立田の秋葉神社|土浦市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

秋葉あきは神社をご存知でしょうか。東京の秋葉原の由来にもなったと云われる神社です。

わたしの住む土浦市では、おそらく立田にある一社だけ。地元の方でもあまり知らないと思いますが、昔ばなしにも登場するありがたい神社なんです。

この記事では立田の秋葉神社をご紹介します。読めば、秋葉神社を見つけたときに感謝の気持ちがちょっとだけ増えると思います♪

秋葉神社とは

全国各地で祀られている秋葉神社。本営は静岡県の浜松市にある秋葉山 本宮 秋葉神社です。名前の通り山(秋葉山)に建てられています。

公式サイトから由緒を引用します。

秋葉山本宮秋葉神社は東海随一の霊山との呼び声も名高い秋葉山を神体山と仰ぎ、創建は和銅2(西暦709)年と伝えられております。
中世には「秋葉大権現」と称して、その御神徳は国中に知れわたり、朝廷からは正一位の神階を賜り、著名な武将からも数多くの名刀が寄進されました。更に江戸時代には全国に秋葉講が結成され、街道は参詣者で賑わいました。今なお古式の祭儀がそのままに営まれ、全国津々浦々より崇敬されております。
秋葉神社公式

ご祭神は火之迦具土大神ひのかぐつちのおおかみ。古事記では伊邪那岐いざなぎ伊邪那美いざなみの間に生まれた火の神。伊邪那美の陰部を焼いて生まれたことで、伊邪那美は命を落としてしまいました。

神話で重要な役割を果たしているのは、火の誕生が人類の進化に大きな影響を与えたことと無関係ではないでしょう。もちろん現代も火なくして人々の生活は成り立ちません。

ご祭神のご神徳(いわゆるご利益)は下記のとおりです。

御神徳は、火の幸を恵み、悪火を鎮め、諸厄諸病を祓い除く火防開運の神として、火災消除・家内安全・厄除開運・商売繁盛・工業発展の霊験あらたかなるものとして、全国津々浦々から信仰されています。御霊験は奈良朝以来、屡々顕れ、御神威は海内に行きわたり、朝廷の信仰篤く正一位の宣旨を賜って、正一位秋葉神社と申し上げます。
ご神徳/秋葉神社公式

注目は火災消除=火事が起きなくなる。むかしは消防車なんてありませんから、火事で家が全焼することがよくありました。家内安全などよりも多く願われていたのではと思います。

立田の秋葉神社と昔ばなし

土浦市立田の秋葉神社は、静岡の本営から分霊されたご祭神を祀っています。でも、じつは一時期『不在』だったことがあるんです。。現地のあとに昔ばなしをご紹介します。

立田児童遊園地

立田児童遊園地

最寄り駅(土浦駅)から歩いて20分ほど。専用駐車場はありませんが、近く(土浦警察署となり)の立田町児童遊園地に停めれば1分で到着です!

駐車場から土浦二校方面の細い路地を進んでください。

秋葉神社入口

秋葉神社入口

この看板が目印です。奥に黄土色の鳥居が秋葉神社です。

境内には秋葉神社と稲荷神社があります。見た目はかなり新しいですよね。2005年(平成17年)に新築されました。鳥居は1983年(昭和58年)に建立です。

手水鉢

手水鉢

手水鉢(手水舎と同じ役割)は社殿と違ってずいぶん古そうですね。

秋葉神社(左)と稲荷神社(右)

秋葉神社(左)と稲荷神社(右)

早速それぞれにお参り。左が秋葉神社、右が稲荷神社です。

秋葉神社の社殿を覗くと中に『火まつり祈祷』のお札がありました。毎年12月にある本営のおまつりのことでしょう。

おまつりについて公式サイトから引用します。

こうして、古くから行われてまいりました秋葉の火まつりは、第一に火災焼亡の危急を免れ、第二に洪水波没の難を免れ、第三に諸厄諸病の難を免れ給うと、多くの人々の願いをこめて、三人の神職によってそれぞれの弓の舞・剣の舞・火の舞の三舞が、各々秘伝をもって奏されます。
秋葉の火まつり(防火祭)/秋葉神社公式

古来より人々はけがれを祓い清めてきました。もっとも強い祓いは火によるものとされておりますので、やはり災厄を祓うためにお参りする方が多いのでしょう。

この神社には次のような昔ばなしがあります。

昭和のはじめ頃、土浦の田中と立田でたびたび火災が発生しました。百姓が多かったため家に藁や焚き木を備えており、一旦火がつくとまたたく間に周囲に広がっていったのです。

となりの仲町(いまの中央二丁目)に消防小屋があったので、男たちは大急ぎでポンプ車を取りに行きましたが、立田に戻ってくる頃には5、6軒が丸焼け。5年のうちに4回もあったので、人々はなんとかせねばと話し合いを行いました。

「むかし、立田は火防の神様を祀っていたそうだ」「神様はお社が古くなったので仲町の金毘羅様に預かってもらっている」「この災難から護ってもらうために、ふたたびお迎えしたらどうか」

昭和9年、立田の人々は社殿を新築し、琴平神社(金毘羅様)から秋葉様をお迎えしました。たくさんの信仰を集めた秋葉様のおかげで、それ以来、立田で火災は起こらなくなりました。

近年、社殿が新しくなりましたが、当時と同じように強い信仰心があってのことでしょう。それにしても強力なご神徳。。なんともありがたいではないですか。

余談ですが、神様を本来と違う場所に置き続けて災難が起きたお話は何度も耳にしました。不敬なことと考えてよいのでしょう

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秋葉原もかつて火災の多かった場所。そこで火除・鎮火神社として秋葉大権現を勧請しました。詳しくは秋葉原電気街振興会のサイトにて!

アクセス

名称 秋葉神社
住所 茨城県土浦市立田町
駐車場 なし

まとめ

土浦市立田の秋葉神社は静岡の本営から分霊されて建てられました。

ご祭神をとなり町に預けていた時期に火災が頻発したことから、いまでは丁重に扱かわれています。

参考文献

土浦の民話 下/文:岡部智子 絵:久保田保久