日輪寺〜坂東観音霊場 第二十一番札所(大子町)

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

坂東三十三所観音巡礼。最大の難所に挑んできました。日輪寺にちりんじです!

といっても車でしたので体力的にはつらくありません。山道なので脱輪したら死ぬ恐怖さえ乗り越えればOK!それは大問題なんですが。。

八溝やみぞ知らずの偽坂東」は昔からある言葉。日輪寺の観音様を遠くから拝んで済ませる巡礼者のことです。八溝山、登るの大変ですからね。

行くには準備と勇気が必要です。微力ながらその助けになればと記事にします!

日輪寺とは

日輪寺は大子町にある天台宗のお寺。標高1022mの八溝山の山頂から300mほど下った場所にあります。

坂東三十三所観音霊場の第21番目。茨城県内の霊場ではもっとも参拝の難しい場所といわれます。常陸大子駅からだと車で50分ほど。茨城交通のバスだと終点の蛇穴じゃけつを降りてから登山。バスを利用するなら本数が少ないのでよく確認したほうがいいですよ!

寺伝によると673年に役小角えんのおずぬが創建。その後、廃寺になりましたが807年に弘法大師(空海)が再興。853年に慈覚大師(円仁)が足を運んだ縁で天台宗となりました。

ご本尊は弘法大師が刻んだという十一面観世音菩薩。これには以下のような興味深い逸話があります。

大師はこの山の姿が八葉の蓮華を伏せた如くであったのと、この山の鬼人を退治された時、狩衣を着た二神(大巳貴神と事代主神)が現れたのを、二体の十一面観世音菩薩として刻み、日輪・月輪の二寺を建て、観音霊場とされたのであった。
日輪寺/坂東三十三所観音巡礼

観音像はもともと2つ!?月輪寺は坂上田村麻呂が建てたともいわれますが、いまは残っていません。弘法大師が神様を見て仏の姿で刻んだのも面白いところですね。

坂東観音巡礼でお馴染みのご詠歌は以下です。

まよふ身が 今は八溝やみぞまいりきて 仏のひかり 山もかがやく

注意

坂東観音巡礼の公式サイトによると1月〜2月は雪のために閉山。ただし御朱印は可能。登山口に案内がでます。

八溝山

八溝嶺神社の鳥居

八溝嶺神社の鳥居

いざ参拝。今回は八溝嶺神社の鳥居がある方から。神社は八溝山の山頂。日輪寺よりさらにハードな場所です。日没近くなってしまったので今回は行けず。

紅葉が終わった山道

紅葉が終わった山道

八溝山の紅葉は例年だと10月下旬から11月上旬にかけてが見頃。この日は11月17日。すでに散ってしまったのがわかります。落ち葉はすべるので運転に注意が必要でした。

八溝山からの風景

八溝山からの風景

途中、山並みを眺めてみました。まさに溝のように見えます。写真の溝の部分には道路があり、その下には八溝川。わたしの住む県南にはない風景。癒やされます〜。

wata

八溝山の由来。一般的には「八方に谷が流れている」ですが、日本武ヤマトタケルが東征にきた際に言った「この先は闇ぞ」が由来とも云われます

境内

観音堂に階段

観音堂に階段

やっとの思いで到着。駐車場は整備されており、一応お手洗いなども使えます。落ち葉多めでしたが、ちょっぴり紅葉も楽しめました。

じつはお寺を閉める直前にお伺いしました。そのためお堂の正面が閉まってる。。でも、ご住職にお会いしたら「参拝ですか?御朱印も大丈夫ですよ」と快く開けていただけました。十一面観世音菩薩、しっかりとお参りできました!

観音堂

観音堂

現在のお堂(観音堂)は1974年(昭和49年)に完成。明治の火災で燃えてしまっていたんです。浄財は茨城だけでなく八溝山の広がる福島県と栃木県、そして全国の信徒から集まりました。

日輪寺の歴史をたどると、さまざまな苦難があったことがわかります。お堂の全焼は3回。水戸藩の廃物運動では本尊を白河郡高野大梅に避難させたそう。ただ、前述の通り多くの信徒のおかげで度々その姿を取り戻しています。

鎌倉時代には源頼朝が寺領を与えています。戦国時代には佐竹氏が境内の建物を修繕したり梵鐘を寄贈。江戸時代は水戸黄門(光圀)が焼失した本堂の再建に尽力しました。歴史上のスターが保護していたんですね!

何度も苦難があるのは、何度も再建されているから。ふだんお参りする方は少ないと思いますが、こうした歴史や人々の想いは語り継いでいきたいです。

遥拝所

りん(@rin1070)さんから「遥拝所」の情報を提供していただきました。かつて参拝者が八溝山に登らず拝んだ場所です。

さらに以前は現在地より少し南にあったとのこと。その場所が住宅になる際に移動したのでしょう。りんさん詳しすぎです。。

御朱印

日輪寺の御朱印

日輪寺の御朱印

日輪寺の御朱印です。初穂料は300円。

夏と冬で受付時間が変わります。夏は8:00〜16:30、冬は8:00〜16:00です。冬時間は11月からですが、夏時間を聞くの忘れました。。4月でしょうか。

受付時間は直接確認しました。書籍によっては違った時間を案内しています。足を運ぶ際にはご注意を。

アクセス

名称 八溝山 日輪寺(天台宗)
住所 茨城県久慈郡大子町上野宮2134
本尊 十一面観世音菩薩
御朱印受付時間 夏:8:00~16:30
冬:8:00~16:00
主な年間行事 毎月17日:縁日護摩祈祷
5月3日:八溝梵天護摩供
駐車場 無料あり

まとめ

日輪寺は坂東観音巡礼の21番目の札所。八溝山の山頂付近にあるお参りのしにくいお寺です。

語り継がれる歴史には役小角、弘法大師、慈覚大師、さらに源頼朝や水戸黄門、ヤマトタケルなどが登場。興味深い伝説も残っています。

冬の時期は道路の凍結などの危険があります。経路や安全対策をしっかりしてからお参りにしましょう。


参考文献

坂東観音巡礼/著:平幡良雄