【小田城四方護寺】五智山 光明院 南圓寺|御朱印・花の見頃|かすみがうら市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

寺社の由緒には色々ありますが、事情によって残されていないことも多々あるんですよね。

数百年に一度は天変地異がありますし、一昔前は戦争(合戦)や火事などもありましたから。いま歴史が伝わっていることに感謝しつつ、ときには失ったとされる部分に目を向けてみるのもよいかと思います。

そんなことを考えつつ、かすみがうら市の南圓寺なんえんじ(南円寺)をご紹介します。春に参拝すれば花の寺らしい美しい景観を楽しむことができるお寺です!

この記事でわかること

  • 由緒沿革・小田城四方護寺について
  • 花の見頃
  • 御朱印のいただき方
本堂としだれ桜
本堂としだれ桜

由緒

南圓寺の由緒を出島村史から引用します。

五智山 南円寺は大字加茂にある真言宗の寺である。応永元年(1394)祐尊大和尚によって開山された。往時は小田領常陸真言宗四大寺の一つと称され、檀林があった。朱印地十石を有し、千手院・延命院・法蔵寺・能円寺など十数ヵ寺の末寺を持つ巨刹である。

(八)南円寺/出島村史

ご本尊は大日如来です。真言宗といえば初めに浮かぶ仏様ですよね。

檀林と朱印地があったことは格式の高さを感じさせます。文化の起点であり、幕府にも認められていたということでしょう。小田氏が滅んだ後も存続できたのは本当にありがたいことですね。

小田領常陸真言宗四大寺とは「小田城四方護寺」「常陸四箇寺」「小田四箇寺」などとも呼ばれます。南圓寺の他には土浦市永国の「大聖寺」、同大岩田の「法泉寺」、つくば市の「普門院」があります。すべて真言宗豊山派。それまで同地で信仰された天台宗に対するような場面もあったでしょうか。

深い歴史と並ぶ当寺のもうひとつの魅力は「花の寺」であること。ゴールデンウィーク頃に咲く「ボタン」や「ハンカチーフの木」が評判です。東国花の寺の第三番にも数えられています。花々の見頃は以下のとおりです。

4月上旬:桜
4月下旬〜5月上旬:牡丹
5月上旬:ハンカチーフの木
5月中旬~下旬:西洋シャクナゲ

やっぱり春の桜がおすすめ!この記事の写真は4月上旬に撮影しましたので、同じくらいに参拝していただきたいですね。

同時期にかすみがうら市を代表する一本桜・下大津の桜も見頃を迎えます。南圓寺のすぐ隣の敷地(下大津公民館)にありますので、あわせて足を運んでみてください。

下大津の桜の詳細は『茨城県の桜』にありますよ。素敵なお写真もあるので必見です!

宝暦年間/1751-1763年
諸堂建立

第25代圓瑞法印によって境内が整備される

明治19年/1886年
本堂焼失

火災により本堂焼失

昭和3年/1928年
鐘楼堂建立

良範和尚の代に建立

昭和17年/1942年
供出

戦中につき軍資材として供出

昭和48年/1973年
本堂建立

*境内石碑より

昭和52年/1977年
梵鐘再鋳造
昭和58年/1983年
寺号標建立
平成26年/2014年
寺号標建立

*土浦市手野町薬王寺総代より奉納

文化財一覧

平成27年(2015年) 木造薬師如来坐像(市指定)

アクセス

駐車場は境内西側に充分なスペースが用意されています。

名称五智山 光明院 南圓寺(南円寺)
住所茨城県かすみがうら市加茂4476
駐車場あり
Webサイト東国花の寺百ヵ寺

山門

山門と寺号標
山門と寺号標

駐車場は境内の西側に用意されています。駐車場から本堂まで徒歩数分ですが、ぜひ山門から入山してください。ちょっぴりエンタメチックな境内になっているので順番に見ていくのが良いかと思います。

山門には独特な紋。真言宗や小田氏(洲浜)の紋とは違うようですね。境内にいくつかあるのでちょっと気になっています。

釈尊御一代
釈尊御一代

参道の右手にはお釈迦様の生涯が石造で描かれていますよ。釈尊御一代といいます。

鐘楼堂

春の鐘楼堂
春の鐘楼堂

南円寺の鐘は下大津の村民にとって「時の鐘」。つまり時間を知らせる役目がありました。

ですが、大東亜戦争の際に回収されてしまい近年まで失われたままだったんです。昭和40年代に編さんされた出島村史には「無くなった」とあり哀愁を漂わせていますが。。

現在ではご覧の通り。鐘楼堂の朱色とソメイヨシノのピンクがとても鮮やかです。

鐘本来の役目を考えると勝手に撞いてはマズイですよね。静かにその姿を楽しむのがよいかと思います。

近づいて見ると見事な天女像を拝めます。その天女に挟まれているお念仏は「南無大師遍照金剛」ですね。

本堂

本堂
本堂

本堂は昭和48年(1973年)に建立されました。それ以前は宝暦年間(1751-1763年)に第25代圓瑞法印によって諸堂伽藍と共に建立されたものでしたが、明治19年(1886年)の火災で焼失してしまったんです。

山門や客殿・庫裏は本堂のあとに再建されたとありますから全焼に近い大火事だったのでしょう。社伝が少なめなのはそのせいかも。。

ところで、前述した下大津の桜なんですが、『茨城県の桜』で次のように記載されています。

また、昭和31年(1956年)の『出島広報』には下大津小学校の記事の中で、「樹齢70余年近在に誇る老樹」の記載があります。

【かすみがうら市】下大津の桜/茨城県の桜

1956年の70年前というと1886年。南圓寺の伽藍が焼失した年なんですよね。偶然でしょうか。必然でしょうか。そもそも植えられた年代がいつか知る由もありませんが、諸行無常を感じさせることは確かです。

とにもかくにも、いま目の前にある美しいものはなるべく将来に残していきたいものです。

薬師如来坐像(市指定文化財)

薬師如来坐像(市指定文化財)
薬師如来坐像(市指定文化財)

秋に開催される同市の文化財一斉公開では薬師如来坐像をご覧になれます。薬師像は撮影NGなので市の公式サイトから引用させていただきました。

文化財指定されたのは平成27年(2015)と最近なのですが、製作は鎌倉時代初期と考えられているので非常に歴史があるんです。

一斉公開の日はボランティアの大学生がガイドしてくださいます。あれこれ雑談しながら文化財について学べますのでとても楽しめると思います♪

御朱印

南圓寺の御朱印
南圓寺の御朱印

南圓寺の御朱印です。本堂右手の庫裏でお声掛けください。

わたしは秋の一斉公開の日にいただきましたが、オススメはやはり桜の咲く春かボタンとハンカチーフの木が咲く初夏の参拝でしょうか。花の寺らしい素晴らしい景観を楽しみながらどうぞ〜♪

まとめ

・東国花の寺の3番。オススメは春の桜

・小田氏の真言宗四大寺のひとつで檀林、朱印地があった

・御朱印は本堂右手の庫裏でいただける

参考文献

出島村史|出島村史編さん委員会