wata
街中の神社ってなんだかステキじゃありませんか?
山岳信仰を連想させるような場所もいいですけど、人々の身近になる神社は親しみが持てますよね。
今回ご紹介するのは常総市の水海道にある諏訪神社です。ふだん社殿はしまっていますが、水海道祇園祭の日は開いています。たまたま参拝しましたので、雰囲気をお届けします♪
諏訪神社とは
諏訪神社は常総市の水海道諏訪町に鎮座しています。住所から察する通り、この地に非常にゆかりのある神社です。
場所は水海道駅から徒歩で8分ほどです。街中の曲がり角にいきなり神社があるのでちょっと驚くかも。
この日は水海道祇園祭。諏訪神社も祭りに参加しているので大変賑やかでした。社殿は開放され、さまざまな文化財を見ることができました。素晴らしい!
その諏訪神社の創建についてはよくわかっていません。気がついたときには大きなケヤキの下に祠があったといわれています。
常総線の開通に伴い祠を復興の機運が高まり、大正6年(1917年)に信濃(長野県)の本社から勧請しました。
ご祭神は建御名方命。それに大国主命と事代主命を配祀としています。
面白いことにご祭神の御霊はお神輿に乗せて運ばれました。幣殿にありますので祇園の日に行けば見れますよ!
建御名方命は有名な神様ですが、茨城だとあまり耳にしないかもしれませんね。『国譲り』の神話では、高天原の使者である武甕槌命と戦い破れました。
茨城(常陸国)は武甕槌命を祀る鹿島神宮を一の宮としていますので、建御名方命にとって少々居心地が悪かったりして。。
それはともかく、どうして建御名方命をご祭神としてお呼びしたのか。大正6年に社掌(宮司)が書き残したものをまとめると、以下のようなことがあるそうです。
- 三韓征伐、元寇、坂上田村麻呂の蝦夷征討などで活躍。武運長久を期待できる。
- 大黒様とも呼ばれる大国主命の子ども。商売繁盛などの福徳が得られそう。
- 奥さん(八坂刀売命)と仲良し。夫婦円満や結婚のご利益があるに違いない。
わたしにとって武人のイメージが強かったので、武甕槌命の方が。。と思いましたが、①と③は建御名方命の方が説得力ありますね。
『武運長久』については、第一次世界大戦の最中だったことも関係あるでしょう。
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社殿
大きくはありませんが、拝殿、幣殿、本殿が揃っています。
拝殿には四聖獣が並んでいました。中国の霊獣で東西南北を青龍、白虎、朱雀、玄武が守るといわれています。いわゆる縁起物ですね。五行説にちなみ黄龍を加えることもあります。
ふだんは各町で持ち回りにしているので、いつも見れるとは限りません。
天井には尾竹国観作の「雲龍」。大正6年の再建の際、「強いものを」と依頼して書いてもらったそうです。
たしかに、これは強そう。。国観は明治から昭和にかけて活躍した日本画家。横山大観と対立していたとか。
幣殿の天井絵は兄の竹破が手がけました。文化財揃いですね〜。再建時はけっこうな支出をしていますので、氏子の熱意を感じます。
最大の注目は幣殿の彫刻「飛竜」と「波と亀」でしょうか。坂東市出身の後藤縫之輔の作です。ピンとこないかもしれませんが、笠間稲荷の本殿や成田山新勝寺の彫刻も手がけました。
笠間稲荷は国指定の重要文化財ですから、そんな作者の彫刻を間近に見れると驚きです。飛竜の生々しい質感と威圧的な目がなんとも。。
ケヤキ
諏訪神社といえば御神木のケヤキ。樹齢400〜500年。幹周りは12mにもなります。
千姫まつりで初めて見たときには本当に驚きました。一瞬距離感がわからなくなったんですよね。それくらいビッグ!
神社のシンボルとして多くの方に覚えてもらっているようです。実際見たら忘れられないサイズなのでぜひご覧頂きたいです。
ちなみに茨城県神社庁には榎と登録されていますが。。間違いです。
御柱殿
文字通り柱の置かれた建物です。「なんで柱。。」と思いましたが、こちらは諏訪大社のご神木のもみの木です。
諏訪大社のご神木は7年ごとの御柱祭で主役を務めた後、ご神木として社殿の四隅に建てられます。
役目を終えた後はこのように分けられることがあるそうです。正確には柱の先端部分だけなんですけどね。
御朱印
水海道諏訪神社の御朱印です。初穂料は300円。
いただけるのは水海道祇園祭のときだけとお伺いしました。境内にいらっしゃる方に希望すれば書き置きをいただけます。
冊子『おすわさまと水海道』に鎮座100年の事業として、記念「御朱印」と冊子「おすわさまの紹介」をお分けしたとあります。
御朱印自体は昔からありましたが、こちらは平成30年以降にお分けしていると思います。
アクセス
名称 | 諏訪神社 |
---|---|
住所 | 茨城県常総市水海道諏訪町3371 |
駐車場 | 2台くらいなら駐車可 |
まとめ
水海道の諏訪神社は鎮座100年。大正6年に長野県の諏訪大社からご祭神を勧請して建てられました。
社殿にはさまざまな文化財があり、特に彫刻には注目です。
神社のシンボルは御神木のケヤキ。水海道諏訪神社といえば巨大なケヤキとして広く知られています。
参考文献
茨城県神社誌/茨城県神社庁
おすわさまと水海道/常総市水海道諏訪町町内会
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。