- 笠間稲荷の由緒
- 紋三郎稲荷の伝説
- 御朱印のいただき方
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笠間で絶対に抑えておきたい観光スポット。それが笠間稲荷神社。
いまや陶芸の町に収まらず、アートの町として発展する笠間の中心的な存在です。由緒ある神社ですが、最近ではコスプレイベントなどさまざまな試みをされていますね。
この記事ではド定番の笠間稲荷についてご紹介します。余談ですが、初詣の参拝者は県内No.1。鹿島神宮を上回るというのだから凄まじい。。

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笠間稲荷神社とは

笠間稲荷神社
由緒
ご祭神は宇迦之御魂神です。多くの稲荷神社は京都の伏見稲荷の影響を受けており、同祭神を祀ることが多くなっています。
宇迦之御魂神に狐の姿をイメージされる方が多いかと思いますが、狐は神様のお使い。狐は田植えや収穫の時期に人里に現れるので、いつしか豊作や商売繁盛と結びつけられたようです。『稲荷』は『稲が成る』を語源とする説もあるとか。
宇迦之御魂神の性別に定まった説はありませんが、女性や翁の姿と考えられています。当社の場合は民話やそれにちなんだ「紋三郎稲荷」の異名があるように男性、特におじいさんとして印象付けられています。
明治の社格は村社ですから、それまでは特別な神社ということはなかったかと思います。人気の理由はやはり商売繁盛のご利益があるとされているからでしょうか。
大変立派な境内を見ると「なるほど」と納得せざるを得ませんね!
大鳥居

大鳥居
笠間稲荷神社の鎮座地は笠間市笠間1番地。住所からしてなんかすごい。
門前の通りは駐車場とお土産の販売店がずらり。平日は空いていますが、土日は県内の神社でも有数の賑わいです。
境内は広く、東西南北のどこからでも入ることができます。ただ、おすすめはやはり正面。南の大鳥居をくぐって参拝していただきたいですね。

仲見世通り
参道の両端には昔ながらの仲見世が立ち並んでいます。お菓子やアイスクリームのような食べ物から神棚・狐の石像など渋いものまで色々。
お正月には大量の熊手が並んでいて壮観でした。独特の雰囲気が参拝しにきたな〜という気分にさせます!
楼門『萬世泰平門』

楼門
おっきーい!
本殿に悪いものを近づけないための楼門です。別名『萬世泰平門』。脚の部分には随身の像(右大臣と左大臣)があって神社を守ってくれています!
昭和36年(1961年)にできたので、神社としてはわりと新しいものですね。
拝殿

拝殿
たいへん立派な拝殿です。参拝客もたくさん。拝殿の前にある紫色の植物は花菖蒲です。この時期、潮来のあやめ園も見頃を迎えていますが、こちらも素敵でした。
拝殿の後ろにある本殿は江戸時代に再建されたもので国指定の重要文化財です。境内は本殿以外に、東門や絵馬殿、八重の藤など紹介しきれないほど見所があります。
たくさんの方が訪れる理由はご利益や由緒よりもこの気持ちよさではないでしょうか。若い方にもお散歩気分で気軽に来てほしいですね!
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本殿

本殿
大きすぎる社殿なので本殿を見るのも一苦労。拝殿右手の通路からぐるりと回って見る必要があります。
防犯のためか格子があるものの、凄まじい彫刻だとわかります。棟札によると後藤縫殿之助、弥勒寺音八、諸貫万五郎が彫刻師として名を連ねています。
さすが国指定重要文化財。これ以上の技を見るのは県外でも稀でしょう。誰でも気軽に楽しめるのも素晴らしいですね!
聖徳殿

