【酉・辰年生まれに朗報】永国の大聖寺|由緒・ミニお遍路・御朱印・龍神伝説|土浦市【守護本尊】

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

酉年生まれの方に朗報です。特別なご利益をいただけるお寺を見つけましたのでご紹介します。土浦市の大聖寺だいしょうじ(真言宗豊山派)です。

ちなみにわたしは生まれも育ちも土浦市。今回ご紹介する大聖寺はもっとも足を運んだお寺です。広い境内に立派な本堂。それにミニお遍路。ウワサによると茨城で先駆けて金泥の御朱印をはじめたそう。

さらに当寺にはなんともミステリアスな龍神伝説があるのです。辰(龍)年生まれの方も縁があるかもしれませんからご注目ください!

本堂
本堂

由緒

主に公式サイトの情報を参考して由緒をまとめました。

長徳元年/995年
創建

醍醐寺成尊僧都により今泉寺として創建。当初は現在の永国亀井墓地近辺にあったという。

応安7年/1374年
移転

十六世祐尊の代に領主小田孝朝により「小田城四方護寺」(常陸四箇寺・小田四箇寺とも云う)として田中荘平塚(現在のつくば市西平塚)に移したとされる

大永6年/1526年
移転

京都・東寺所蔵の『亮恵僧正門弟名帳』によると大永六年には現在地に戻っていたという。
現在の山号および院号となったのは、この移転から天正4年(1576年)までの間である。

貞享二年/1685年
堂宇焼失するも再建

火災により堂宇焼失するも同年には土浦城主松平信興により再建開始。同4年には再興する

文久2年/1862年
本堂焼失
昭和50年/1975年
文化財指定

山門、四脚門、絹本両界曼荼羅図、不動明王坐像、簾天沖名号が市の文化財に指定される

昭和55年/1980年
文化財指定

大聖寺蔵文書が市の文化財に指定される

昭和60年/1985年
本堂再建

五十八世隆成の代に悲願の本堂再建

昭和63年/1988年
文化財指定

石造浮彫大日如来立像が市の文化財に指定される

昭和62年/1987年
北関東三十六不動尊霊場の札所(三十一番)となる

客殿、護摩堂、大師堂等諸伽藍が順次整備される

平成6年/1994年
土浦市指定名木・古木指定

境内のクロマツが「大聖寺のカサマツ」として指定される

平成19年/2007年
秋篠宮文仁親王殿下御台臨

御本尊は大聖不動明王だいしょう ふどうみょうおう。悪い出来事や病気を遠ざけるためにとても怖い顔をしており、疫病退散の守護神や煩悩を断ち切る仏ともいわれています。近寄りがたい雰囲気ながら慈悲深いのです。

像は市の指定文化財となっています。事務所ではお姿も頒布しておりますので気になる方はぜひ訪ねてみてください。札所や霊場巡りに数えられる寺院ではお姿をいただけることが多いので注目です。

由緒にある「小田城四方護寺」は当寺のほかに神郡(つくば市)の普門寺、岩田(土浦市)の法泉寺、加茂(かすみがうら市)の南円寺が数えられています。これらは小田城の出城の役割を果たしていたのだとか。

大聖寺はそのうち2番手から3番手くらいですね。僧兵が300もいたといいますから、かなりの武闘派の寺だったといえるかもしれません。

wata

昭和末期に多くの文化財指定を受けました。非常に由緒あるお寺なのですね!

大聖寺は北関東三十六不動尊霊場の第31番札所。数えられている霊場をすべて周ると不動明王が煩悩を断ち切るといわれます

アクセス

大聖寺の駐車場は山門の手前にあります。カーナビやGoogleマップを利用して参拝する場合は目的地を”茨城県土浦市永国190”にするとスムーズに駐車場にたどり着けます。

駐車場は広いので安心してください。ただし、途中は細い道が続きますので注意です。

名称羽黒山 今泉院 大聖寺
住所茨城県土浦市永国203
駐車場あり
Webサイト公式サイト
Instagram

山門

山門
山門

山門は土浦市の指定文化財。火災による消失のあと貞享2年(1685年)に土浦城主松平信興のぶおきに寄進されました。茅葺きでかっこいいですね!

