wata
仲直り できるものなら してみたい
by wata
でも、難しいですよねえ。
にんげんだもの。
不仲の原因はいろいろですが、性格や感情の不一致は、気持ちでなんとかなると思っています。お互い会わなければ問題にならないですし。でも、商売や財産に関わることだと、妥協のしようがなかったりしますよね。自分がぜんぶ我慢するわけにもいきませんから・・・。
そんなときはどうしよう。。。もしかしたら、土浦市の昔話にヒントがあるかもしれません。
和解の地『明神池』
後述する昔話の舞台、土浦市の中貫にある明神池です。
私の家の近所でして、昔から釣り場として有名でした。朝に訪れた際は釣り人が3人。用事を済ませて3時頃に近くを通ったときには10人位いました。そんなに釣れるのでしょうか・・・。道具を見ると、狙っているのはヘラブナのようでした。
水面は濃い緑色をしています。植物プランクトンの影響でしょうか。日光をたくさん浴びて、水中で大繁殖していそうですね。
池周辺の木々は大きく傾いています。まるで陸の面が削られたかのようです。自然にできた池でないのでしょうか。
近隣の方が植えている梅の花が咲き始めました。数は多くありませんが、とっても綺麗です。
撮影したのは夕方でしたが、朝ならたくさんのカモがゆったりと泳いでいるのが見れます。餌となる水草や水棲昆虫が多いのかもしれませんね。
なんとなくですが、この池は色々と人の手が加わってできた印象です(¯―¯٥)でも、ちゃんと昔からあって、昔話にも登場するんですよ。
神立の♂カワウソ、中貫の♀カワウソ
それでは、昔話です。お話の中の『中貫』も『鳴沢』も、現在の土浦市内にありました。中貫は現在もありますが、鳴沢は神いまの神立の辺りにありました。
明神池にはきれいな湧き水のでる『神田』があります。これは池に住む♀のカワウソが掘ったもので、近くの田んぼをずっと潤してきました。
また、鳴沢には♂のカワウソがいて、2匹はそれぞれの土地で水の守り神をしていました。2匹は夫婦と言われるほど仲良しでしたが、守る場所が違っていたので一緒に住むことはできませんでした。しかし、何年かに一度、この土地には大雨が降ります。すると、水はけの悪い中貫と鳴沢の土地は湖水のようにつながるので、泳いで渡った2匹には逢瀬があったといいます。
ところが、湖水のような状態が続くと、里の人々は農業ができず生きていけません。中貫の人々はあまった水を一日でも早く下の土地に流そうと水路を掘りました。しかし、水を流した先には鳴沢があります。鳴沢の人々は大いに怒りますが、中貫の人々も生活がかかっているため譲りません。
ある日、楽しいひと時を過ごしていた2匹のカワウソは、里人たちの争いを見て相談をしました。そして、♀のカワウソが里人たちに申し出ます。
「あまった水のやりばで争うのはおやめください。私たちが穴をほって水はけをよくします。そして2つの土地をつなぐ穴もつくります。そうすれば、神田の湧き水が中貫にも鳴沢にも行き届くようになります。水はどちらにも必要なのでしょう?」
そういって、♀のカワウソは中貫から鳴沢へ、♂のカワウソは鳴沢から中貫に向かって穴を掘り始めました。何日もなんにちもかかりましたが、ついに穴は地中でつながりました。
こうして、2つの里の争いはなくなり、2匹のカワウソはずっと一緒に暮らすようになりました。
土浦のむかし話 第一集/土浦市文化財愛護の会・編
カワウソたちは、問題に対して
①原因を見つける → 水はけが悪くて農業ができない。でも、人々の力で大きな水路はつくれない。
②解決方法を考える → 陸に水路をつくることは困難なので、地中に穴をほって水を流す。
③成功に必要な条件を揃えて実行 → 穴をほれる仲間と相談した上で里人を説得。
④見事成功
と、現代でも通用する問題解決の手順を踏みました。冷静です。正確です。そして、スマートです。
カワウソ・・・やりますね!見習いましょう!
ところで、神立方面に『鳴沢』という地名は見つけられませんでしたが、神立小学校には『なるさわ合唱団』があります。もしかして、昔の地名のなごりでしょうか。
アクセス
名称 | 明神池 |
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住所 | 土浦市中貫 ※明確な住所はありませんので、地図から池を見つけてたどり着いてください。 |
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。