大黒天の案内
笠間稲荷の拝殿から右に目を向けると大黒天とある看板が見つかります。塀の先に進んでいくと。。

聖徳殿
聖徳太子をお祀りする聖徳殿です。大変古そうな社殿ですが、境内や茨城県神社誌などを見ても詳細がわかりません。
笠間稲荷のWebサイトから引用します。
聖徳太子がお祀りされています。笠間施工組合(大工職)が中心に太子講が組織されています。
また大黒天(大国主大神)、事比羅社(大物主大神)合殿にてお祀りされています。
聖徳殿/笠間稲荷神社
ざっくりな説明ですが、講があるということは、かなりの歴史を持っていそうです。
この社殿には一緒に常陸国七福神の大黒天もお祀りしています。常陸国七福神とは土浦市の真延寺からはじまった七福神巡礼です。
こちらの大黒天はくくり頭巾で狩衣姿、左肩に袋、右手に打ち出の小槌を持っています。元禄時代に広まった米俵に乗った姿と違うことが特徴だとか。
少々暗いのですが、社殿の右の方に安置されていますので、ぜひご覧ください。
大黒天は国造りの神である大国主命と同一視されています。お参りすることで財産に恵まれるご利益があると考えられています。
総門
境内の東側の出入り口には総門があります。建てられたのは文化10年(1814年)です。
楼門ができるまでは随神門として使われていました。いまは像が楼門に移され御幣を置いています。
はじめてご覧になった方は大きさや色、造りに驚かれると思います。正面の巨大な鳥居がなければ間違いなくこちらが本来の入口だと感じるはず。
総門の裏手には本殿を移築(後方に100m)した際に使われた大毛綱があります。崇敬者2万人の女声の髪の毛が使われているのだとか。。なかなかのオーラを放っています。
紋三郎狐の伝説
笠間稲荷の神様は本当にキツネだという昔話(説)があります。キツネは紋三郎というシブい名前です。昔話をざっくりとご紹介しますと・・・
兄弟はそれぞれ神通力の種類が違っていて、3男の紋三郎は”石を見つける”というものでした。川と瓜連城を守っていた長男の源太郎はたいへん人気がありましたが、兄弟の中で一番人間に喜ばれて出世したのは笠間の紋三郎でした。
石を見つける・・・わたしは兄弟でもっとも地味な能力だと思いましたが、出世したのはいろいろと理由があるんです。昔話は以下の記事に詳しく書きましたのでご覧ください。
それでは、笠間稲荷を離れて、別の魅力をご紹介します。


ご祈祷について
笠間稲荷では家内安全・交通安全・厄除け(厄払い)など、各種祈祷を受付ています。
受付は楼門をくぐって左手にある社務所です。つまり門が開いている時間でないと申し込めません。
ご祈祷は8:00から16:00まで1時間ごとです。お正月や例祭などの催事のある場合は異なりますので、神社にお問い合わせください。
その他、詳細につきましては公式サイトをご参照ください。
御朱印

笠間稲荷神社の御朱印

大黒天の御朱印
笠間稲荷と大黒天の御朱印です。
楼門をくぐった先、左手にある社務所でいただけます。ご祈祷の時間が午前8時〜午後4時なので、同じくらいの時間にいただけると思います。
おまつり
笠間の菊まつり

菊まつりの社殿
年間行事が充実している笠間稲荷。オススメはたくさんありますが、笠間の菊まつりはぜひご覧ください。日本最古の菊まつりで110年を超える歴史があります。
期間は例年10月下旬から11月下旬です。
品評会用の大変美しい華花が笠間稲荷を中心に展示。境内には菊の香りが漂いますので、いつもと違った参拝になるかと思います。比較的見頃が長く、期間中に別の行事もあるのできっと楽しめます!

3代目宮司 塙嘉一郎像
楼門の手前にある像は塙嘉一郎。笠間稲荷の3代目宮司で菊まつりの発案者なんです。
菊まつりは神社農園ではじまり拡大していきました。戦中も継続されて兵士たちを招待しており、菊には愛国心を象徴する意味があるのではと思います。皇室には”菊花紋”がありますよね。

お土産の笠間いなり寿司

かさまカフェ
笠間いなり寿司は、県内のイベントでよく見かけます。間違いなく笠間の名物でしょう。神社の周辺でもたくさんのお店で扱っています。
笠間いなり寿司は『変わり種いなり』で、いなり寿司にくるみなどが入っています!
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笠間いなり寿司
実は笠間いなり寿司を食べるのはこの日が初めてでした。お味のほどは。。くるみのサクサクした食感がいいです。とても香ばしくてふつうのいなり寿司とはぜんぜん違います。
ごまもいいアクセントになっています。これはB級グルメなんでしょうか?どちらかというと高級志向だと思います。いなり寿司に上品な味わいが加わったように感じました。
アクセス
名称 | 笠間稲荷神社 |
---|---|
住所 | 茨城県笠間市笠間1番地 |
駐車場 | 無料駐車場あり |
Webサイト | 公式サイト |
車の場合(無料駐車場)
笠間稲荷の無料駐車場は2箇所です。ただし、催事のときには有料になるのでご注意ください。おそらく民間よりも割高になります。
①公営笠間稲荷駐車場
②地蔵前駐車場
平日や催事がなければ無料駐車場に停められると思います。
民間の駐車場は終日で300円ほどです。300円を下回ることはないと思いますので、支出できればなるべく鳥居のそばに駐車しちゃいましょう。
電車の場合
最寄り駅は水戸線の笠間駅です。駅からの距離は約1.5km。徒歩20分、タクシーだと5分くらいです。
まとめ
この記事のまとめ
- 笠間稲荷は7世紀に創建
- ”紋三郎キツネ”を祀る日本三大稲荷
- 御朱印は2種類。常陸国七福神の大黒天の御朱印もあり
参考文献
瓜連町の昔ばなし/著 楠見松男/筑波書林のふるさと文庫
wataがいま読んでいる本
マンガで『古事記』を学びたい方向け
神社巡りの初心者におすすめ