- 雨引観音の由緒
- あじさいの見頃
- 御朱印
雨引観音の紹介はとても難しい!桜、あじさい、観音巡礼と話題が豊富なせいですね。
平日でも多くの参拝客。休日や催事となると境内が溢れんばかりです。3月の河津桜、6月〜7月にかけてのあじさいも大変な評判。年齢や性別問わず人気があります。
今回は雨引観音の魅力をなるべく簡潔にご紹介します。お参りするも良し、お写真を撮るも良し。心安らぐきっかけになればと思います。
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雨引観音とは

雨引山と雨引観音
雨引観音の正式名称は雨引山 楽法寺。桜川市の雨引山中腹にある真言宗(豊山派)のお寺です。
中国から帰化した法輪独守居士が587年に開山。本尊の延命観世音菩薩は居士と一緒に渡ってきたといわれます。
このご本尊。雨引観音を語るために欠かせません。長生き、無病息災、安産、子育てなどのご利益があるとされるのは以下のことからです。
第三十三代推古天皇御病気とならせられるや、遙かに当山観世音菩薩に病気平癒を祈らせ玉い、ご本復遊ばされたので、当山を勅願のみ寺と定められた。天平年中(730)第四十五代聖武天皇ならびに、光明皇后は法華経を書写して当山に奉納しご安産をご祈念あられたところ功験あらたかであったので、当山を安産祈願の根本道場と定めて勅願寺となされ、三重塔を造建せられた。
雨引山のいわれ(寺史)/雨引観音公式
推古天皇の病気を治したり、光明皇后の安産の願いを叶えてきました。いまでも皇室の安産・子育ての勅願所。浩宮(現皇太子殿下)ご出産の際にはご住職が宮中に参内し、お守りを献上しています。(法華経は寺宝として現存)
雨引観音の由来は821年のひどい干ばつの際に大雨を降らせたことから。嵯峨天皇が雨を願って写経・奉納したところ見事願いは叶い人々を救いました。書はやはり寺宝として残っています。

ガチョウ園
春の桜、初夏のあじさい、秋の紅葉と境内は色鮮やか。桜のシーズンは「関東の吉野」とも呼ばれ、多くの方々が足を運んでいます。
駐車場
雨引観音は第1〜第5駐車場まで用意されています。もっとも停めやすく本堂に近いのは中華レストラン三笠のある駐車場です。以下を参照してください。
薬井門から石段を上って参拝したい場合は、三笠の手前の駐車場をご利用ください。
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薬井門

薬井門
雨引観音の薬井門は「黒門」とも言われます。モノクロの門は、とても珍しいですね。関ヶ原の合戦(1600年)以前は真壁城の城門。造られたのは室町時代の末期だそう。平成11年にこちらに移転・修復されました。
写真の石柱は公式サイトのものと一見異なりますが、色を塗り替えて位置を変えた同じもの。「震災の影響があったのかな」と心配していたので安心しました。
磴道と仁王門

厄除け長命の石段
薬医門をくぐった先にある仁王門に続く石段は『厄除け長命の石段』。ぜんぶで145段あります。1段ずつ真言の「南無観世音菩薩」を唱えて登ると長生きできると云われています。
6月になると両脇があじさいで彩られます。境内には10種類3,000株が植えられており参拝者の目を楽しませてくれます♪

仁王門
見事な仁王門は寛永5年(1628年)に再建されたもの。周囲の彫刻は宝永元年(1704年)とのことですが、非常に鮮やかな色なので近年修繕されたかもしれませんね。
本堂(観音堂)

本堂(観音堂)
登りきった右手に本堂(観音堂)があります。大勢の方が訪れるので同時に参拝できるようになっています。お賽銭箱がやたら高い位置にあるのが独特ですね。文字通りお賽銭を投げ入れるようになります。
いまの本堂は天和2年(1682年)に再建されたもの。第17代ご住職が十万人講で資金を集めました。すごい規模ですよね。
初めに建てられた記録はなく、もっとも古い記録だと建長6年(1254年)に宗尊親王が仏堂が荒れてしまっているのを嘆き、当時の執権北条時頼を諭して再建させたとか。ここでも皇族が関係。縁の深さを感じます。
室町時代には戦いによる火で境内の多くが燃えてしまいましたが。。どこからか現れたマダラ鬼神によって再建されました。この伝説由来のマダラ鬼神祭が毎年4月に開催されています。
多宝塔

多宝塔
本堂の隣にある多宝塔。もとは730年に聖武天皇の后・光明皇后が建てた三重塔です。嘉永5(1853年)に建て替えられ、多宝塔に改称しました。1683年に再建した際には本堂の扉が自然に開き観音像が現れたという伝説が。それによって建築費用が一気に集まったとか。。
御朱印

雨引観音の御朱印
雨引観音の御朱印です。初穂料は300円。
非常に賑わうお寺なので頼んでから20分ほど待つことも。お願いしてからお参りしてもよいかと思います。
初夏のあじさい

あじさいと仁王門
雨引観音のあじさい。見頃は6月上旬から7月中旬までです。県内のあじさいスポットの内、もっとも立派なお堂ですね。
石段やガチョウ園の辺りも美しいですが、2019年にはこんなものも。。

話題の水中花
弁天池一面にあじさい。なんて美しい!授与所の前にあります。シーズンにお越しの際には要チェックです!
参考 桜川・雨引観音 池一面、アジサイ茨城新聞春先の河津桜

多宝塔と河津桜

河津桜

山から見る河津桜(3月)
雨引観音は河津桜も美しいです♪2月下旬から3月中旬まで楽しめます。3月14日に訪問したところ葉桜がチラホラ。もう少し早ければ満開だったのでしょう。
鮮やかで力強く咲いています。春の訪れを教えてくれますね。
アクセス
名称 | 雨引山 楽法寺(真言宗豊山派) |
---|---|
住所 | 茨城県桜川市本木1 |
電話番号 | 0296-58-5009 |
本尊 | 延命観世音菩薩 |
御朱印受付時間 | 8:30-17:00 |
主な年間行事 |
1月:元旦~3日…正月元旦大護摩供 4月:第一日曜日…厄除大祭マタラ鬼神祭 3月1日~4月20日:桜祭 5月1日~10日:つつじ祭 5月5日:小児成長野天護摩供 6月10日~20日:アジサイ祭 11月10日~20日:紅葉祭|11月23日…護摩札御焚き上げ |
公式アカウント | |
Webサイト | 雨引観音公式 桜川市公式 観光いばらき内 坂東観音巡礼公式内 |
駐車場 | 300台駐車可 |
交通機関 |
○JR水戸線岩瀬駅よりタクシー15分(6km) ○JR水戸線岩瀬駅より自転車40分・徒歩1時間40分 ○桜川筑西ICより国道50号・県道41号経由で15分(7km) ○筑波山口バス亭よりタクシー30分(19km) ○真壁より県道41号で車20分(10km) |
※電車・バスについては公式サイトの『アクセス』をご覧ください。
周辺スポット
雨引千勝神社
雨引観音に向かう途中に鎮座する雨引千勝神社。猿田彦命を祀るちょっと変わった神社です。
御神木のケヤキや手水舎そばにあるシイも見事な大木です。不在がちですが、御朱印を発布しています。

まとめ
この記事のまとめ
- 雨引観音は干ばつを救った”雨”に由来
- あじさいの見頃は6月中旬から7月上旬まで
- ”延命観世音”の御朱印あり
参考文献
坂東観音巡礼/著:平幡良雄