見川稲荷神社|水戸市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

数ある神社の中でもっとも有名であろう稲荷神社。五穀豊穣に商売繁盛、お稲荷さまは万能神です。しかし大きな社殿で祀られることは以外に少ない。よく見かけるのは石祠などかと思います。

大きな稲荷神社は珍しい上になんだかご利益ありそうな雰囲気ですよね。実際に数少ないので見かけたらぜひお立ち寄り下さい。

この記事ではそんな大きめの社殿を持つ水戸市の見川みがわ稲荷神社をご紹介します。水戸のお稲荷さまといえばこちらと旧常澄村の大串稲荷ですよ!

見川稲荷神社
見川稲荷神社

由緒

不詳
創建

常陸大掾氏の一族が当地で箕川氏を称し鎮守と仰ぐ

延宝7年/1679年
現在地に遷座

妙雲寺の境内にあったため、同寺が曳寺になるにあわせて現在地に遷座

安永2年/1773年
神階:正一位を授かる

氏子3名が京都伏見稲荷より分霊を迎え正一位の神階証文を授かり帰郷

明治4年/1871年
草薙神社遷座

多宝院境内から草薙神社を遷座

明治6年/1873年
村社列格

明治11年/1878年
拝殿修繕
大正8年/1919年
拝殿修繕
昭和8年/1933年
拝殿改築

火災により拝殿改築

昭和54年/1979年
境内大整備

屋根葺替、一の鳥居、二の鳥居、参道敷石、玉垣、草薙社、國旗柱、御神燈等を新築および建立

平成9年/1997年
本殿覆殿新築
令和3年/2021年
一の鳥居再建

ご祭神は伏見稲荷と同じ倉稲魂うかのみたまです。古事記ではスサノオの子、日本書紀ではイザナギ・イザナミの子とされています。いずれも食物の神です。

境内では次のように紹介されています。

「ウカ」とは食物、稲のこと、人々の生命を養い育て生かす力を「ミタマ」と云い、毎日の食物で自分の「心魂みたま」が生き生きと活動し続けることが出来るのは「ミタマ」を頂いているからに他ならない。それ故にこの神は「生命の祖神」と称えられている。

食物を通じて人に命を与える神というわけですね。偉大過ぎる!

倉稲魂命の性別は記紀には記述されていません。祝詞などから女神とする考えが一般的ですが、笠間稲荷は民話で老翁の姿として書かれています。わたしはなんとなく女神のイメージですね。

茨城県神社誌だと創建不詳。ただ、氏子は江戸時代に伏見稲荷から分霊を迎えたことを創建と考えているようです。

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水戸の稲荷社はここ大串が二社が有名です!

アクセス

水戸駅から車で約8分。高速からだと常磐道・水戸インターを下りて約20分です。

駐車場は鳥居の周辺ではなく本殿の裏手にあります。駐車場は広いのですが、途中の道路がかなり狭くなっているのでご注意ください。

名称(見川)稲荷神社
住所茨城県水戸市見川2丁目91
駐車場あり
Webサイトなし

鳥居

再建した一の鳥居
再建した一の鳥居

こちらの一の鳥居は今年になって建て替えたばかり。天皇陛下御即位を記念した事業とのことです。

以前の鳥居は銅板を巻いた木製の鳥居。長い年月に耐えきれないこともあったのでしょう。しかしながらこうして鮮やかに生まれ変わりましたのでめでたいことですね。

鳥居の前にはバス停がありますので見川のシンボル的な存在だと思います。

ちなみに鳥居の右手には立派な山桜が植えられていましたが、2021年4月に伐採されました。在りし日の姿は『茨城県の桜』からどうぞ。

二の鳥居・手水舎

二の鳥居
二の鳥居

50mほどの参道の先には二の鳥居。一の鳥居より少々遅れて完成しました。

手水舎
手水舎

手水舎もキレイ。まだ新しそうですね。

町中の大きな稲荷神社なので参拝者は比較的多いと思います。参道は桜並木になっているので、春に訪れるのもいいと思います!

