wata
- 七面堂について
- 日蓮宗の御朱印・ひげ文字について
- 真浄寺の御朱印
日蓮宗のお寺をご紹介するのは初めてですね。うちの宗家の菩提寺は常陸太田の久昌寺(日蓮宗)ですから、本当はもっと早く色々書きたかったのですが。。
この記事では笠間市の真浄寺をご紹介します。かさま文化財公開につき写経体験などの特別企画が用意されておりました!
長耀山 真浄寺とは
真浄寺は笠間市笠間にある日蓮宗の寺院です。笠間稲荷から徒歩10分ほど。笠間のお参りコースに含めちゃいましょう。
かさま文化財公開のパンフレットから真浄寺について引用します。
もとは慶長元年(1596)に麓城の北(現在の鷹匠町)に台徳院殿(徳川秀忠)の乳母である正心院殿日幸尼の霊牌を安置する日蓮宗の寺院として開基されました。『笠間城記』によると、浅野長直が笠間藩主を務めていた寛永17年(1640)の頃に、「法華町の真浄寺を愛宕町の上に移す」とあることから、現在地へ移ったことが記されています。幕末には無住となり、明治4年(1871)に廃寺となりましたが、明治13年(1880)に中村日円上人を迎えて復興しました。
これだけだとちょっとわかりにくいですよね。”茨城の寺”によると開基は唯心院日忠上人。日蓮宗の中興の祖と仰がれる身延の心性院日遠上人の高弟です。
また、移設は幕府の命令で浅野長直が赤穂(兵庫県)に移封になったことと関係あるようです。長直がなにか悪いことをしたわけじゃないですよ。赤穂側で騒動があり長直は藩主として迎えられたので。
正心院殿日幸尼の霊牌を安置していたことで水戸藩から五石の田地を寄進されました。正心院は秀忠の乳母であり家康の母親。つまり頼房(初代水戸藩主)の祖母ですから特別な待遇になったのでしょう。
明治に廃寺となったのは廃仏毀釈の影響ですが、その前に無住になっていたので致し方ないかもしれませんね。。
当寺には整備された駐車場がありますので安心して参拝できます♪
本堂
境内に入ってすぐ左手に本堂と庫裏が見えます。こちらには御本尊の他、写経体験ができるスペースが用意されていました。
けっこう奥行きがあって大勢の方がお参りできるようになっています。
右手の石碑には南無妙法蓮華経。日蓮宗でお参りするときに唱える言葉です。南無は「帰依します」。妙法蓮華経は法華経のことなので法華経に帰依します、法華経と共にあります。という意味ですね
最後の”経”の字に大きな払いがあるのがわかるでしょうか。日蓮宗独特の書き方で”ひげ文字”とかいわれます。
真言宗の「南無大師遍照金剛」は「お大師様(空海・弘法大師)に帰依します」という意味になります。
笠間城櫓(県指定重要文化財)
境内に入って正面に見えるのが七面堂です。お城っぽいですよね。もと笠間城の櫓なのでお城(の一部)といっても過言ではありません。
笠間城櫓は県指定の重要文化財となっています。
【様式】総欅材、木造二層入母屋造り、瓦葺き
【規模】二階造り、一階間口8.00m、奥行6.57m、二階間口6.18m、奥行4.75m
笠間城は佐白山にありまして、このやぐらは山頂に置かれ八幡台櫓と呼ばれていました。平時には武器庫、戦時には物見やぐらとして使われており、やぐらは他に天守櫓と宍ヶ崎櫓がありました。
真浄寺が復興した明治13年に払い下げを受けてこの地に移されました。現在は七面堂として七面天女(七面大明神)、鬼子母神、三十番神が祀られています。
七面天女。。日蓮宗以外ではあまり耳にしないと思います。この天女は日蓮聖人が身延山で説法していたときに現れた龍神。法華経の守護神として日蓮宗で信仰されています。
写真撮影はやぐらの外見のみ可。中の様子もお伝えしたかったのですが。。ぜひ実際にご覧になってください。
七面堂の古そうなお賽銭箱には寄付した方々のお名前がありました。旅館や個人のお名前がずらり。”井筒屋”もありましたね。
個人名には女性が多かったのですが、それには次のような理由が考えられるようです。
女性神をまつっていることから当時笠間に大勢いた芸妓からの信仰が篤く、大正14年(1925年)には賽銭箱が奉納されています。この賽銭箱は現在もお堂で使われています。
真浄寺/まいぷれ
七面天女が弁財天と同一視されていたこともあって芸の上達を願ったのでしょう。それに子育てや安産の願いから鬼子母神の信仰も篤かったと思います。
七面堂は笠間の歴史を感じられる空間です。ほかの寺院は見られないことも多いので、また足を運んでみたい場所です。
笠間城櫓は県内唯一の現存する城郭建造物。
写経体験
お参りのあと境内でお茶をいただいていると「よかったら写経体験はいかが?」とお声掛けしてくださいました。
字には自信がないのですが修行だと思いチャレンジすることに。本堂に案内されると一枚のプリントと筆ペンが用意されていました。
わたしの筆ペンよりも筆先が大きい。すっごく筆っぽい、ヤバい。。などと思いながら精神集中して写経。
ふだん気を使わないペンの入りや払いに気をつけながら10分ほど。。なんとか完成。形はいびつでしたが、久しぶりにちゃんと書けた気がします。
書き終わったものはお寺に奉納させていただきました。なんだかちょっとスッキリした気分に。
あとで真浄寺で写経をされている方から聞いたのですが、この日のプリントはかなり大きめの文字だったようです。まずは書きやすく集中できるようにしているのだとか。
写経をした方は手作りの風車かストラップをいただけました。わたしは鮮やかなグリーンのストラップを選択。優雅なデザインで気に入りました♪
御朱印
真浄寺の御朱印(御首題)です。御朱印料は300円。
日蓮宗は寺院によって御朱印と御首題のかき分けがあったり、専用の御朱印帳でないといただけない場合がありますが、真浄寺には特にそうした決まりはないようです。
日蓮宗らしい美しい”ひげ文字”ですね。写経体験もあってもうちょっと字に気をつけてみようかなと思う一日でした。
アクセス
名称 | 長耀山 真浄寺 |
---|---|
住所 | 茨城県笠間市笠間323-2 |
駐車場 | あり |
まとめ
この記事のまとめ
- 七面堂は笠間城の櫓だった
- 日蓮宗は寺院によって御朱印と御首題のかき分けがある。文字の特徴は”払い”
- 真浄寺の御朱印は日蓮宗の御首題をいただける
参考文献
茨城の寺(二)/今瀬文也
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。
寺院巡りにどうぞ