2月17日(水)『うなぎ地蔵』(城里町)の記事を公開しました。次回更新は2月21日(水)の予定です。

安産祈願は板橋不動尊へ!別名『お犬不動尊』は子を産む母の強い味方(つくばみらい市)

年始は10箇所くらいお寺や神社を回ってきました。いつも厳かな雰囲気の場所が、ここぞとばかり飾り立てて新年を祝うのが好きなんです。鹿島神宮に常陸国総社宮、静神社なんかがいい感じでした。

でも、唯一行けずに心残りだったのが板橋不動尊いたばし ふどうそんです。常総市の一言主神社の前にある農楽の店員さんも「あそこはスゴイ」と言っていました。年始には間に合いませんでしたが、お出かけの途中に立ち寄れたのでご紹介します。

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板橋不動尊というのは、ふだん呼ばれている名前です。通称というやつですね。正しくは、清安山せいあんざん不動院ふどういん願成寺がんじょうじといいます。

文化財だらけの境内

板橋不動尊は創建から約1200年の歴史。つくばみらい市の板橋にあります。お寺のパンフレットによれば、板橋不動尊は関東三大不動尊です。三大不動尊は色々な説があります。成田山新勝寺なりたさん しんしょうじ高幡山金剛寺たかはたさん こんごうじは、古くから数えられているそうですが、板橋不動尊は・・・。

ここは、茨城県民として堂々と加えちゃいましょう!境内には県や国の指定文化財がたくさんありますので問題ないはずです!

それでは、茨城県自慢の板橋不動尊をご紹介です。

楼門

楼門1

楼門と大本堂

まず、楼門ろうもんが茨城県指定有形文化財です。見るからに立派なので納得できます。

建てられたのは1700年。真っ赤、というよりも朱色ですね。とても美しいと思いますが、なぜこの色なのかな?と疑問だったので調べてみました。こちらのサイトが詳しかったです。

簡単に言うと、むかしの人は朱色に魔除けの力を感じていたそうです。朱色は「丹」という原料が使われていました。丹には水銀が含まれているので、防虫・防腐効果があったんです。困った虫を寄せ付けない、そして腐りにくい。そうしたことが、いつしか『魔除け』の意味に変わっていったのかも・・・とのことです。科学的な理由を知らないと、朱色には不思議なチカラがあるように思いますよね!(もしかしたら、本当に『色』に力があるのかもしれませんが)

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立派な門の”足”の部分には阿・吽の像が安置されています。こちらはつくばみらい市の指定有形文化財です。

三重塔

三重塔1

楼門をくぐって右手側に見えるのが、三重塔です。こちらも茨城県指定有形文化財です。

「お、大きい・・・」

三重塔2

五重塔は聞いたことありますが、三重塔はあまり耳にしませんね。もともとはお釈迦様の遺骨を納める建物だったそうです。いまはどのように使われているのでしょうか。

建てられたのは1775年です。むかしの人は重機を使わずに、どうやってこのような建物を建てたのでしょう。きっと当時の職人の研ぎ澄まされた感覚と技術があったんですね。

大本堂

手水舎

飾られている絵馬

空海聖人

大聖堂3

大聖堂2

そして、板橋不動尊の大本堂です。もちろん茨城県指定有形文化財です。大本堂は1737年に建てられました。屋根が2つありますね。二重屋根といいます。暑さや雨水を避けることができる伝統の技術です。とても広くて大きい建物なので、元旦や年中行事で賑やかな様子が想像できます。

お堂の前には弘法大師(空海聖人)と二匹のお犬様の像があります。弘法大師があるということは、もちろん真言宗のお寺であることを意味します。犬の像はとっても珍しいですよね。このお寺で安産祈願をされる方が多いことと関係があります。後述しますので、ぜひお読みください。

大本堂の中には本尊不動明王と両童子があります。国指定重要文化財です。不動明王はとても怖い顔をしていますが、それは一生懸命に祈る人を悪いものから守るためです。優しいだけでは人を守れないというのは、仏の世界でも同じなのですね・・・。

大本堂4

MEMO
板橋不動尊は北関東三十六不動尊霊場にも数えられています。こちらは三十六番目ということで、順番に巡ったらゴールに当たる結願けちがんの寺となっています。ちなみに、以前、ご紹介した土浦の大聖寺は31番目なんです。

土浦市の大聖寺アイキャッチ
ひとつのお寺でお遍路巡りができる!?土浦の大聖寺ってどんなところ?(土浦市)

悩める妊婦を救った雌雄の白犬

タイトルに『お犬不動尊』と書きました。理由はちゃんとあります。大本堂の前に、弘法大師の像と並んでいる、犬の像が見えるでしょうか、板橋不動尊では大師と並ぶほど重要な存在です。

空海聖人と白犬の像

白犬の像2

境内には、以下のような説明があります。

江戸時代、いまのつくばみらい市の地には、難産のご婦人がたくさんいました。悲しくも親子共に亡くなってしまうことが何度もあったので、ご婦人は子どもを身ごもると不安な毎日を送るようになりました。

そんなある夜、村長むらおさの見る夢に、雄と雌の白い犬が現れて語りました。「わたしたちは板橋不動の使いです。板橋不動は女性たちが揃ってお参りをして護摩祈願をすれば、難産から救ってくれると言っています。」それを覚えていた村長は、翌日村人たちと協議して一同揃って不動尊のもとに訪れました。お参りと護摩祈願をして、夢に見た白い犬を奉納したところ、それ以降、難産で苦しむものは一人もいなくなったといいます。

お使いが『お犬』というのが面白いですね!

ところで、護摩祈願の『護摩』は物を焼くという意味です。目の前の火で物を焼くことで、天に供物として捧げます。そして、一緒にお祈りをすることで供物も願い事も天に届くというわけです。主に真言宗や天台宗のような密教系の宗派でされています。

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出産に悩む女性たちの願いは、護摩祈願によって天に届いて救われたのです。

イラスト『お犬不動尊の使い』

白いお犬様

Illustration by こきり みき

板橋不動の使いです。境内の犬の像をもとに『こきり みき』さんが描いてくださいました。

仲の良いお使いの2人が出産を控える女性を励ますために現れた、という感じです。供えてもらった帽子やマフラーを愛用しちゃってます。

昔話や伝説にはキツネやタヌキがよく登場します。犬はとっても珍しいですね。いつも人々のそばにいる動物は、生態の謎がないので不思議なできごとに関わりにくいのだと思います。今回は親切で心強い、そしてとても珍しい犬の伝説ということで、イラストに残してみました。

アクセス

名称 清安山 不動院 願成寺
住所 〒300-2307 茨城県つくばみらい市板橋2370−1
ご本尊 不動明王
駐車場 あり
Webサイト http://fudouin.webnode.jp/