草薙神社

草薙神社
草薙神社

見川稲荷は境内社もよく整備されていますので、あれこれ考えながら参拝すると楽しいです。こちらは明治4年に当社に遷座された草薙くさなぎ神社。草薙の剣を奮った日本武やまとたけるをご祭神としています。

水戸は三の宮の吉田神社があるので、日本武尊を祀るならそちら社号かと思いきや「草薙」というのは興味深い。系統が違うのかも。

草薙の剣は素戔嗚命がヤマタノオロチを倒した時にオロチの体から出てきました。日本書紀だと「天のむら雲剣」で、その後に日本武尊の手に渡って草薙の剣と呼ばれるようになります。

尊は最後の戦いに最強の剣であった草薙の剣を持っていかなかったことで命を落としたといわれます。そんな尊を思いを巡らせ社号につけたのでしょう。

草薙神社の扁額
草薙神社の扁額

ちなみに見川稲荷のご祭神は古事記だと素戔嗚命の子ですから、日本武尊とはスサノオつながりなんですね。

社殿

拝殿
拝殿

若々しい社殿はまだ建てられて15年ほどしか建っていないのだとか。なんでも旧社殿は不審火によって消失してしまったようで。

茨城県神社誌だと神紋は「三つ巴」となっていますが、境内では伏見稲荷に似た「稲穂」を掲げていました。キツネは秋の収穫期に姿を表すので倉稲魂命と結びついたといわれます。

神紋とキツネの彫刻
神紋とキツネの彫刻

そして拝殿の先端には。。宝珠です。おいなりさんの持つ「お宝」ですね。

隠れフォックス
隠れフォックス

ついでにその下には。。隠れフォックス発見!地元の方でも気づかないかも!

本殿
本殿

本殿も立派なのですが、屋根は千木も鰹木もなし。ずいぶんスッキリしていますね。記紀に忠実に性別不詳とするなら、それもありかなって思います♪

御朱印

見川稲荷神社の御朱印
見川稲荷神社の御朱印

見川稲荷神社の御朱印です。ふだんは賽銭箱近くにある書き置きをいただきます。初穂料はお賽銭箱にIN。

それぞれ書き入れが違っているようですね。お稲荷さんらしく金運を上げてくれそうなのでこちらにしてみました。

お正月に参拝したときは社殿向かって左の社務所で直書きを受け付けていました!初詣はにぎやかな笠間稲荷もいいのですが、こちらでまったり参拝するのもよろしいかと思います。

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御朱印はいまから宮司が交代した3年ほど前からはじまったのだとか。金泥や書入れなどさまざまな種類があります。

余談:韋駄天宮

韋駄天宮
韋駄天宮

稲荷神社向かって左手に鎮座する韋駄天いだてん。ご祭神は猿田彦さるたひこ大神です。個人的に非常にレアな神社だと思います。そもそも韋駄天は仏教の天部ですから、神社とは少し違うと思います。

韋駄天と猿田彦が習合しているのも珍しいし、大神という尊称も。。大神は神よりも尊い存在として使われますが、特に決まりはありません。

猿田彦は天孫降臨を助けた神ですが、社で重視されることは茨城では少ないような。。独特な神社ですね。なにか知っている方いたら教えて下さい!

秋になるとこのようなお供えがありました。稲荷社のほうにはありませんでしたが、他に神社でも見かけたことがあります。たしかカリンだったかな?神様とどんな関係があるのか興味深いですね!

過去の写真

塗装中の二の鳥居(2021年)
塗装中の二の鳥居(2021年)

まとめ

・創建は不詳。江戸時代に伏見稲荷から分霊を受けて「正一位」のおいなりさんとなった

・草薙神社のご祭神は日本武尊。社号は尊にとって重要な草薙の剣から

・御朱印は書き置き。お正月は直書きをいただけるかもしれない

参考文献

茨城県神社誌|茨城県神社庁