歓喜寺と江戸彼岸桜|坂東市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

桜の名所にあふれる県西地域。じつは「観光地としてはあんまり。。」と思っていたので、いま大急ぎで見直しをしているところです。

特に坂東市は茨城の大部分を占めていた常陸国とも違う下総国ですから歴史や文化的な違いもあって楽しめます。

この記事では坂東市の歓喜寺かんきじをご紹介します。名物の江戸彼岸桜が開花する3月に参拝して参りました!

歓喜寺とは

歓喜寺の境内

歓喜寺の境内

歓喜寺は坂東市の辺田にある真言宗(豊山派)の寺院です。古木で巨木の江戸彼岸桜が知られています!

場所は常総市から伸びる国道354号を辺田の交差点で右折。数百メートル進むと案内が見えますので右折して側道に入ります。側道は細いのでよく注意しながら運転してください。

寺には30台ほど停められる駐車場があります。ふだんは問題ありませんが、桜の季節に限っては満車になる可能性が高いです。

歓喜寺の開基や開山についてはよく分かっていません。記録が残っているのは祐誉法印が中興してからです。寺伝によると寛永5年(1628年)に当時の関東管領・伊奈備前守忠次を通じて朱印地5石を授かり、それから慶安3年(1650年)に同市内にある神田山 妙音寺と本末関係を結んだそうです。

妙音寺が本寺、歓喜寺が末寺という関係なのですが、妙音寺は金剛三昧院(金剛三昧院)を本寺にしていますので、この場合は俗に言う「田舎本寺」というやつですね。

この辺りの年号はもうちょっと古いかもしれません。岩井市史だと歓喜寺が朱印地を授かったのは慶長9年(1604年)とあるんです。伊奈忠次は慶長15年(1610年)に亡くなっているので市史の方が正しいかも。。

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17世紀前半は歓喜寺にとって大きな転機だったといえるでしょう。興味深いのはお寺のシンボルの桜が同時代に植えられていることですね。
MEMO

歓喜寺は辺田村の鎮守である香取社の別当を務めていました。

江戸彼岸桜

満開の江戸彼岸桜(2020年3月21日撮影)

満開の江戸彼岸桜(2020年3月21日撮影)

歓喜寺といえばこちらの桜!駐車場の目の前にあるのでシーズンの参拝は心踊ります♪

樹齢は約400年といわれています。もちろん市の天然記念物に指定されています。

見頃は県内でもっとも早く3月中旬〜下旬にかけて。樹高は約13m、幹周りは5.5mと巨大。見頃になると夜にライトアップもされます!

品種はソメイヨシノの親にあたる江戸彼岸桜です。日本に10種類ある桜の原種のひとつで長寿が特徴なのですが。。数的には決して多くありません。というか茨城ではすごくレア!

大きく二股に分かれていてピースサインをしているみたいですよね。かなりの古木なのに支え無しで立っているのも素晴らしいと思います。

ただ、、見たところ下の方の枝はまだ若いにも関わらず花をつけていませんでした。高齢であることや近年の猛暑が影響しているのではといわれます。

人間の手ではどうしようもない部分ですが、できるだけの長生きをしていただきたいものです。

このときはお参りをして桜をご覧になっているご家族が数多くいらしていました。やっぱり記念写真撮っちゃいますよね〜。

近年、カメラマンの撮影マナーが問題になっているのですが、美しい姿を残したいという気持ちはすごくわかります。周囲を尊重する振る舞いができるといいですね。

桜については『茨城県の桜』がさまざまなお写真を通じて紹介されていますので、ぜひそちらもご覧ください。

MEMO

時期が近づくと坂東市観光協会が開花状況をレポートしてくれます。(参考ページ

本堂

本堂

本堂

桜の奥にあるこちらの建物が本堂。ご本尊の地蔵菩薩が安置されています。

寺号から歓喜天(聖天さま)がご本尊かと思ったのですが。。歓喜寺の院号は「地蔵院」なので名前の通り。こうなると寺号の由来が気になりますね!

境内の石碑によると本堂や庫裏が立てられたのは昭和51年のこと。戦後の大変革が一段落を迎えたところで寺の山林などを売却して建立の費用にあてたそうです。お寺としては厳しい時代もたくさんあったでしょう。

お釈迦様の像

お釈迦様の像

お賽銭箱のそばにはお釈迦様の像が置かれ水(甘茶?)をかけられるようになっていました。よく花まつり(お釈迦様の誕生日)で見られるあれです。まつりが4月8日なので出していたのでしょうか?

MEMO

明治の神仏分離令以降は寺の情勢が不安定で本堂を同市内の神田山 延命院(真言宗)に移していました。

観音堂

観音堂

観音堂

本堂の手前、左手に見える朱色の建物は観音堂。安置されているのは聖観世音菩薩像です。

当寺は享保元年(1716年)に開創された猿島阪東(坂東)三十三観音霊場の27番目に数えられています。開帳は巳年のみでその年の3月中旬ごろから盛大なお祭りが1ヶ月ほど続くのだとか。

12年に1度のお祭りなのでいまのご住職もまだ3回した経験していないそうです。次回の巳年は2025年。絶対に行かねば!

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ちなみに文化文政年間(1804〜1830年)に関宿藩内に開創された新四国大師霊場の20番目にもなっています。こちらはほとんど知られていないかも。。
MEMO

御詠歌『ぶつえんに かんぎゆやくの じゅんれいは かねてのはるに あふこころかな』

御朱印

歓喜寺の御朱印

歓喜寺の御朱印

歓喜寺の御朱印です。御朱印料は。。受け取られていないそうです。

本来御朱印は巳年の祭礼のときに納経した方だけ頒布していましたが、近年は御朱印を授かりたい要望があるので、できるだけ応えているそう。このときはお彼岸にも関わらずたまたまいらしたのでいただけました。

御朱印を希望される方は庫裏でお声掛けください。もしいただけたらご縁に感謝しましょう。

アクセス

名称 辺田山 地蔵院 歓喜寺(真言宗豊山派)
住所 茨城県坂東市辺田978
駐車場 あり(約30台)




まとめ

この記事のまとめ

  • 少なく見積もっても400年の歴史。周辺の寺社と深い関係がある
  • 江戸彼岸は市指定の天然記念物。例年は3月中旬〜下旬が見頃
  • 御朱印は本堂右手の庫裏でいただける。本来は巳年の祭のときのみ

参考文献

岩井市史 通史編/編:岩井市史編さん委員会