ひとつのお寺でお遍路巡りができる!?土浦の大聖寺ってどんなところ?(土浦市)

土浦市の大聖寺アイキャッチ

茨城で聖地巡礼といえば大洗!ガルパンさん的には正解ですが、まったく違うお話です。なんと、お寺の境内で遍路へんろ巡りができる大聖寺だいしょうじのご紹介です。

大聖寺とは

大聖殿

大聖寺は土浦市の永国にある立派なお寺です。建てられたのは995年。一条天皇の時代です。はじめは今泉寺という名前で、いまより少し離れた場所にあったそうです。

大聖寺は土地の支配者によって、たびたび改名や移転がありました。そして、残念なことに何度も火災があり、本堂を消失した歴史があります。(詳しくは大聖寺Webサイトの当山の縁起にて)現在の本堂は1985年(昭和60年)に再建されました。1863年に消失したので100年以上かけての悲願達成ですね!境内はとても広く、土浦市の指定文化財が多数あります。

山門

山門(土浦市指定文化財)

山門は火災による消失のあと、1685年に土浦城主の松平信興のぶおきに寄付されました。
土浦市の指定文化財です

他のお寺とちょっと変わっているのは、薬医門形式ということです。薬医門の由来は『矢を食い止める(矢食い)』という説があります。戦いに関係しているとおり、武家の正門に使われていました。それが次第に扉をなくしてお医者さんの門として使われたそうです。特徴は4本の柱で支えられていて、屋根が少し前に突き出ています。

ご本尊『不動明王』

大聖寺と象の像

大聖寺の本尊は大聖不動明王だいしょう ふどうみょうおうです。写真が撮れず残念ですが、とても怖い顔をしています。(公式サイトの写真はこちら)でも、それは悪い出来事や病気を遠ざけるため。疫病退散の守護神や煩悩を断ち切る仏とされています。近寄りがたい雰囲気ですが、慈悲深いんですね。市の指定文化財です。

また、大聖寺は北関東三十六不動尊霊場の第31番札所です。数えられている霊場をすべて周ると、不動明王が煩悩を断ち切ってくれます♪

護摩堂

大聖寺の護摩堂

護摩ごまは護摩木をたきながらお祈りをするためのお堂です。
真言宗や天台宗などの密教独特のものです。大聖寺は1863年に本堂が焼失してしまいました。そのあと、仮の本堂としてできたのがこの建物です。ちゃんと本堂ができたあとは護摩堂として使われています。

いまの本堂と比べるとコンパクトですが、古風で落ち着きがあって好きです(*^^*)参道に大聖寺の赤いのぼりがあると、すごくかっこいいと思います。なので、なんとなく見に行っちゃうんですよね。

お堂の前では護摩木を購入できます。購入したらどうするのでしょう?護摩は未経験なので、こんど試してきます(๑•̀ㅂ•́)و✧

大聖寺のカサマツ

大聖寺のカサマツ

見どころがたくさんある大聖寺ですが、このクロマツは注目です。大聖寺のカサマツといって、土浦市の指定名木・古木に数えられています。高さが2.8m、横に6m以上も伸びています。ちょっとだけ、黒柳さん?って思いました(*^^*)

四脚門をくぐってすぐ。弘法大師像と護摩堂の前にあるので、とても印象深い樹ですね。

お遍路巡り

それでは、タイトルにあるお遍路周りについてです。

大聖寺の宗派は真言宗です。真言宗の開祖はもちろん空海くうかいです。(空海は弘法大師こうぼうだいしとも言われます)

空海は若い頃に四国の山々を修行して回っていました。その足跡を辿って巡礼することを遍路へんろといいます。巡礼先のお寺は全部で88箇所(+1)です。

四国八十八箇所ミニ霊場

十一面観世音

一生に一度はお遍路をしてみたい。でも、場所は四国、お参り先もたくさん。大変な費用と時間になってしまう・・・

ところが!