他のお寺と違っているのは薬医門形式。薬医門の由来に『矢を食い止める(矢食い)』という説があります。戦いに関係するとおり武家の正門に使われていました。それが次第に扉をなくしてお医者さんの門として使われたそうです。

4本の柱で支えられていて屋根が少し前に突き出ているのが特徴です。

四脚門

四脚門
四脚門

山門をくぐり少し参道を歩くと四脚門よつあしもん。山門ほど大きくありませんが、やはり茅葺きで凛々しい姿。

公式サイトから紹介を引用します。

創建は応安二年(1369年)の祐尊代と伝えられている。

つくば市西平塚時代のもので控柱の面取りや梁に彫られた唐草文、垂木の端の反りなどに古い 様式が残っている。軒桁は控柱が頭貫状になっている。

武家屋敷の門にふさわしい簡素な造作で、部材の古さ等から江戸初期以前の古調を保っている。平成七年に解体修復修理が行われた。

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ここにも『武家』。大聖寺は他のお寺とずいぶん違うのがわかります。平成の解体修復では虹梁から「明暦四年(1658年)」の墨書きが見つかりました。

それが建てられた年かなと思うかもしれませんが、同時に火災による焼け跡も見つかっているためその虹梁は後入れであると判明しています。つまり明暦四年よりも古い時代に建てられたことが確実視されているのです。

大聖寺のカサマツ

大聖寺のカサマツ
大聖寺のカサマツ

薬医門をくぐるとすぐ右手に「カサマツ」と呼ばれるクロマツが見えます。Xでポストしたら「アダムスキー型」とコメントをもらってしまいました。たしかに宇宙船っぽいところありますね。

数年前に参拝してからずっと同じ形をしており、大聖寺のシンボルのように捉えております。いつも若々しくて美しい姿をしていますから、見るとちょっと気分が上がります。あげー。

護摩堂

護摩堂
護摩堂

薬医門をくぐって右手には護摩ごま。護摩木をたいてお祈りをするためのお堂です。護摩は密教(真言宗や天台宗など)独特のものです。

文久に本堂が焼失した際はこちらを仮本堂としました。いまの本堂よりずっとコンパクトですが、落ち着きがあって割と好き。お参りするときの念仏は「南無大聖不動明王」。不動尊(ご本尊)に帰依します、の意味です。

お堂の前では護摩木を購入できますが、購入したらどうするのでしょう?護摩は未経験なのでこんど試してきます♪

御本尊のお姿については一時的に社務所で頒布されているときがあります。その際にはInstaで告知されると思いますので気になる方はフォローです!

手水舎

立派な手水舎
立派な手水舎

大聖寺の手水舎は他所とは違う豪華さ。ここまで力を入れてよいのだろうか、というくらいです。建物の足は十二もあるのでしょうか。こんな頑丈な造りは見たことがありません。

玄武の石造
玄武の石造

手水は水気の守護神である玄武と思われる石造から。背中にはくつろぐ子ガメ?

手水舎天井の鳥の彫刻
手水舎天井の鳥の彫刻

天井には羽ばたく鳥が見えます。画ではなく彫刻があるのはめったに見られないと思います。後ほどご紹介する本堂もそうなのですが、鳥獣に対する敬意があらわれる境内となっております。

本堂

本堂
本堂

土浦市屈指の立派な本堂。わたしが初めてマジメに参拝したのは当寺でした。そのときにお寺ってすごいな、と思ったのはこの本堂を見たからですね。

不動明王の種字
不動明王の種字

屋根の鮮やかな緑は銅版が変色したのでしょうか。大棟には真言宗豊山派の宗紋である「輪違」が見えます。かっこいい!それに挟まれているのは御本尊の不動明王をあらわす種字(梵字)です。

不動明王は守り本尊の思想において酉の守護本尊とされています。そのため酉年に生まれた方が個人的に信仰したりするわけですが、いみじくも境内には酉(鳥)に関するものが少なくありません。

本堂の向拝の下にはこのようにたくさんの鳥が見えます。これには次のような理由も関係するのでしょう。

平成十九年二月には秋篠宮文仁親王殿下御台臨の栄誉を賜った。当時、住職が稲敷市稲波干拓地に毎年飛来する雁(オオヒシクイ)の保護活動に携わり、山階鳥類研究所の理事も務めていたことから、同研究所の総裁であられる秋篠宮文仁親王殿下を稲波干拓地へお招きする機会を得たことに因る。

当山の縁起|大聖寺

ご住職の日頃の保護活動やそれについて栄誉を賜ったということですね。酉年生まれや鳥(酉)に関するお仕事をされている方にオススメです。散策して元気をいただきましょう!

