wata
旧新治村のからかさ万灯、ついに見てきましたよ!
土浦市と新治村が合併したのは平成18年(2006年)。ずっと土浦に住んでいたわたしにとっては最近のことで新治のおまつりってよく知らなかったんですよね。
貴重な国選択無形民俗文化財。。実際に見れて良かったです!この記事では土浦市の大畑地区の総鎮守鷲神社とからかさ万灯の様子をご紹介します。毎年8月15日の行事です!
※茨城県神社誌による
からかさ万灯が茨城県無形民俗文化財に指定される
大畑のからかさ万灯が国選択無形民俗文化財に選択
本殿が村の文化財に指定
※後年に焼失
不審火により社殿焼失
からさか万灯が地域伝統芸能大賞および文部科学大臣賞受賞
ご祭神は天日鷲命です。境内の石碑には『作木綿者命』と併記されていますが、日本書紀にある織物の神様としての別名でしょう。
神仏習合の時代は藤沢の神宮寺が別当を務めていたといわれます。当時は神社の近くにありましたが、江戸時代以前にいまの場所に移されたそうです。
wata
アクセス
常磐道の土浦北ICから車で約5分。境内の北東側(社殿のすぐ近く)に駐車場があります。
参拝するならほぼ車になるかと思います。お祭りの日は駐車場をからかさ万灯の会場しますので駐車不可です。周辺の特設駐車場をご利用ください。
名称 | (大畑)鷲神社 |
住所 | 茨城県土浦市大畑1890 |
駐車場 | あり |
Webサイト | 不明 |
鳥居・境内
夜のおまつりの前に参拝してきました!すごく天気がいいし、近所なんですもん。
社号標には堂々と旧村社ありますね。市内には鷲神社が三社(残りは田村と藤崎)あるんですが、いずれも旧村社です。土浦の雨乞いの神様への信仰は篤い!
参拝は朝8時頃。提灯の飾り付けや山車の準備がされていました。皆さん、暑い中お疲れ様でございます。
境内は広くないのですが、祠をいくつも目にしました。住宅や道路のできた場所から移動されてきたのかもしれませんね。
それと境内でちょこちょこ目にする『竹』を見つけました。これ、どんな意味があるかご存知でしょうか。
わたしもハッキリわかりませんが、すくすく成長する竹に五穀豊穣の願いを込めていると聞いたことがあります。竹はレンコンのように先を見通せますから縁起物と考えられているかも。
社殿の右手に砂利の敷地があります。こちらがふだん駐車場として使われていると思います。そしてからかさ万灯の会場です。
社殿
社殿は平成7年(1995年)に不審火により焼失。同11年(1999年)に再建されました。
唐破風は鳳凰。水引虹梁の上部には山鵲らしき彫刻がありました。瑞獣として安置されているかと思いますのでせっかくお参りに来たなら見ないともったいないですよ!