それが約1時間ほどで出来てしまうのが大聖寺。お遍路を1/1000のスケールで再現しています!もちろんご本尊は(ミニチュアですが)、すべて揃っています。お参りすれば、きっとご利益があることでしょう!(๑•̀ㅂ•́)و✧

お遍路をするためには、事務所でお札を購入してください。(500円)お札は90枚ありますので、ご本尊の隣りにある郵便受け(?)に入れていきます。88箇所なのに90枚ある・・・それは30番目が2つあることと、本殿地下のご本尊に納めるからです。(30番目のお寺が2つある理由は聞くの忘れました)

ちなみに、お参りをする際のお経は決まっています。南無大師遍照金剛なむだいしへんじょうこんごうです。これは、弘法大師様に帰依します、という意味です。詳しくは「高輪結び大師」 高野山東京別院縁起のサイトをご覧ください。

どうしても大変だったら・・・

弘法大師像

それでも、全部回るのに1時間はかかります。やっぱり大変かも・・・いえ、ご安心ください。修行大師の像の前には、すべての霊場のお砂がありますので、その砂を踏んでお参りすれば行けなかった場所と同じ功徳が積めます。至れりつくせりですね。

では、私はやったのかって?やってません(;一_一)実はお札に日付や、名前、願い事を書くのですが、90枚をすぐには。。。挑戦する方は事前にお札を買ってお家で書き終えてからいくといいですよ。

MEMO
後日、実際にお遍路をしてきました。以下の記事に内容をまとめましたので、ご参考にどうぞ。
弘法大師像と護摩堂南無大師遍照金剛!大聖寺のミニ霊場で実際にお遍路をしてきました!(土浦市)

アクセス

【名称】羽黒山はぐろさん 今泉院 大聖寺
【所在地】〒300-0817 茨城県土浦市永国203
 JR常磐線土浦駅よりバス17分、中村バス停下車徒歩2分または、常磐高速道・桜土浦インターより車で3分。
【駐車場】あり

昔話『むじなの提灯』

大聖寺はさまざまな木々や動物などの自然に囲まれています。先日、訪れたときも草むらからゴソゴソと物音がしました。

大師堂

あれは多分、むじなでしょう・・・絶対そうです!というわけで、大聖寺のある永国の昔話『むじなのちょうちん』をご紹介します。

むかしむかし、いまの土浦市の場所にあった永国村のできごとです。

永国村には太兵衛さんという世話役(村をとりまとめる人)がいました。ある日、太兵衛さんが隣の村で用事を済ませて帰ってくると、村の入口に着いたところで辺りが真っ暗になってしまいました。

「足元が見えず困ったな」と思っていると、目の前の大きな木の上に、丸くてぼんやりとした提灯のような明かりを見つけました。『あれは、なんだろう』そう思っていると、木の上から「おっかない?それとも、おっかなくない?」人の声がします。太兵衛さんは薄気味悪く思いましたが、そこは村の代表者です。怖がってばかりではいけないと、勇気を振り絞って言いました。「おら、おっかなくねえ!」そう答えた瞬間、提灯はバサーっと木から落ちて消えてしまいました。

それから、しばらく経ったある日のことです。永国村のおきくが母の看病を終えて帰ろうとすると、すでに辺りは真っ暗でした。『帰ろうか、どうしようか』と悩んでいると、少し離れた大きな木の上で提灯のような明かりを見つけました。不思議に思って近づいてみると、木の上から例の声がします。「おっかない?それとも、おっかなくない?」おきくは思わず「おっかない!」と答えました。

すると、明かりはスルスルと木から降りてきて、おきくの足元までやってきました。そして、おきくの少し前を照らし続けます。はじめは怖がったおきくでしたが、少しして落ち着くとこれは助かると思い、提灯と一緒に家まで帰ることができました。

永国村ではこうしたことがたびたび起きたといいます。いつしか村人たちは、あの提灯の正体はむじなだと言いだしました。むじなは普段、村人たちにいたずらばかりをしています。でも、いたずらをするのは村人たちのことが気になるからで、ときには困った村人を放っておけない、そんな優しい面があることを村人たちは知っていたのです。

[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”author.jpg” name=”wata”] 一般的にむじなはアナグマのことです。
でも、地方によってはたぬきだったり、妖怪だったりするようですね。[/speech_bubble]

参考
土浦のむかし話 第一集/土浦市文化財愛護の会・編/白石書店

むじなちゃん

illustration by まっどどーる
永国村で村人の足元を提灯で照らす『むじな』

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