wata
令和元年10月22日は今年だけの祝日、皇居で即位礼正殿の儀が執り行われた日でした。
多くの方々がそれを見守っていたかと思いますが、わたしは桜川市のちょっと珍しい場所にいました。あまり知られていないかもしれませんが、新たな天皇をお祝いするにふさわしい場所だと思います。
この記事では桜川市の神武天皇遥拝殿と限定御朱印を配布したイベント「まかべ街灯り 十三夜祭」をご紹介します。
この記事でわかること
- 遥拝殿について
- 御朱印のいただき方
神武天皇遥拝殿は真壁市真壁にある遥拝所。遥拝殿は離れた場所の存在にお参りする場所という意味です。
桜川市の公式サイトから由緒を引用します。
明治14年、真壁町では町の発展と町民安寧幸福の守護として、神武天皇遥拝殿が、当時戸長であった猪瀬準太郎を中心として創建された。当時より四月三日、四日には「神武天皇祭」が斎行されてきた。創建当時より真壁町が維持管理を行ってきたが、戦後六町内にその役が移行。平成元年に改築され現在に至る。
真壁神武祭/桜川市公式
日本を建国した初代天皇を町の守護神としたんですね。
遥拝殿は神武天皇を祀る橿原神宮と真壁の氏神である五所駒瀧神社、そして五所駒瀧神社の主祭神(武甕槌大神)の祀る常陸国の一宮・鹿島神宮の方角を向いているといわれています。
でも。。橿原神宮とは反対方向になっているんですよね。もっとも武甕槌は神話で神武天皇の建国を助けていますから、最優先される存在ではありますが。
御朱印をいただけるのは春の神武祭(4月3日・4日)と町のおまつりのときだけ。同市内にある本務社・五所駒瀧神社から神職の方々がいらして書いてくださいます。
今回、限定御朱印をいただけたのは2019年10月22日に開催された”まかべ街灯り 十三夜祭”。12日に開催される予定でしたが、台風の影響で中止となってしまったので即位の祝日にあわせて再開しました。
そんな日に初代天皇にお参りすることになるとは。。なかなかよい体験でした。
東日本大震災によって境内が大きく破損しましたが、同市内の加藤石材によって修復されました。
アクセス
ふだん遥拝殿にお参りするときは隣の真壁伝承館の駐車場を利用できます。ただし、今回のような催事の場合は少し離れた真壁高上駐車場をご利用ください。といっても徒歩で5分ほど。
この駐車場は2017年から無料化されたのでご存じない方が多いかも。ただし、利用できるのは午前9時から午後7時までです。
名称 | 神武天皇遥拝殿 |
住所 | 茨城県桜川市真壁町真壁198の北側 |
駐車場 | あり ※真壁伝承館および真壁高上町駐車場 |
Webサイト | なし |
鳥居
鳥居です。鳥居の周辺にはススキなどが飾られお月見行事の趣もありましたね。御朱印をいただける時間は午後2時〜4時と告知されていましたが、時間を少し遅れていくと30人くらいが並んでいました。
台風によって日程がずれたのに、地元の方々はネットワークで教えあっていらしたそうです。
扁額には「神武天皇」。うーん、珍しい。
社殿
行列は単に御朱印をいただくのではなく、拝殿に上がってお参りもします。
3人ずつ上がり希望者は御朱印帳をお渡しします。書いていただいている間に神職から渡された玉串を納めます。くるっと回転させてから置くやつですね。
御神体の隣には神武天皇の日本人形が飾られていました。神武天皇の建国は紀元前660年。いまから2679年前ですから神話の域を出ません。
しかしながら、明治になっても心から敬意を持ってこうした社殿を建てた人々がいたことは忘れてはいけませんよね。
この日、関東全域は雨模様でしたが、陛下の御即位した瞬間に晴れたと話題になりましたよね。しかも皇居には虹がかかったとか。
じつは桜川市でも同じことが起きていました。土浦から125号で向かう途中、儀式の時間になると急に雨がやんで真壁の町に南北に大きな虹がかかっていましたよ!
ところで、行事の再開を案内するチラシには次のようにありました。
天皇陛下御即位の儀の行われる10月22日に開催できることになりました。
これもご縁と思います。令和のご縁を大切に、そして、真壁の皆さんの幸せを願い、小さなお祭りを開催いたしますので、ぜひご来場ください。
いろいろな偶然が起きますけど、何事もご縁と信じてポジティブに行くのがいいですよね。すめらぎいやさか!
wata
御朱印
神武天皇遥拝殿の御朱印です。拝殿に並び、玉串を納めてからいただきました。御朱印帳に直書きしてくださいますので、御朱印帳持参でどうぞ。
境内社は参道の左手に二つ。鳥居があるのは子育稲荷神社です。建物は古めですが、内部には令和3年に奉納された新しい幕が張られており、昔ながらの信仰が続いているようです。
御神体は鏡。その手前にあるのがおそらく御神像です。狐に乗り宝珠と稲を手にした翁の姿でした。これは笠間稲荷などで見られる一般的な稲荷神ですね。ウカノミタマを主祭神とする伏見稲荷の系統でしょう。
こちらは社号標の文字が消えており判別不能でした。社殿の前には七福神の像が並べられていますが、これだけではやっぱりよく分かりません。
ただ、社殿の一番奥には大黒天の御神影が張り出されていました。そこには来福、病除け、長命などのご利益が説かれておりましたので、稲荷神のように万能の神と考えられているようです。
・遥拝所は五所駒瀧神社と鹿島神宮を向いている
・御朱印は春の神武祭と真壁の行事のときだけいただける
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。