとか、乳イチョウであるとかいう名称で呼ばれ、母乳がよく出るようにという願掛けなどに信仰を集めてきました。東大の構内にも多数のイチョウが植えられているので、その多くで乳の発達が観察できます。
銀杏の枝からぶら下がってくるもの/みんなの広場

どうしてこうなるか原因まではわかりませんが、神秘的なことから信仰されることもあるそうです。なるほど〜

少し離れて見る銀杏

少し離れて見る銀杏

訪れたのは11月16日。ピークより少し前でしたが、日の当たる場所は紅葉していました。11月中旬〜下旬が例年の見頃としていいでしょう。

袋田の滝や永源寺も同時期に見頃となりますので、あわせてお参りしてみてはいかがでしょうか。

榧(カヤ)

榧(カヤ)

カヤは如信上人のお手植え。乗然坊がこの地で太子堂を守ることなった際に植えたといわれているので。。2019年現在、樹齢は730年ということでしょうか。

樹高:24m
幹周り:6.8m(目通り)

銀杏とカヤはいずれも県内最大です。それが1箇所にあるなんてすごい!

如信上人の墓

如信上人の墓

如信上人の墓

銀杏の近くに如信上人のお墓が建てられています。

新緑の暗がりにひっそりと。。ご縁のあった場所で境内の木々の成長をながめながらゆっくりと時を過ごしているようです。

あとで知ったのですが、如信上人の墓の隣に乗然坊の墓が並んでいるそう。。気づかなかった!今度チェックしてみます。

アクセス

名称法龍寺
住所茨城県大子町上金沢1684
駐車場あり
Webサイト大子町観光協会




まとめ

この記事のまとめ

  • 法龍寺は光圀公が命名。初代住職は如信上人の門弟
  • 銀杏の紅葉(見頃)は11月中旬から下旬にかけて

参考文献

茨城の寺(三)/今瀬文也