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北茨城市で開催されたあんこうサミット。食事の合間、資料館『よう・そろー』の売店に立ち寄りました。以前、市の地域おこし協力隊・檻之汰鷲さんの本を購入した場所です。
手にとったのは『きたいばらき震災記』。2011年3月11日に発生した東日本大震災に関する証言を集めた本です。
県民なので震源地に近い北茨城市が特に大きな被害だったことは知っていました。しかし、震災関係の情報はつらいことが多いので、北茨城に限らず積極的に得ることはありませんでした。
今回、本を読もうと思ったのは市に明るい雰囲気を感じたからです。震災から8年近く経過しました。市内は大きく復興していますし、人々の気持ちも当時と違うと思います。
本書の冒頭には「今回の震災の教訓を活かして一歩ずつ進んでいく」とあります。多くの方に共有していただきたい内容でしたのでご紹介いたします。
本の概要
『きたいばらき震災記』は東日本大震災からおよそ1年後。2012年2月に発売されました。被災した方々が語った当時のようすやその後の出来事を有志5人が編集しました。
大きな揺れ、大津波、被災したあとの生活。漁港や学校、役所や病院などさまざまな場所で発生したことが教訓となって伝えられています。
本書の発売されたときは復興がはじまったばかり。いまより原発問題が大きく取り上げられ、風評被害もありました。被災者の不安はとても大きかったと思います。
北茨城市で起きたこと
東日本大震災は2011年3月11日に発生した三陸沖の太平洋を震源とする地震です。地震の規模はマグニチュード9.0。最大震度は宮城県で記録した震度7です。
北茨城市は茨城県の最北端に位置し、震源地にもっとも近い場所です。また、太平洋沿いであるため津波による大きな被害がありました。
こうした客観的な事実はなんども耳にしていますが、本書を読み改めて当時の悲惨な状況を理解できました。
恐ろしく大きな津波と水流の音。家や車は流され激しくぶつかり壊れていく。ガラスが割れる音やあちこちで聞こえる車のクラクション。生々しくてその場の恐怖が伝わります。
写真には打ち上げられた大津港の船や波が引いて湾の底が見える平潟港がありました。大きく割れて崩れ落ちた道路。線路を超えてやってくる津波。想像できない事の連続です。海に近い建物は浸水。もちろん電気はつかず、かつてない暗さと静けさが町を包みました。
被災者が考えたこと
被災した方々は厳しい状況と共にいかにして乗り越えたか、そして将来について語っています。防災や緊急時の対応よりも、予期せぬことが起きた時の心のあり方や今後の生き方についてを多く感じました。
心細かったときに声をかけてもらったこと。帰る場所がないとき避難所に案内してもらったこと。連絡や交通が途絶えた中、被災者同士の助け合いがいくつも語られています。
もちろん支援をしてくれた方々や助けに来てくれた自衛隊に対して感謝の声もあります。震災の翌月22日には天皇・皇后両陛下も被災地をご訪問されました。
小学生からご年配の方まで、114名の証言の多くは希望と決意の言葉で締めくくられています。
本書の後半にあるインタビューで豊田稔市長は「今、市民に伝えたいこと」に対して「夢と希望」とお答えです。
市民に向けられた言葉ですが、将来に不安を感じる方はわたしも含めて多いかと思います。おそらくだれもが不安を完全には消せません。できるのは不安より大きな希望で乗り切ることではないでしょうか。
読み終えて
本書では希望が大切だと語られる一方、希望を持つことの難しさや状況がすぐに改善しない苦しさも読み取れます。焦らずじっくりと一歩ずつ進んでいく。冒頭の言葉にはそのような意味もあると思います。
大震災は想像を超える出来事です。対策には限界がありますので、出来る限りのことをして精一杯生きるしかありません。
厳しいことばかりですが、それでも希望は大切です。震災からおよそ8年が経ちました。甚大な被害だった港は再開し、『よう・そろー』はじめ多くの建物が立ちました。賑やかな『あんこうサミット』も開催しています。
復興への希望なしでは考えられないことです。本書にはいまに繋がる原点がありますので、ぜひお読みください。
販売場所はあんこうサミットの会場となった漁業歴史資料館よう・そろーです。
名称 | 漁業歴史資料館よう・そろー |
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住所 | 茨城県北茨城市関南町仁井田789-2 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
入館料 | 【一般】300円(団体:250円) 【65歳以上】900円 【児童/生徒/学生】100円(団体:80円) ※団体料金は20名以上から適応。 |
駐車場 | あり |
定休日 | 水曜日(祝日の場合は翌日) |
Webサイト | 公式サイト 観光いばらき |
※以下の方は無料で展示室を見れます。
身体障碍者、療育手帳の交付を受けている方及び精神障碍者保健福祉手帳の交付を受けている方
まとめ
『きたいばらき震災記』は東日本大震災があった当時の北茨城市のようすを語り継いだ本。
そのときの教訓と復興に向けた強い意志と希望を多くの市民が伝えています。
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。