瑞雲山 龍谷院〜花の寺の一番札所(城里町)

花の寺めぐりをご存知でしょうか。

暖かくなって各地の花々が一斉に開花しています。桜は終わりましたが、チューリップ、ネモフィラ、あやめ、あじさいと続きますので、最近はお休みの日の天気が気になって仕方ありません。。

それはともかく、茨城の北西部では十二支の守り本尊と花をめぐるコースが用意されています。しかもすべて周ると景品をいただけちゃいます。

この記事では花の寺の一番札所。子年城里町の龍谷院りゅうこくいんをご紹介します。見どころの桜の時期を逃してしまいましたが、じつは充分楽しめるのです。ご期待下さい!!

瑞雲山 龍谷院とは

本堂と客殿

本堂と客殿

花の寺の一番札所 龍谷院は城里町の阿野沢にある曹洞宗のお寺。長禄3年(1459年)に大山城主・佐竹義成によって開基され、秀峰宗岱大和尚が63歳のとき開山しました。本山は、越前(福井県)の永平寺と神奈川県横浜市の総持寺。ご本尊は明応8年(1499年)に鎌倉仏師の秀眼法林が刻んだ釈迦牟尼仏しゃかむにぶつです。

禅宗のお寺なので開山が初代のご住職で開基はそれを経済面でサポートしたということですね。龍谷院の山号『瑞雲山』には面白い由来があります。

また、山号の由来は、開山である秀峰宗岱和尚は、9歳で出家剃髪しています。享徳二年(1453年)に仏法を広めるべく、都より常陸国へ入り、穴沢村へ入りました。山神はそれを知ると瑞雲を顕し、竜が雨を曳いて谷中に出、この地を自ら耕したことからと言われております。
龍谷院の沿革/龍谷院公式

和尚の開山を龍が歓迎したということでしょうか。なんかかっこいい。。

龍についてはもうひとつ逸話があります。いつもお世話になっているりんさん(@rin1070)の記事から引用します。面白いです!

こちらの寺はもとは「竜骨院」といいまして、開山当時に井戸を掘ったところ中より竜骨(蛇の化石)が出土し、これから院号を付けたとも言われている。
なお、桂村史によるとこの化石は現在もあるそうだ。
龍谷院(城里・下阿野沢)/山地の住人

龍谷院に続く道

龍谷院に続く道

龍谷院の場所は城里町役場(石塚)から県道123号を北に進み15分といったところでしょうか。途中、田んぼ道を走っていると、なにやらすごい場所に来たような。。後ろにあるのは井殿山いどのさんだと思います。

wata

4月上旬〜中旬は桜。6月中旬〜下旬のあじさいも評判です!6月下旬〜7月の土日にあるあじさい行灯祭りにも注目♪
MEMO

境内に昭和の茨城桜見立番付(川上千尋先生著)のシダレザクラ部門で前頭に位置している桜があります。詳しくは竜谷院のしだれ桜(茨城県の桜)をご覧ください。

山門

山門に続く石段

山門に続く石段

訪れたのは4月20日。桜の季節を逃してしまいましたが、お寺に向かう途中、見頃を過ぎたソメイヨシノを少しだけ見ることができました。ちょっと惜しかったな〜と思いましたが、駐車場から山門のある方を見ると意外な光景が。。

「もしかして紅葉してる?」ちょっとドキドキしながら石段を登り、確認してみることに。

山門

山門

形はたしかにもみじ。。調べてみたら新芽が赤やオレンジの『春もみじ』のようです。珍しいものを見れてラッキー♪

山門は1811年(文化8年)に当時のご住職によって建立。山門の扁額の『瑞雲山』は水戸市祇園寺を開山した心越禅師の自筆です。祇園寺の開基は徳川光圀公(水戸黄門)なんです。佐竹氏と水戸徳川家が結びついてる!

山門をくぐった先の境内

山門をくぐった先の境内

山門の先には小さな庭園が広がっていました。本堂の裏に山と空が広がっているのが気持ちいいですよね。写真の右上にはしだれ桜が。桜ともみじが同時に楽しめるなんてユニーク♪

本堂

本堂

本堂

本堂は1979年に建て替えられました。鉄筋コンクリート製なので40年経ってもピカピカの印象。

中にご本尊が安置されているのですが、公開しないものだそうです。。気になる。

天水受け

天水受け

本堂手前にある天水受け(雨水を受けるもの)に佐竹氏の家紋(佐竹扇)!黒の下地に日の丸の付いた金扇。さすがゆかりのお寺。むちゃくちゃかっこいい〜!

観音堂

観音堂

観音堂

本堂の左側に観音堂があります。こちらに子年の守り本尊である千手観音像が安置されています。ご本尊を公開されていないので観音様にお参りする方が多いのでしょうか。

観音堂の格子は左甚五郎の作といわれ、特殊な組み方をしているそう。左甚五郎は伝説の彫刻師ですよね。むむむ。。

観音堂の前に花の寺のスタンプがあります。たしか台紙もここにあったと思いますので、まだ巡ったことが無い方もご安心ください。

御朱印

龍谷院の御朱印

龍谷院の御朱印

龍谷院の御朱印です。御朱印料は300円。本堂の右手の客殿でいただいてください。

お伺いしたとき、たまたまご住職不在で書き置きがありました。その場合、書き置きと一緒にある袋に御朱印料を納めるようになっています。

袋に納めていたら、ご住職がいらっしゃったのでこの通り!ご本尊の『千手観音』が力強く書かれています♪

末寺

龍谷院はかつて36の末寺があり、いまも7寺が健在です。

龍谷院の末寺
  1. 龍昌院 (茨城県那珂市)
  2. 円通寺 (茨城県笠間市大田町)
  3. 泰寧寺 (茨城県石岡市根小屋)
  4. 龍勝寺 (茨城県つくば市)
  5. 照岩寺 (茨城県石岡市)
  6. 金仙寺 (茨城県筑西市)
  7. 龍昌院 (秋田県横手市)

アクセス

名称瑞雲山 龍谷院(曹洞宗)
住所茨城県東茨城郡城里町下阿野沢1509
参拝時間夏季 9:00-17:00
冬季 9:00-16:00
駐車場あり
電話番号029-289-3108
Webサイト龍谷院公式
城里町公式

まとめ

春もみじと観音堂

春もみじと観音堂

城里町の龍谷院は花の寺。境内の桜、つつじ、あじさいが美しいと評判です。また4月に紅葉時期(秋)の景色を楽しめます。

ご本尊は千手観音。本堂左手に安置されており、安産・虫切りのご利益があるといわれています。

余談ですが、境内でたくさんの猫ちゃんを見かけます。かわいい。

参考文献

茨城の寺(二)/今瀬文也