【五穀豊穣】待望の御朱印を頒布!川妻香取神社|五霞町【社殿彫刻】

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

茨城県内で御朱印巡りをされている方であれば、阿見町と五霞町の寺社では御朱印を頒布していないことをご存知でしょう。特別な理由を除けば五霞の東昌寺のみかと思います。

そんな五霞町でついに神社の御朱印が頒布されることになりました。それが川妻の香取神社です。猿島地域の神玉巡拝がきっかけとなったようですね。

この記事では可能な限り詳しく紹介しますので、ぜひ参拝の参考にしてください。なお、神玉および御朱印は古河の宮司宅となりますので神社から車で15分ほど移動することになります。

川妻香取神社
川妻香取神社
不詳
創建
明治4年/1871年
村社列格

※4月11日

大正2年/1913年
合祀

村内無格社の稲荷神社(祭神:保食神)、雷電神社(別雷命)、御普請三社神社(荒堀五郎兵衛命、上条幸三郎命、早川兵吉命)を合祀

昭和27年/1952年
宗教法人設立

※境内石碑より

昭和50年/1975年
社殿修繕

※境内石碑より

御祭神は経津主命です。当地は旧下総国にあたり、利根川沿いには国の一宮である香取神宮の祭神であるフツヌシを祀る神社がたくさん見られます。当社のすぐ北側、わずか数百メートル先にはまさにその利根川が流れています。

また、フツヌシの他に保食神、別雷命、荒堀五郎兵衛命、上条幸三郎命、早川兵吉命を配祀しています。配祀は大正期に合祀された神社の祭神です。人名と思われる名前があるのが面白いですね。社号に「普請三社」とあるので、おそらく土地の開発に尽力した方々なのでしょう。

由緒はほぼ不明。川沿いにあるので水害に遭うなどしたのでしょうか。しかし社殿が無事となると社務所や宮司宅が火災に遭われたことなどが考えられます。狛犬の刻印から江戸時代にあったことは間違いないのですが。

『茨城県神社誌』をもとにした上記の由緒のほかには、宮元の中村家が「川妻の七軒家」と称され、山林を奉納するなど古くから関わりがあったと『茨城県の地名』に記されています。

アクセス

駐車スペースは鳥居右手に広がっています。問題なく駐車可能でしょう。

名称(川妻)香取神社
住所猿島郡五霞町川妻116番地
駐車場あり
Webサイトなし

鳥居

鳥居
鳥居

鳥居の右手に駐車場が広がっています。子どもの遊具が見えるのは県西地域でよくある風景。特に五霞町は寺社と公園が一体となっているケースが非常に多いですね。政策によるのでしょうか。

2つの鳥居(香取と神明)
2つの鳥居(香取と神明)

右手にある小さい方の鳥居は神明社のものです。同社は境外社の位置づけで香取神社とは区別されているようです。ただ。。

香取神社の鳥居にある扁額には「香取太神宮」の文字が見えます。「太」は太々神楽など太陽神たる天照大神に由来することが多いですから、香取と神明は密接な関係があるように感じます。

ちなみに鳥居前の狛犬は嘉永4年(1851年)に奉納されました。わたしが知る限り、これは時代が確認できる当社の記録では最古。時代がわかれば本殿の方が古いと思うのですけどね。

手水舎

手水舎
手水舎

2つ並んだ手水舎はそれぞれ香取と神明とのこと。社殿のサイズからすると大きい方が香取でしょうか。赤い屋根はこだわりのようで共通しています。

境内社(奥は豊作神社)
境内社(奥は豊作神社)

参道の小祠のうち奥(鳥居からだと手前)には豊作神社の扁額がありました。従来の神社ではなく新たに社号をつけて神社とするのは意外に珍しいのではないでしょうか。

社殿

拝殿
拝殿

入母屋造の拝殿。手前には神玉のポスターが掲示されています。これを機に参拝された方はたいへん多いのではないでしょうか。五霞町は茨城で唯一利根川を渡った先にあるので県民としても印象が薄くなりがち。

ガラス張りの戸のため拝殿の中を見ることができます。3つ並んだ御幣と水中の合戦らしき画が掲げられていたのが印象的でした。

面白いことに社殿は西を向いています。神社の多くは南を向いていることが多いので、なんらかの意図を感じます。ちなみに近所の一色神社は東向き。両社は優れた彫刻がほどこされた本殿を持つことが共通しています。

本殿
本殿

瑞垣だけでなく柵も設けてガッチリとガードされた本殿。それもそのはず。鎮守社として誇らしいほど立派なものなのですから。

羽目板
羽目板
羽目板「田植え」
羽目板「田植え」
羽目板「収穫」
羽目板「収穫」

羽目板を見るといずれも農業、特に稲作が意識されているようです。先程の豊作神社といい、よほどその願いが強かったようですね。

波と兎の彫刻
波と兎の彫刻

懸魚の裏。蟇股が置かれるあたりに見えるのは波とうさぎ。なぜうさぎ?と一瞬考えましたが、それは当社が鎮座する方位と関係があるのかもしれません。

おそらく西向きの社殿は東方に位置することを意味します。そして東を十二支であらわすなら卯。つまりうさぎです。五行説では東を木気がもっとも盛んになる方位としますので、東方の神社の神徳によって稲作をはじめとした豊作を祈願したのではないでしょうか。

ちなみに卯の月といえば旧暦2月です。この月は民俗学でいう「田の神」を下ろす時期となっております。

境内社一覧

境内社:神明社
境内社:神明社

『茨城県神社誌』に記載された境内社は以下です。

  • 神明神社:大日霊貴神社
  • 若宮八幡神社:一色庄右衛門尉法吉命
  • 猿田彦神社:猿田彦命
  • 山神社:大山津美命
  • 三峯神社:日本武尊
  • 愛宕神社:火清命

wata

神明社は豊受大神を配祀していましたよ

注意
すべて現存するとは限りません。またこの他にも境内社があるかもしれません。

御朱印

川妻香取神社の御朱印
川妻香取神社の御朱印

川妻香取神社の御朱印です。

境内ではいただけませんので、宮司宅までお伺いする必要があります。境内にある「神玉巡拝」のポスターに連絡先とご住所がありますのでご覧ください。古河市の鶴峯八幡宮の近くです。車だと神社から15分ほど。

御朱印は宮司不在であればいただけませんが、神玉は代わりの方が頒布してくださいます。いずれにせよ事前連絡は忘れずにどうぞ。

まとめ

・由緒は不詳。利根川沿いによく見られる香取信仰のひとつ

・本殿に見事な彫刻がある。五穀豊穣を願うかのように思われる

・御朱印は古河の宮司宅でいただける

wata

近くの一色神社にも見事な彫刻がありますよ。ぜひあわせてご参拝ください!

参考文献

茨城県神社誌/茨城県神社庁
茨城県の地名/編:平凡社