玉清井と玉清井神社(行方市)

なにげなくドライブしていたら素晴らしい景色の神社を見つけてしまいました!

行方市の西蓮寺でお参りしたあと県道183号で潮来方面に向かっていると田んぼの中に小さな森を発見。どうしてあそこだけ?と思っていると鳥居が見えるではありませんか!

この記事では行方市の玉清井たまきよのい神社と常陸国風土記に登場する玉清井をご紹介します。インスタ映えする外観です。田植えや稲刈り前にお参りするのもいいですよ!

玉清井とは

玉清井神社の外観

玉清井神社の外観

玉清井は行方市行方にある水の湧き出る『井』。常陸国風土記にも登場する由緒ある場所です。県のサイトでは次のように紹介されています。

行方郡

昔、倭武の天皇が、天の下を巡幸され、霞ケ浦より北を言向けられたとき、この国を過ぎ、槻野の清水に出たとき、清水で手を清め、玉をもって井戸をお褒めになった。これが玉の清井といはれ、今も行方の里にある。
常陸国風土記の記載内容/茨城県生活環境部生活文化課

倭武やまとたけるは三世機の頃、蝦夷を討伐するためにこの地を通ったといわれています。尊ははじめ泉を槻野つきのの清泉と呼んだそう。

また、次のようにも書かれています。

玉清井の碑

玉清井の碑

井といっても現在は、庭園の池のようになっている。そばに建つ栗田勤氏毫の「玉清井」の碑によれば、天明の飢饉の折、村人が掘ったものだという。
玉清井/茨城県生活環境部生活文化課

現在の『玉清井』は、伝説にある古代の井戸ではないということですね。栗田勤氏は歴史学者で水戸光圀からはじまった大日本史を完成させた栗田寛の養子(兄の子)です。

玉清井は現在もあり、となりには神社が鎮座しています。神社についてはほとんど知られていませんので、市内の図書館で調べたことをご紹介します。

玉清井神社(井上神社)

鳥居

鳥居

真新しい鳥居をくぐると左右にキツネの石造がありました。そう、ここは稲荷神社なのです。

キツネが見えたら右側をご覧ください。こちらも新しくできたであろう社殿です。

社殿

社殿

社殿の扁額には玉清井とありますので、玉清井神社と呼んでよいかと思います。

ただ、茨城県神社誌によると明治44年(1911年)までは永井戸神社でした。境内の立て札には干ばつの際に江戸から妻恋稲荷を分祀して永井戸稲荷神社を建てたとあります。

当時、村社の井上神社の氏子が少なくなり維持が難しかったので、少し離れた場所にあった八幡神社と永井戸神社を合祀したんです。

そのため、現在こちらを永井戸神社としてよいかは疑問があります。合祀は両方で祀ることも意味しますが、それだと経済的な負担が軽減されませんよね。

地元の方はこの社殿のご祭神は井上神社から分祀された倉稲魂うかのみたまとし、稲荷大明神と呼んでいます。合祀先から分祀となるとちょっとややこしい。。

wata

井上神社は当神社の祭礼の費用を支援しているそうです。分社であり深い関係が伺えます!
MEMO
昔は旧暦6月12日に永井戸祇園と称して山車をひいたり素人演芸会が開かれました。小さなお店もあって子どもたちに大好評だったそうです。

現在の玉清井

玉清井

玉清井

常陸国風土記ではここで倭武が勾玉を落としたとあります。玉で清められた井だから玉清井。

「玉」は玉川村、玉造町の名称にも関係していそうですよね。井上神社は玉清井の上に鎮座したことでそう名付けられたそうです。

水はたしかに湧き出ていますが、昔と比べるとだいぶ水量が減ったそうです。近くに新たに水の湧き出る場所がでたので、地層が変化しているのかもしれません。

倭武尊の像(作:宮路久子)

倭武尊の像(作:宮路久子)

銅像は倭武尊です。平成3年(1991年)に市内の彫刻家・宮路久子さんが製作したもので、市内7ヶ所に同様の像があります。

銅像なのですが。。表面がボコボコしてますよね。じつはとても特殊な造り方をしたのだとか。。ふつう銅像やブロンズ像は型に金属を流し込んで『鋳造』するのですが、こちらは銅の網で作った型に銅線を溶かしていきました。

コストの関係で、とのことですが、溶接の技術を要する非常に高度な作品だと思います。古代の伝説に思いを馳せながら、現代の彫刻家の技術にも注目してみてください!

アクセス

名称玉清井(井上神社)
住所茨城県行方市井上893-1
駐車場あり
Webサイト茨城県生活環境部生活文化課

まとめ

玉清井は常陸国風土記で倭武尊が勾玉を落としたといわれる井。いまでも行方市の井上にあります。

玉清井のとなりには玉清井神社があり、お稲荷様をお祀りしています。

市内には玉清井に関係した地名が多く、伝説が現代にも広く影響していることを感じさせます。

参考図書

茨城県神社誌/茨城県神社庁
玉造史叢 第43集

みんなのお焚き上げ

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