岩間の六所神社|御朱印・例大祭|笠間市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

笠間市の神社といえば笠間稲荷が思い浮かびますが、笠間には本当に多くの神社があるんです。

岩間地区といえば”悪態まつり”の愛宕神社と今回ご紹介する六所神社でしょう。どちらも11月〜12月にかけて大きなお祭りがありますので注目ですよ!

この記事では笠間市の旧岩間地区に鎮座する六所神社をご紹介します。祭礼の日にお参りしましたので、そのようすもレポートしちゃいます!

掲げられた例祭ののぼり
掲げられた例祭ののぼり

由緒

天喜6年/1058年
創建

八幡太郎義家が奥州征伐の途次 源氏の守護神である八幡宮を此の地に勧請し 以降八幡さまとして崇敬してきたと伝えられる

永禄11年|1568年
社殿再建

*棟札による

永禄12年|1569年
社殿再建および祈願所に定められる

宍戸城主 宍戸氏時は深く八幡宮を崇敬し 社殿を改築し祭器を奉納 代々の祈願所と定めたという

明暦3年|1657年
土浦藩の所領となる

岩間下村が土浦藩土屋家の所領となるや 藩主はこれを篤く崇敬して幣を奉り 延宝5年(1677)には社殿造営遷宮の棟札がある

延宝5年|1677年
社殿造営および遷宮
宝暦8年|1758年
社殿再建

*棟札による

寛政3年|1791年
社殿再建

*棟札による

明治5年|1872年
合併および改称

布告一郷一社の制により 村内の鹿島神社(古山) 稲荷神社(新渡戸) 星宮(萱生) 熊野神社(室野) 雷神社(大綱)の五柱を併合して総鎮守となり 六所神社と改称して現在に至る

明治20年|1887年
拝殿再建および供進指定

昭和27年|1952年
宗教法人設立
昭和59年|1984年
大鳥居建立および神輿竣工

平成10年|1998年
社号標建立

平成23年|2011年
境内修繕

9月、東日本大震災で被災した境内を修繕する。狛犬の基礎、養蚕神社土塁壁、南側中鳥居。

ご祭神は次のとおりです。

  • 応神天皇(八幡神社)
  • 武甕槌命(鹿島神社)
  • 倉稲魂命(稲荷神社)
  • 天之御中主命(星宮)
  • 伊邪那美命(熊野神社)
  • 別雷命(雷神社)

6つの神社が合祀されたから六所神社なんですね。神社の裏に愛宕山が見えまして岩間地区を代表する神社といえます。当社は天下泰平、五穀豊穣、商売繁盛、除災招福、交通安全などのご神徳があるといわれています。

重要なのは八幡神社を中心としていること。明治の合祀は政府の指令によるところが大きいのですが、存続のために社格を上げるためもあったのでしょう。

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岩間地域の昔話によると明治期には境内で相撲大会があったといわれています。

アクセス

駐車場は大鳥居に向かって左側のスペースです。祭事でなければ問題なく駐車できることでしょう。

駐車スペース
駐車スペース
名称六所神社
住所茨城県笠間市下郷4384
駐車場あり
Webサイトなし

1月1日…元旦祭
2月3日…節分祭
4月29日…祈念祭
11月2日〜4日…例大祭
11月最終日曜日…新嘗祭

鳥居と参道

大鳥居
大鳥居

六所神社の鳥居です。住宅街に鎮守の森と共にあるんですよね。ここだけ神聖な雰囲気がします♪

駐車場は鳥居の先、左手側です。駐車スペースは奥の方までありますので催事でなければ停められると思います。

まっすぐな参道を進むと大きめのしめ縄をかけられた狛犬たち。手彫り独特の味わいのある顔つきをしていますね。

参道の右側が社務所です。御朱印をいただくときはそちらへどうぞ。

令和5年の12月に参拝したところ合祀150年記念の御朱印が頒布されていました。張り出されている見本の日付が同年11月とあるので在庫があれば令和6年になってもいただけるのかなと思います。

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お正月になると参道の右側にテントを建てて甘酒を振る舞っていました。宮司さんと氏子の皆さんに温かく迎えていただき嬉しかったですね〜

社殿

拝殿
拝殿

入母屋造の拝殿は間口4.5軒、奥行が2軒です。向かって左側は授与所らしきスペースのようでした。中を見てみると中央にご祭神の数と同じ6つの幣帛が並べられています。ギッシリという感じですね。

扁額
扁額

棟札によると永禄11年(1568年)、延宝5年(1677年)、寛政3年(1791年)、宝暦8年(1758年)に各造修営遷宮をしました。宍戸氏や土屋氏の信仰が篤かったことがわかります。

しめ縄
しめ縄

しめ縄にツインテール風の藁が差し込まれています。編み方にはしきたりがありそうですね。

本殿
本殿

流造の本殿です。鰹木5本の外削ぎ(男千木)。雄々しい八幡さまらしさが出ています。

本殿(アップ)
本殿(アップ)

社殿の羽目板や脇障子の部分と組物の辺りの色が違っているのは修繕のせいかもしれません。本来は朱色なのでしょう。不動堂や薬師堂など仏教系の建物によく見られる配色ですから神仏習合時代の名残かも。

