wata
- 由緒とご祭神
- 末社の八幡神社について
- 御朱印のいただき方
近年、「かしまみしま」の語呂の認知が広がっている気がします。これは那珂市後台に鎮座する鹿嶋三嶋神社で使われています。
茨城新聞の当社の記事によれば社号の「しま」が「島」と「嶋」のどちらが正式という問い合わせが多かったため平仮名書きを思いついたのだとか。歴史的にはどちらも使用しているそうです。
なんだかホッコリする言葉で印象深いですよね。ステキな御朱印も用意されていますので、ぜひ参拝してみてください。神職さんも親切なので初心者向けですよ〜♪
鹿嶋三嶋神社とは
由緒
ご祭神は武甕槌命と大山祗命です。前者が鹿嶋神社、後者が三嶋神社の主祭神とされています。これは全国共通ですね。
三嶋神社は三嶋大社(静岡県三島)の分霊です。同大社は伊豆に流された源頼朝が伊豆箱根二社権現(伊豆山神社と箱根神社)とあわせて戦勝祈願した神社としても知られています。頼朝の崇敬は鎌倉幕府にも受け継がれました。
一方、頼朝は源氏の棟梁として武神も崇敬し、鹿島神宮(鹿嶋神社の総本営)にも社領や宝物を寄進しています。その二社の祭神をあわせて祀る当社は武士との関係が深そうですね!
また、水戸藩の寺社改革をご存じの方は元禄時代の祭神の扱いが興味深いのではないでしょうか。八幡宮を潰しておらず末社に分霊しています。
通説だと「義公は神仏習合が嫌いなので八幡宮を潰した」といわれますが、小規模にして残したとなるとずいぶん話が変わってきますよね。
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三嶋明神にさらに深く知りたいならこちら
昔は「やんさまち」という例祭がありました。神輿を奉じて、平磯町の清浄石に神幸し、国家安泰・五穀豊穣を祈願し、夕方に戻ります。
アクセス
常磐道の那珂ICを下りて約7分。インターを下りたら県道169号を南東に進み、棚倉街道(下菅谷駅西側の通り)との交差点を右折。その先看板が見えたら左折です。周辺の交通の便は良好です。
駐車場は社殿正面の鳥居の右手に広がっています。大変広いので問題なく駐車できるかと思います。
水郡線の下菅谷駅から850mほどなので歩いて10分ほどで辿り着けますよ。
名称 | 鹿嶋三嶋神社 |
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住所 | 茨城県那珂市後台569 |
祈願受付時間 | 10:00〜17:00 ※電話は夜8時まで対応 |
駐車場 | あり |
TEL/FAX | 029-295-3845 |
Webサイト | 公式サイト |
鳥居
通りに面した鳥居が一の鳥居になるかと思いますので、こちらは二の鳥居ですね。右手には駐車場が広がっています。
境内はご覧の通りかなり見通しが良くなっています。社殿の後方には杉が見えますが、周辺はすっかり刈り取られていて鎮守の森の姿はありません。これから新たに植樹されるのでしょうか。
神職や地域の方々が進める神社の変化を眺めるのも楽しいですよね。
社殿
入母屋造のシンプルな拝殿。屋根の銅版が変色して時代を感じさせます。
手前に見るからに新しい狛犬が二基あります。それぞれマリと子どもを抱えており、子孫繁栄を意味するのだとか。
そういえば、参拝したときに七五三のお祝いらしき親子を目にしました。神職の方もお若いですし、ポップで若い方にも親しまれやすい神社だと思います。
本殿は神明造。男千木に鰹木が七。スッキリしたデザインはわたしの好み!
ところで、当社は元禄期に末社を建立するまでは、鹿嶋神社、三嶋神社、そして駒形八幡神社、若宮八幡神社の四社を合祀していました。いずれも武士と関係が深く、境内社の諏訪神社も含めると当地には偏った信仰があった気がします。
おそらく当時の領主の影響かと思いますので、そうしたところまで考えを巡らすと不詳の歴史もなんとなく掴めるのでしょう。精進を重ねて奥深く参拝を楽しみたいですね。
【末社】駒形八幡若宮八幡神社
社殿の左後ろのあたりに末社・駒形八幡若宮八幡神社が鎮座しています。かなり老朽化していて今にも崩れそう。かろうじて由緒書が読める状態だったので読んでみると。。
駒形八幡と若宮八幡は佐竹氏の祖である昌義の氏神として創祀されたとありました。それが現存するということは「義公は佐竹氏の影響力を消すため八幡宮を潰した」の通説を否定すると思います。
わたしは義公の寺社改革に義公本人のイデオロギーは関係ないと思っています。改革は幕府の意図に沿ったもので特定の一族の氏神を村全体の鎮守とするのは不適切だから区別しただけでしょう。
江戸時代、佐竹一族はいまの秋田に渡ってしまったので同氏の氏神は崇敬者を失いました。しかし、家臣団など一部のまとまった崇敬者がいるなら神社を残す、が義公のスタンスかと思います。
御神木
本殿裏手の御神木。大きく2つに割れているように見えますが、根本ではしっかりひとつに繋がっています。
昭和52年(1977年)に落雷を受けてしまったとか。もしかして、割れているのはそのせい?それでも本殿ともに焼けずに残っていたのはど根性といいますか。。
無事だったのは雷神の神格を持つ武甕槌命を祀っていたせいだったりして。いずれにせよ大切な御神木が生き残ったことは奇跡。ありがたいことです。
社務所では御神木の葉を納めた「愛つむぎ御守」を頒布しています。縁結びや健康、子宝、安産の御神徳があるといわれています。
御朱印
鹿嶋三嶋神社の御朱印は3種類。社殿左手の社務所でいただけます。
急務日はいただけませんので、公式サイトのカレンダーでチェックしておきましょう。
また、兼務社の諏訪神社(西木倉)と天満神社(豊喰)の御朱印もいただけます。
御朱印を書いていただいている時間は社務所に入れます。
中には御守などが並び、神社の古い写真なんかも見学できます。子供にお名前をつけたりもしているそうですよ♪
「神むすびマルシェ」限定の龍体文字の御朱印などもあり。(参考:かしまみしま神社公式ブログ)
【かしまみしま】西木倉の諏訪神社と豊喰の天満神社|那珂市【兼務社】
まとめ
この記事のまとめ
- 鹿嶋神社と三嶋神社が合祀された神社。武甕槌命と大山祗命がご祭神
- 末社の八幡神社は義公により分霊された。「八幡潰し」をしなかった事例
- 御朱印は境内の社務所でいただける。通常の3種類のほか限定や兼務社もあり
参考文献
茨城県神社誌/茨城県神社庁
この記事で紹介した本はこちら
wataがいま読んでいる本
マンガで『古事記』を学びたい方向け
神社巡りの初心者におすすめ
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。