この日は戸が開いていたので中を拝見。よく見ると中に花火の玉がありますね。
鷲神社と花火には縁があるためでしょう。むかし、毎年11月26日には御鷲まつりがありました。その中でおわし万灯という花火があげられていたんです。それにいまも。。
一間流造の本殿。古い本殿は昭和62年に村の文化財に指定されていました。焼失は本当に惜しいことですね。同じ市内(新治村)の東城寺でも同様のことがありました。
しかし再建された社殿もなかなか立派なものです。少々見づらいのですが、脇障子には立派な竜の彫り物。正面の水引にある蟇股なども見事な造りなので気になる方はぜひご覧になっていってください。
大畑天満宮と八坂神社
鷲神社の本殿の右側に大畑天満宮がありました。ご祭神はもちろん菅原道真公。
鳥居も社殿も比較的新しく感じますね。天満宮らしく学業成就を祈願する絵馬がかけられていました。
社殿を挟んで反対側には八坂神社が鎮座しています。鷲神社にはむかしから祇園祭(八坂神社のおまつり)がありました。
鷲神社なのに祇園祭があるのは、かつて疫病が流行ったときに素盞嗚命とお鷲さまを神輿に乗せて村内を巡幸したのがきっかけだそう。
社殿は最近のことでしょう。以前はお神輿だけがあったんです。
それではこの日の夜のからかさ万灯をご紹介します。
からかさ万灯は干ばつから農作物を守るための雨乞いの祈願です。宝暦9年(1759年)から行われた記録がありますので、じつに250年もの歴史があります。
大畑は昔から農業が盛んな地域だったのですが、水源は雨だけでした。そのため、雨乞いは極めて重要な行事だったのでしょう。
他に次のような起源説があります。
また、一説に地区の北東に昔遊郭があり、そこの遊女が大火の折、逃げ遅れて全員が焼死したと伝えられ、時の領主が遊女の痛ましい死を悲しみ、その冥福を祈る供養としてこの神事を始めたともいう。落ちる煙火の火花を涙にたとえたという説である。今でもこの神事の日にはきまって雨が降るのも、この説を信じるものを多くしている。
新治地区神社誌
からかさ万灯は毎年8月15日に開催されます。日付が決まっているので、お盆に入ったら思い出してくださいね。今年(2019年)は台風の影響で17日(土)に順延しました。
駐車場
神社の駐車場はからかさ万灯の会場なので使えません。また周辺の道路が通行止めになるのでご注意ください。
駐車場は以下の3ヶ所です。(変更される可能性があります)
・旧藤沢小学校(土浦市藤沢3057)
・JA水郷つくば 農産物直売所サンフレッシュ新治店(土浦市藤沢514-1)
・新治地区公民館(土浦市藤沢982)
一番近いのは旧藤沢小学校です。徒歩10分くらい。サンフレッシュや公民館は20分くらい歩くと思います。大変でした。。←歩いた。
当日のようす
この日のスケジュールは次のとおりです。レアな情報かも。花火の点火以外は毎年多少違うと思いますのでご参考まで。
Laguna
山本恵莉子
遠藤友紀雄
お囃子会演奏
ふだんほとんど人気のない神社ですが、祭りの日は違いますね。わたしは歌謡ショーの前に到着。境内はすでにすごい人だかり!
拝殿には次々と参拝者が並びます。一緒に奉納も受け付けていました。納めると境内の立て札に名前が張り出されます。
歌謡ショーもはじまりさらに境内は盛り上がっていきます。正直、こんなに賑やかな会場とは思いませんでした。ネット上ではよくわかりませんでしたが、地元ではよく知られていたんですね。
点火の前にはお囃子や踊りもありますよ!踊りては子どももいるようですね。伝統行事の趣を感じます、
司会者のはじまりの合図を出すと、綱火が音を立てて導火線を走ります。大きな木枠まで届くと『祝令和 からかさ万灯』の文字が見えました。続いて火は直径5m、高さ6mの傘へ。いよいよからかさへ着火です。
わたしの写真だとわかりにくいのですが、天上に吹き上げられた火が雷雨を表し、その下に流れ落ちる火花が雨を表しています。五穀豊穣を願うおまつりらしいですよね♪
花火が点火している時間はおよそ10分ほどだったと思います。はじめから見逃さなようにしましょう。
最後は打ち上げ花火で締めです!
お祭りの日は境内で花火型のお守りが頒布されます。ユニークですよね。社号の左右には「交通安全」「家内安全」がありました。サイズはこれが最小だったと思います。
wata
はじめは3月に開催されたおまつりですが、その後農作への謝意を込めて旧暦の9月17日になりました。8月15日になったのは無形民俗文化財の指定を受けてからです。
・大畑鷲神社では毎年8月15日にからかさ万灯が行われる(荒天は順延)
・からかさ万灯は「茨城県無形民俗文化財」「国選択無形民俗文化財」
・花火の玉型のお守りが頒布される
茨城県神社誌|茨城県神社庁
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。