木鼻の獅子と獏
木鼻の獅子と獏

木鼻は獅子と獏。定番ですね。幣殿部の屋根と重なるようにあるのでちょっと見づらい。また社殿正面(水引虹梁)の彫刻は龍となっています。やや傷んでいるように見えました

正面上部にあるのは引き紋のようです。神紋は左三つ巴ですから旧領主などの家紋に由来するのでしょうか。

蚕影神社

境内社:蚕影神社
境内社:蚕影神社

社殿右手の小高い場所には蚕影神社が鎮座しています。おそらく神郡(つくば市)の蚕影山を模しているのでしょう。

社殿、鳥居、手水舎、石段、太太神楽寄付連名碑などは岩間養蚕組合によって奉納されたようです。記録を見ると明治26年頃に建立されています。その頃は養蚕が盛んだったんですね。

ご祭神は本営と同じ椎産霊わくむすび神、埴山姫はにやまひめ命、木花開耶姫このはなさくやひめかと思います。

御朱印

六所神社の御朱印
六所神社の御朱印

六所神社の御朱印です。
参道の右手にある社務所でいただけますが、その機会は非常に少ないです。元旦と祭礼の日のみと考えて良いでしょう。

例大祭は社務所を出ていることもありますので、必ずしもいただけるとは限りません。

六所神社祭礼

例祭の駅前通り
例祭の駅前通り

知る人ぞ知る六所神社の祭礼を見てきました!

祭礼のはじまりは以下のように伝えられています。

現在のような幌獅子や山車が参加する形式の祭礼は、明治6年の合祀を記念して始められたといわれており、140年を超える歴史を重ねています。祭礼ではいろいろな慣例やしきたりがあり、それを守ることで、町内間のもめごとが起こらなくなり、地域との結びつきがより密なものとなっています。

例大祭/笠間市公式

事情があって合祀されたので氏子同士は必ずしもいい関係ではなかったのでしょう。そこで祭りをきっかけに気持ちをひとつにしようとしたようです。岩間地区最大のおまつりにそんな背景があったとは。。

鹿行地域の鹿嶋市は工業団地の誕生によりやってきた新住民と旧住民との関係が微妙でした。それをサッカーをきっかけにして関係を良くしたんですよね。アントラーズの誕生にもつながっているんですが、それにちょっと似ている気がしますね。

ところで、わたしは笠間稲荷近くの井筒屋にポスターが貼られていたので知りましたが。。地元の方以外はなかなか知る機会がないかな?

毎年、11月1週目の土日にありますので時期になったら思い出していただければと思います。

スケジュール

実際に足を運ぶ方のために祭礼のスケジュールをご紹介します。以下は2019年のものです。令和6年現在は11月1周目の土日が祭日です。年番制なので出発や到着地は変わるかもしれません。

11月2日(土)

13:30
六所神社集合

15:00
神社出発
16:00
栄町御仮殿着

11月3日(日)

12:50
栄町御仮殿出発

13:50
日吉町御仮殿着
15:00
南春日町御仮殿着
17:00
六所神社到着

見どころは暗くなってからの岩間駅周辺です。両日とも18:00以降に山車が集結。まっすぐ歩けないほど人が集まり、非常に賑やかですよ♪

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この年の宵祭は10月27日(日)の午後3時から六所神社の境内でありました。すべての町内は集結せず上町区内のみだったようです。

山車人形

例祭の獅子頭
例祭の獅子頭

祭礼のある土曜日の午後3時頃に参拝しました。すでに山車が町内を周っているとのことなので駅の方へと向かいました。

鳥居のそばには獅子舞の準備がされていました。こちらの獅子頭は頭の中央に角のような突起があるんですね。なかなか強そうでいい感じです。

境内を出て東に進み355号にぶつかったら北へ。上町の交差点の辺りに行くと前方から賑やかなお囃子が聞こえてきました。上町の山車です。

応神天皇の山車人形(上町)
応神天皇の山車人形(上町)

山車の上に乗っている山車人形は八幡さま(応神天皇)です。応神天皇は八幡さま(誉田別命)と同一視されていますが、こうしてお姿が作られると少し違ってきます。

八幡さまは源氏の守護神で弓の名手。神楽などで目にするときは弓矢を持っているのですが、こちらは天皇のお姿なので武器類は一切持っていません。面白いですね〜

吉祥天女の山車人形(日吉町)
吉祥天女の山車人形(日吉町)

もうひとつの山車人形が吉祥天女きっしょうてんにょです。日吉町の山車の上にありました。

天部ですから仏教の仏さま。六所神社の祭礼に登場するのは驚きましたが、神仏習合時代の名残でしょう。

羽衣まであってお美しい姿ですね。吉祥天の家族は夫・毘沙門天、母。鬼子母神、妹・黒闇天とやたら強そう。武神・八幡さまの相方には相応しいかも。。

祭礼は夜の8時頃まで続きます。会場周辺は早い時間から交通規制があるので早めに行くのがいいですよー!

昼間のご祈祷や神輿渡御の様子は笠間市のYoutubeチャンネルの動画にありましたのでご覧ください♪

まとめ

・神社の創建は八幡太郎。もとは八幡神社だった

・六所神社は八幡さまを中心とする6柱を祀っている

・御朱印は基本的に正月か祭礼の日のみ

フォトギャラリー

令和6年正月
参考文献

茨城県神社誌|茨城県神社庁