wata
2024年の正月、今年も各地でどんど焼きが開催されております。地域によっては色々な事情でできなくなっておりますので、昔ながらの慣習を伝えることの難しさを感じます。
しかし続けているところにはぜひ今後ともと思います。この記事ではつくば市の小田地区のどんど焼きをご紹介します。若い方々が中心となって催されるのは珍しいですよ!
それと処分をどうしようか悩んでいる正月飾りを持ち込むことができるのも魅力。2024年は事前回収や郵送も受け付けておりましたので、来場が難しい場合も時期になったら公式サイトを覗いてみて下さい。
小田のどんど焼きにつきましては、開催の1ヶ月ほど前にPR TIMESにプレスリリースが出ておりましたので、そちらからご紹介いたします。
「どんど焼とは」
小正月に行われる日本の伝統行事。
お正月に家に飾ってあった松飾りやしめ縄を、竹や藁で作った「やぐら」と共に、無病息災や五穀豊穣を願って燃やす。
小田のどんど焼きは、つくば市小田の有志団体である二十日会が長い間続けてきた。
有志メンバーの高齢化で継続が厳しくなってきたところで、
若い世代で構成されている七色武士が引き継ぎ、
今ではつくばの正月を代表する冬の風物詩へと発展している。
入場無料!是非、正月飾り、お焚き上げしたい品をお持ちのうえお越しいただきたい。
なお燃やせない物の持ち込みはご遠慮ください。
同イベントは、若い世代が継承した伝統行事。
近年開催が困難になり、どんど焼きそのものが無くなってしまった地域もあるとのこと…
そんな中つくば市小田のどんど焼きは若いメンバーが主力。
もちろん地域の協力もいただき、筑波大学のボランティアさん、筑波高校のボランティアさんの協力もあり、とてもフレッシュな体制での運営となっている。
※メンバーも随時募集中とのこと、詳しくはお問い合わせより
また、キッチンカーや飲食ブースも同会場に展開され、食欲が増す冬を楽しめる食べ物が集結する。
どんど焼きの火入れの後には無病息災・五穀豊穣・家内安全・商売繁盛を祈り、餅を焼いて食べる。
食べ物を提供するだけではなく、当日は、ステージ、甲冑着付け体験、警察車両展示など「小田城冬の陣」も同時開催される。
【茨城県つくば市】日本一のどんど焼きを目指す!?|PR TIMES
こうした古くから続く行事はご年輩の方がよく知るところかと思いますが、小田では地元の若い方々が中心となって開催しています。出店なども多数あって賑やかですよ。
チラシには「小田城冬の陣」と銘打ち、主催として「つくば市教育委員会」がありました。どんど焼きはそれと同時開催となっています。重要文化財に指定されている小田城趾で開催できるのはそうした事情もあると思われます。
ちなみに小田城を居城とした小田氏(小田氏治)といえば、「戦国最弱」というユニークな評価がされています。何度も負けているからなのですが、そのたびに領民に支えられて復活したともいえます。
さて、どんど焼きは地域によって「とんど焼き」や「左義長」といった名前でも親しまれています。またやぐらに火をつける点では「鳥追い」や「ワーホイ」などとも同様といえます。
このように小正月に火を使う行事が多いのは五行説に由来すると考えております。「火気は寅に生じて、午に旺えて、戌に死す」といいまして、火のはじまりは寅月(1月)です。
火には作物を育て、殺気を弱めるはたらきがありますから、その力を充分に発揮するには寅月の火まつりが欠かせないというわけです。
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アクセス
会場は小田城跡歴史ひろば(つくば市小田2377番地付近)です。
駐車場は隣接しておりますが、どんど焼きの直前に行くのであれば埋まっている可能性が高いと思います。10分ほど歩きますが、市営小田駐車場を利用するのもいいでしょう。
小田駐車場から会場まではこのような看板が設置されていました。迷うことはまずないかと思います。
会場の小田城跡はよく整備されており、多くの来場がおりました。出店も多いし縁日のような雰囲気です。城趾は堀があるので入場制限できますが、もちろん自由に出入りできます。
地元の警察や消防も参加していました。警察は白バイの試乗&撮影、消防は。。まあ消火作業は本業と同じですね。
動画は1年前に地元のケーブルTV局が撮影したものです。現地の様子は本年とほぼ同じでしたので大いに参考になるかと思います。
どんど焼き
どんど焼きは午後3時に祈祷があり、そのあと3時30分に火入れ式です。火入れがされるとあっという間に炎上するので、10〜15分後には残り火を使った餅焼きが行われます。
チラシには「宮司祈祷」とありましたが、実際には関係者のほか市長や市議会議員など政治家の方々も参列していました。無病息災や発展はだれもが期待することですからね。
ということは、この行事は神事にあたるわけですか。特定の神様に対する信仰とは違うかと思いますが、カグツチのような火の神に対する祈願の意味合いなのかもしれませんね。
しめ縄を張った聖域の中、それぞれが玉串を奉納し厳かに式が進められていきます。この間、参列者は特に言葉を発しないのでここだけ厳粛な雰囲気が漂っています。
それが終わると火入れの準備です。注連縄が撤去され、火入れをするための子どもたちが集められます。これが大人気らしく、スピーカーで会場にアナウンスすると一瞬で定員が集まりました。
やぐらの下部に灯油をまいて、木の棒の先に火をつけて一斉にやぐらに差し込みます。火の手は猛烈な勢いであがり、あっという間に大炎上。いい意味で。
観客は安全だとされる10メートル以上離れたところにいますが、それでも熱気はすごく伝わってきます。この感覚は会場でなければ味わえません。
火入れからわずか1分程度でこの燃え方。どんど焼き恐るべし。しめ飾りがどれくらい集まるかは予想しきれませんから、主催者側も驚いているかもしれません。
こうした炎を感じたのは近所の火事以来だなと不謹慎ながら思ってしまいました。恐ろしいまでの自然の力ですから、それを人間がなんとかして利用したいと考えるのはうなづけます。
前述した五行説では火は文字通りの火気に配当され、そのシンボルを三角形とします。各地のどんど焼き系の火祭りはことごとく三角のやぐらですから、ぜひ注目してみてくださいね。
炎上が落ちついたら残り火を使って餅焼きです。そのための篠竹は会場で貸出。餅を差して火元へ近づけて焼いていきます。このシメもまたどんど焼きの楽しみですね。焼きたい方々は長蛇の列を作っておりました。
ちなみに餅焼きに使用する竹は持参してもよいようです。持参の方々はあまり並ばずに焼けていました。
この日は終日城趾でイベントが開催されていました。飲食やステージイベントを楽しむために長居するも良し、メインのどんど焼きだけとするのも良しです。
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・どんど焼きは小正月の行事
・正月飾りを山の形に設置して燃やす
・どんど焼きにより無病息災・五穀豊穣などが願われる
記事は筆者の主観が多分に含まれております。
誤解や情報が古くなっている場合があることをご了承ください。