wata
- 由緒とご祭神
- 神磯の鳥居などの絶景スポット
- 御朱印のいただき方
活気ある港町、大洗でもっとも有名な神社が大洗磯前神社です!
大洗に行かれた方はほとんどご存知ではないでしょうか。鎮座するのは磯浜町。「磯」が連発する通り海のすぐ近くです。特に初詣の混雑は有名ですね。近年ではガルパン人気でさらに活気が出ました。
この記事では大洗磯前神社をご紹介します。県内の神社でよく耳にするご祭神についても、ぜひ覚えておいてください!
大洗磯前神社とは
由緒
ご祭神は大巳貴命(大国主命)。それに少彦名命を配祀しています。隣町(ひたちなか市)の酒列磯前神社も同じ由緒とご祭神なのですが、ご祭神の並びが逆なのが面白いところですね。
海上の安全や五穀豊穣を願う神社として知られていますが、古くは社名に『薬師』とある通り、疫病除けに対する信仰が篤かったようです。
ただし、薬師は如来(薬師如来)であって菩薩ではありませんから、薬師を「くすし」、菩薩を称号として区別するのが適切かと思います。本居宣長も同じことを考えていたようですよ。
当社が神仏習合していた期間は長く、元禄期に義公によって分離した以降も再び習合し、境内の神宮寺や大洗山普賢院(現在常陸太田市に位置する来迎院)が別当として祭祀を執り行いました。
ところで、由緒にある「帰ってきた」は興味深いですよね。かつてこの地にいたことを意味しています。神話でそのような描写はありませんでしたが。。同様の由緒を持つ酒列磯前神社は当社と同時に官社に列せられており密接な関係のようです。
wata
当社は『延喜式神名帳』に名神大社として記されるいわゆる「式内社」
アクセス
大洗磯前神社の駐車場は社殿の近くにあります。鳥居の先にあるので注意してくださいね。
一の鳥居のくぐってすぐに左折。道なりに登っていくと写真のような案内があります。
開場は午前6時30分。閉場は午後5時とありますが、季節によって多少前後しそうです。夏場は閉場時間を1時間以上過ぎても開いていたように記憶しています。。
名称 | 大洗磯前神社 |
---|---|
住所 | 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890 |
連絡先 | TEL:029-267-2637 FAX:029-267-7557 |
駐車場 | あり |
交通機関 | 大洗駅からバスあり |
年間行事 | 4月第2日曜日…太々神楽祭 8月25日…八朔まつり 11月11日…秋季神事祭(有賀祭) |
Webサイト | 公式サイト |
境内案内
一の鳥居
一の鳥居はサンビーチ通り(県道2号)側にあります。
巨大ですよね。それもそのはず関東一の大鳥居です!上部が沿っているので明神鳥居ですね。緑色の車が出てきている方に進むと駐車場がありますよ。
高さ16.21m。鉄筋コンクリート造り。施工は鹿島建設株式会社です。昭和38年(1963年)に竣工しました。
二の鳥居
落ち着いて記念撮影できるのはこちら。神社の社殿の階段を降りたところに建っています。
歴史は一の鳥居よりも古く、昭和12年(1937年)に建てられました。立派な鳥居が2つもあるのは珍しいですね!
神磯の鳥居
二の鳥居の正面の道路を挟んで反対側に神磯の鳥居があります。昭和34年(1959年)にご鎮座1100年の記念事業として建立されました。
ご祭神が降臨された場所、そして絶景スポットとして知られています。水戸黄門がここで和歌を詠んだとも云われているんです。まさに伝説の鳥居ですね。
初日の出を見るスポットとしても有名で元旦には大変な賑わいとなります。ちなみにその時間の初詣は1時間以上並ぶことになるので覚えておきましょう。
毎年のように鳥居の近くで水難事故が発生しています。大変危険な場所ですので絶対に岩場に上ってはいけません。事故が続けば立入禁止になります。
神磯の鳥居用の駐車場はありません。前述の神社駐車場にお停めください。
三の鳥居
三の鳥居もすごく知られていますよね。もはやフォトスポット化しています。
鳥居を正面から見ることは少なく、このアングルがほとんどではないでしょうか。高台から見る海がそれはもう絶景です。
随神門
江戸時代末期の作といわれる随神門。正面と裏面の中央にある蟇股の彫刻には『因幡の白うさぎ』。ご祭神の大己貴命が助けた神話がありますよね。
当社は境内社も含めて見事な彫刻の社殿ですから、ぜひともチェックしていただきたいところです。もしかしたら通説とは異なる意味合いが発見できるからも!?
