wata
- 阿見に現れた四匹の大蛇
- 塙不動堂のオロチ供養について
オロチとは大きなヘビと書きます。(大蛇)有名なのは日本の神話に登場するヤマタノオロチ。スサノオが戦った頭が8つもある巨大なヘビです。
以前、土浦のオロチ伝説を紹介しました。頭は1つですが、(意外と)反響があって嬉しかったので、いろいろ調べていたら。。お隣の阿見町にもありました。しかも、1匹じゃありません!
阿見の場合は神社やお寺にもオロチに関する伝説が残っています。実際に伝説を辿れちゃうのがすごい。町発行の本や公式サイトにもオロチ話が。。今回はそれらを頼りにオロチめぐりをしてきました!
1匹目 八坪のオロチ
阿見町はもともと阿見原と呼ばれていました。土地の3分の1は湿地帯でカエルやバッタがたくさんいたそう。つまりヘビの餌が豊富でした。そのため阿見原では大きなヘビが育ちやすく。。って、これではふつうに大きなヘビのお話。ただ、伝説になるヘビは大きいだけじゃありません!
阿見で1匹目(1回目)のオロチが見つかったのは明治時代。現在の阿見町鈴木は、かつて八坪といいました。八坪には大きな池が8つあったのですが、田んぼにするために埋め立てをしたんです。
池には守り神のオロチがいるという伝説がありましたが。。開拓のために一斉に土を投げ入れたところ、池から水しぶきを上げてオロチが飛び出しました!オロチは筑波山の方にいったとか、空を飛んで下妻の大宝池に移り住んだと云われます。
いまから150年くらい前のお話です!伝説なのに近代のお話ですね。
金比羅大神
オロチが現れた鈴木には金毘羅大神があります。寛政9年(1797年)に讃岐の金比羅神社から神様を迎えてできました。
この神社は明治12年(1879年)頃に鈴木安武によって祀り直されています。この土地を開拓した方です。開拓してすぐは鈴木村という名前。境内には鈴木村の開拓碑がありますよ♪
鳥居にはなにやら飾りがあります。正面からだと少しわかりにくいので、近寄って横から見てみます。
そう、オロチ!この神社では土地の由来にあるオロチを祀っています。オロチが住処を譲ってくれたおかげがあるからでしょう。豊作を願う意味もあるそうです♪
それでは、神社にお参りをします。
社殿は平成17年に基礎部を改修しました。見るからにキレイ!境内もよく掃除されていますし、鈴木の方々から大切にされていますね。
もちろん社殿にもあります。ヘビというよりも龍。定期的に作り直しているそうですが、ワラの感じからすると最近できたのでしょう。赤い舌が見えてかっこいいです。
アクセス
名称 | 金毘羅大神 |
---|---|
住所 | 茨城県稲敷郡阿見町鈴木9-9 |
駐車場 | あり(隣接の公民館) |
2匹目 鈴木のオロチ
2匹めも同じ場所に出ています。明治40年頃といいますから、いまから100年くらい前。
オロチは畑で休んでいた鈴木さんの前に現れました。鈴木さんが古い株に腰かけたときに体をぐるぐるまきにしてきたそうです。驚いた鈴木さんが胴体を辿っていったら、目の前に大蛇の口!そのまま気絶して半年ほど寝込んだとか。
wata
3匹目 御前窪のオロチ
3匹目は岡崎の御前窪に出ました。大正時代の中頃とのことなので、100年以内のことです。いまは住宅街なので写真は撮れませんが、阿見の第一小学校の辺りです。近くには東京医科大学があります。(オロチが出てきそうな怪しげな空模様を狙ってみました)
ここでは野口さんという方がキノコを採りに行った帰りに遭っています。カサカサと音がする方を見たらいきなり首を出してきました。慌てて逃げ出して気がついたときには竹来だったそうです。(かなり走りましたね)
やはりそこから半年ほど寝込んでしまいました。後年、「オロチはヤマカガシが太くなったようなやつ」と語っていたそうです。ヤマカガシ。。ヘビが苦手な方は絶対に検索しちゃいけません!
4匹目 でいじゃが池のオロチ
4匹目は追原にあったでいじゃが池にいたといいます。昭和の中頃に見なくなったということは、いまから70年前にはいた。。
なぜか近年なのに情報が少ないです。本に「たしかにいた」とありますが、それだけ。詳しいことはわかりません。また、でいじゃが池はもうありません。
でいじゃが池はだいだらぼっちの足跡でできた「だいだら池」が語源ともいわれます
でいじゃが池
でいじゃが池は塙の不動堂の近くにありました。以下の写真の黄色い部分が不動堂。薄い緑色の部分が、かつてでいじゃが池だった場所です。
この場所は水が豊富でしたが、一方で交通の難所でした。そのため犠牲になってしまった方が多かったそう。塙の不動堂が建てられた理由はそうした事故から人々を護るためでもあります。
wata
オロチの霊を供養する塙不動堂
明治からのオロチ伝説を紹介しました。ただ、阿見町のWebサイトには江戸時代のオロチ伝説が紹介されています。(リンク先の20)
時代的に一番古く「退治された」というお話しかありません。情報はわずかですが、オロチゆかりのお寺があります。伝説の伝説みたいにうっすらとしていますが、お寺と合わせてご紹介します。
オロチがいたのは4匹目と同じ『でいじゃが池』の辺り。江戸時代にこの地を治めていた塙城主がオロチを退治して不動堂で供養したといいます。
池延山不動尊と言われご本尊は不動明王。不動明王にお参りすると悪魔を押さえつけてくれて長生きできるといわれます。そのため水の事故が多いこの地に建てられました。
wata
アクセス
名称 | 塙不動堂 |
---|---|
住所 | 茨城県稲敷郡阿見町塙1258 |
駐車場 | あり |
オロチ伝説のまとめ
この記事のまとめ
- 阿見には大蛇の目撃情報がいくつもある
- 塙不動堂のオロチ供養は水難と関係があるかもしれない
スペシャルサンクス
あみ観光ガイド 筧田聡(@kakehida) さん
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。