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つくば市の筑波山。有名ですよね。さすがに茨城県民で知らない人は少ないでしょう。その代わり、筑波山以外の山を知らない人はたくさんいそうですが。。。
春になって筑波山へ訪れる方がとても増えました。山頂付近までほとんど歩かずに行くことが出来ますから、気軽に登山(?)を楽しめます。
先日、わたしも久しぶりに登ってきました。といっても、山頂までケーブルカーを利用したので、プチ登山レベルなのですが。でも、気持ちよく汗をかけて楽しかったですよ〜。
ちょうど『カタクリの花まつり』を開催していたので、そちらも一緒にご紹介します。筑波山は植物の宝庫なので、梅まつり以降はずっと植物の観察を楽しめます。運動にもなってしまうところがいいですね。
筑波山神社
山登りと植物の話をしたいのですが、茨城見聞録的には筑波山神社はスルーできません。
筑波山神社の随神門と拝殿です。いつ見ても荘厳だなーと思います。
随神門は1633年に三代将軍の徳川家光から贈られました。家光は常総市に眠る千姫の弟ですね。
随神門は境内に悪いものが入ってこないためにあります。門の足の部分に、立派な2体の像があります。写真の向かって左に倭健命、右に豊木入日子命です。でも、もともとは同じ場所に仁王像がありました。仁王像がなくなったのは明治の廃仏毀釈の影響です。。。だから、いまの像は門の大きさに合っていません。そのために作られたわけじゃないからです。
登山の前には神社でお参りしていきましょう。筑波山は霊峰です。山に神様が宿っていますので、拝殿で安全を祈って損はありません。それに参拝からはじまる登山は、気持ちがスッキリしていいですよ。
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ケーブルカー
神社から階段を上がると宮脇駅があります。山頂までは宮脇駅から出るケーブルカーで行けます。大人だと片道580円、往復券で1050円です。子どもはその半分くらいですね。料金は、筑波観光鉄道のWebサイトに詳しくあります。
ケーブルカーは20分間隔で出発します。乗車時間は約8分。あっという間に到着です。
御幸ヶ原 – 筑波山山頂駅周辺
ケーブルカーで筑波山山頂駅に到着する。その周辺を御幸ヶ原といいます。食事や売店が揃っていて、ちゃんとしたお手洗いもあります。見ての通りたくさんの人たちです。登山というよりもレジャー客らしき方もたくさんいます。それだけ気軽に来れる場所です。ここまでは。
男体山
それでは、カタクリを眺めながら男体山の山頂を目指します。ルートは筑波山自然研究路です。実は初めて歩きます。
カタクリの花、面白い形をしていますよね。花を下向きに咲かせています。とっても小さいのですが紫色が目立ちます。紫色は濃かったり薄かったり個体差があるようですね。近年では白いものも発見されたとか。わたしは見れませんでしたが、かなりレアだそうです。
こちらの経路はかなりの急斜面にありますので、岩や斜面の上でたくましく咲いているカタクリが見れます。山頂付近に3万株あるとのことですが、『カタクリの花がたくさん!』という印象ではありません。まとまって咲く花ではありませんので、こうした雰囲気でほのぼの楽しむものでしょう。
筑波山には徐々に明るい色の植物が出始めました。たくさんの方が足を運びたくなる気持ちもわかります。
山頂
標高871m、男体山の山頂です。イザナギノミコトを祀る神社があります。こちらが筑波山神社の本殿です。ケーブルカーに乗る前の写真は拝殿でした。
本殿は江戸城のあった方を向いています。筑波山が江戸城の鬼門にあったことから、鬼門封じの神として祀られたからです。祭りはじめたのは徳川家康でした。
男体山は女体山よりも急な斜面です。さらに登山道が非常に狭いため、登山客同士ですれ違ったり休憩しにくかったりと難易度が高いと思います。初めて登るなら女体山の方がいいかもしれませんね。
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女体山
続いて女体山です。筑波山をはじめて登るならこちらがおすすめです。男体山と比較すると比較的道幅が広く、斜面も緩やかです。山頂には絶景がありますので、一度はご覧いただきたいですね。道中、いくつも名所がありますので、少しだけご紹介します。
がま石
がま石です。立て札には以下のような説明がありました。
元来「雄龍石」といい、傍らには「雌龍石」もあり、その尾は霞ヶ浦に達するといわれている。一般には、永井兵介がこの石の前で「ガマの油」売り口上を考え出したことにより「ガマ石」と呼ぶ。
「がまのような形をしているからがま石」かと思ったら、もともとは違う名前だったようです。わたしの読んだ『新治村の昔ばなし/著 伊藤三雄』によると、兵助は講釈師に頼んで口上を考えてもらったとあります。どちらの説が有力なのでしょうね(・・?