龍神伝説

龍の爪
龍の爪

ここでちょっとミステリーなお話を。じつは当寺には龍神伝説があるのです。御朱印にもなっている”龍神”は次のように伝えられています。

いまから300年近くも前のこと。その頃、この地方では雨がふらず人々は困っていました。

このままではどうなることかと悩んでいると、大聖寺の住職 霊天和尚を中心とした雨乞いがはじまりました。

しかし、雨は一向に降りません。ひたすら雨乞いを続け何日も過ぎていきました。

ついに結願の日。和尚は疲れきっていましたが渾身の力で雨乞いを続けると、日没の頃、急に辺りが暗くなり大きな雨雲が現れ雷鳴が響きました。そして雨雲から巨大な口を開けた龍が現れたのです。

龍は和尚めがけて飛びかかってきました。和尚は「待っていたぞ神龍!」と叫ぶと、念珠を投げつけ飛び散った珠が龍の宝珠に当たりました。

すると龍は和尚から離れ、雷が光る雲の中へと去ってきました。次の瞬間、空から滝のような雨が降ってきました。

よく聞く雨乞いと龍神の物語です。興味深いのはこのとき現れた龍の爪がお寺に残っていることです。現在は非公開ですが、お寺の案内には写真があります。実物も見てみたいですね!

御朱印

大聖寺の御朱印は5種類ほどです。季節限定も多数ありますので事務所でチェックしてみましょう。お寺のInstagramも要チェックです!

平成30年12月以降、御朱印は原則的に書き置きです。

御朱印帳&限定御朱印

御朱印帳を購入した場合には御朱印帳限定の御朱印が直書きされます。他に黒と赤色がありました。本堂左手の庫裏で受け付けています。

四国八十八箇所ミニ霊場

各霊場に石仏
各霊場に石仏

大聖寺の名物、ミニお遍路こと四国八十八箇所ミニ霊場をご紹介します。と、その前にお遍路はどんなものかご存知でしょうか。

お遍路は真言宗の開祖 空海くうかい(弘法大師)の足跡を辿ること。空海は若い頃、四国の山々を修行して周っていました。それが全部で八十八箇所ありました。

本物のお遍路は空海と同じ経路をたどりますが、大聖寺は境内に八十八箇所の霊場があるのです。各霊場の砂は現地と同じもの。ご利益も同じとなっています♪

「一度はお遍路をしてみたい。でも、四国は遠すぎる。。」

そんな方にオススメです。ミニお遍路は約1時間ほど。1/1000のスケールですからね!

お遍路をするためには、事務所でお札を購入してください。お札は全部で90枚。ご本尊の隣りにある郵便受け(?)に入れて回ります。

wata

88箇所なのに90枚あるのはなぜ?それは30番目が2つあることと本殿地下のご本尊にも納めるからですよ。

御札には日付や、名前、願い事を書きます。もちろんすぐに90枚は書けません。事前に用意しておきましょう

お参りの際の念仏は「南無大師遍照金剛」。お大師様(弘法大師・空海)に帰依します、の意味です。

お砂踏み

お砂踏みは弘法大師像前
お砂踏みは弘法大師像前

それでも、全部回るのに1時間はかかります。やっぱり大変かも。。

いえ、ご安心ください。修行大師像の前にすべての霊場のお砂があります。その砂を踏んでお参りすれば行けなかった場所と同じ功徳が積めます。至れりつくせりですね。

もっと詳しく知りたい場合は、以下の記事にまとめましたのでご覧ください。

まとめ

・大聖寺は土浦市の永国にある真言宗豊山派のお寺

・御本尊は大聖不動明王。不動明王は酉の守護本尊

・境内には88の霊場があってミニお遍路ができる

・かつて住職が行った雨乞いで龍神が現れたといわれ、残した爪が宝物としてある

・御朱印は豊富。事務所で書き置きがいただける