社殿
鳥居、そして随神門をくぐるとすぐに社殿があります。非常に落ち着いた雰囲気で和みます。また、境内の芝がいつもきれい。わたしのお気に入りです。
社殿について公式サイトが以下のように紹介しています。
御社殿はかつて永禄年間の兵乱によって悉く消失してしまいましたが、水戸藩2代藩主徳川光圀公が由緒深い名社の荒廃を嘆き元禄3年(1690)御造営の工を起し、3代綱篠公の享保15年(1730)に現在地に還座再興されました。社殿に施された彫刻とともに江戸初期の建築様式を今に伝えており、県指定の文化財です。
大洗磯前神社のご紹介/大洗磯前神社公式
消失したのは小田氏の乱。以来、神領も10分の1に減って荒廃しましたが、海辺に小さな社を建てて祭祀を継続。神社としては厳しい状況でしたが、水戸黄門が社殿を造営し復興させました。社伝にはそれからというもの漁師の海難事故がなくなったとあります。
社殿の特徴として欄間に鳥の彫刻が多いことが挙げられます。公式サイトによれば欄間には14の彫刻があり、そのうち誰もが拝見できるのは外側の10。内部は昇殿した際に見れるそう。これは増築が繰り返された結果なのだとか。
それにしても鳥の彫刻ばかりというのは面白い。ご祭神の大己貴命は神話でうさぎを助けたり、ねずみに助けられたりして活躍するのですが、動物と話せる能力を持っているんですよね。
そして彫刻の鳥も含めて十二支に数えられる動物ばかりですから、神話には何か特別なメッセージがあるのではと勘ぐってしまいます。
本殿はなんと茅葺屋根!菊花紋がまぶしいっ。遮るものがなく非常に見やすいです。ぜひチェックしてみてください。
拝殿と本殿ともに鮮やかな彩色が施されています。肉眼ではよくわからないかも知れないのでお写真でお楽しみください♪
wata
奉納絵馬
拝殿の左手にたくさんの絵馬が見えます。この神社特有だと思いますが、絵馬の多くには手描きイラスト。なにかの競争があるのでは!?と思える、すごい画力のものばかり。
ガルパンのキャラクターを中心に、4コマ漫画や写真の貼り付けなども。よそではお目にかかれません!それぞれの絵馬から努力やひたむきさヒシヒシと・・・ぜひご覧ください♪
境内社のご祭神
境内社にはのご祭神の名は明記されていません。茨城県神社誌によると以下のようになっております。お参りの参考に。
- 水神社…玉依姫命
- 大杉神社…大帯姫命
- 八幡宮…応神天皇
- 神明社…天照大神
- 静神社…建葉槌命?
- 水天宮…美都波能売命
- 御嶽神社…国常立命、大穴牟遅命、少比古那命
- 清良神社…小幡宥円
- 茶釜稲荷神社…宇賀御魂命
- 与利磯神社…建御名方命
おまつり
八朔祭
大洗磯前神社のおまつりといえば八朔祭です。
例大祭並に八朔祭とは8月1日の祭という意味です。古くは旧暦8月1日に行なわれましたが、近年8月25日を以て当神社の例祭とし、八朔祭と称します。五穀豊穣と国民生活の安定を祈る祭儀であり、古くは鹿島神社の神職総代等が矛・盾を奉じ騎馬を以て当神社に参向し祭儀を奉仕致しましたが、中断して現在は行われず、大祭のみを執行しております。
例大祭並に八朔祭/大洗磯前神社公式
お祭りの日は商店街が歩行者天国となり非常に賑わいます。神輿の渡御となるとまっすぐ歩くのが難しいほど。
もともと観光業が盛んな港町ですので、祭りにはおいしい食べ物が並びます。スタンプラリーなんかもやっていますよ。
磯節を生で見られる貴重な機会でもあります。地元で長く踊っている方の他に会社や各団体で参加される方々が行列となって通ります。
古くから続く神事ですが、少しずつ変化をしています。今年はガルパンにちなんで戦車神輿なんていうのも。。町内の日照プラント工業で制作されました。
ふだんはプラントの設備工事をしているのですが、あんこう祭をきっかけにガルパン戦車をつくるようになりました。大人の遊び心ですよね〜♪
神輿としてしっかりと神社でお祓いをして、ガルパンファンを中心に町内を曳いて回りました。ガルパンの歴史にまた1ページ。。
御朱印
こちらが大洗磯前神社の御朱印。
随神門を抜けて右手に見える社務所でいただけます。神磯の鳥居を描いた御朱印帳も頒布しておりますので、ぜひご覧になってみてください♪
まとめ
この記事のまとめ
- 大洗磯前神社のご祭神は”帰ってきた”神々
- 神磯の鳥居は神社に駐車してから徒歩で向かう
- 御朱印は社殿向かって右手の社務所にて。御朱印帳もあり
参考文献
大洗町史/大洗町史編さん委員会編
茨城の地名/編:平凡社
茨城県神社誌/茨城県神社庁
wataがいま読んでいる本
マンガで『古事記』を学びたい方向け
神社巡りの初心者におすすめ
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。