ところで、がま石を訪れた方々は、なぜか、がまの『口』らしき場所に石を投げていました。・・・願いが叶うのでしょうか?
セキレイ石
立て札には「この石の上にセキレイ(鳥)がとどまり、男女の道を教えたといわれています」・・・意味深ですね。
筑波山では、古くから嬥歌という風習がありました。男女が集まって歌を披露する、いまでいう合コンのようなイベントです。むかしの男女関係は奔放だったという説があります。しかし、個人的にはわざわざそのようなイベントがあるのは、むしろ制限が厳しかったからだと思っています。
山頂
女体山の山頂は標高877mです。男体山より6m高いです。こちらの本殿にはイザナミノミコトが祀られています。
山頂付近は開けているので、記念撮影や休憩がしやすいです。少々危険ですが、山頂からの絶景が楽しめます。
おそらく八郷方面を撮ったと思います。まさに絶景!これが見たかった!といっても、御幸ケ原から往復で30分ほどなのですが。この日は山頂も混雑していたので、撮影とお参りを簡単に済ませて下山しました。
女体山から御幸ヶ原に戻ってきて、ケーブルカーで下山。筑波山神社の駐車場に到着してから3時間ちょっとでした。
筑波山はいろいろな登山コースがあります。わたしのコースは登山といえないかもしれませんが、もっとしっかり登りたい場合は、ぜひ登山コースを調べてみてください。たくさんありますよ〜。
筑波山ならではの注意点
実際に登ってみて、筑波山には独特の注意点があることがわかりました。特にこれからのシーズンは以下の3つのことご注意ください。
①大勢が一度に登る
女体山の山頂付近の様子です。非常に人が多いです。登山の服装をしていない方もたくさんいます。
驚くのが子どもや犬たちの多さです。わたしが行った際には20人〜30人程度の子どもたちが一斉に登っていました。それくらい大勢だと大人の目が届いていないので、駆け上がったり危険な経路を進む子がいます。動きが予想しにくいので、足を止めて安全にすれ違うようにしたいですね。
②道幅が狭い
登山者同士ですれ違うために渋滞が発生している様子です。女体山は、男体山よりも道幅が広いのでよいのですが、それでもこれくらいの広さが続きます。足元が岩でゴツゴツしているので、決して無理をして進んではいけません。楽しくおしゃべりしていきたいところですが、並んで歩くことは他の登山者にとっても危険です。
③急斜面
特に男体山が危険です。岩を登るような感覚の場所があります。わたしは一眼レフカメラを持って登山していますが、不安定な態勢になって危険なので、こうした状況ではカバンにしまいます。バランスをとるために手荷物は控えましょう。
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おまけの紫峰杉
御幸ヶ原から少し歩いたところに紫峰杉があります。とても立派なものなので、ぜひご覧ください。
筑波観光鉄道のWebサイトから解説を引用します。
平成24年5月1日より、この御幸ヶ原から徒歩1分の場所に、筑波山の新しい名所が公開されました。
それは筑波山の頂より流れる「男女川の源流」とその傍らに立つ「紫峰杉」です。 源流の隣にそびえ立つこの巨大な杉の木は、高さ約40m、幹回り7m、推定樹齢800年。公募の結果、筑波山の雅称である紫峰の杉ということから名づけられました。筑波山ケーブルカー&ロープウェイ
雅称というのは別名のことです。筑波山が夕日に照らされると紫に見えることから、そう呼ばれていました。
むかしは筑波山の麓で醤油の醸造が盛んでした。いまでも醤油のことを『むらさき』と呼ぶのは、かつて醤油といえば紫峰の麓であったことに由来するという説があります。信憑性は定かでありませんが、土浦市をはじめ江戸時代まで醤油づくりが盛んだったのは本当です。
アクセス
名称 | 筑波山神社 |
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住所 | 茨城県つくば市 筑波1番地 |
ご祭神 | 筑波男大神 伊弉諾尊、筑波女大神 伊弉冊尊 |
駐車場 | 周辺にたくさんありますが、ガマ公園の駐車場が駐車料200円で安かったです。 |
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。