【福岡堰鎮守】治水の達人を祀る伊奈神社(つくばみらい市)【伊奈忠次・忠治】

記事内に広告を含みます

wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

この記事でわかること
  • 伊奈神社の由緒とご祭神
  • 伊奈忠次・忠治親子の功績
  • 福岡堰との関係

お盆を迎えるたび、日本人の信仰は先祖供養に集約されるんだなぁと思います。古代から続く慣習なのでよほど特殊な事情でなければお墓参りを否定する人はいないでしょう。

亡くなった方を「仏さま」といいますが、悟りを開いたという意味ではなく神仏と同じ尊い存在になったということですよね。あまり深く考えては使いませんけど。

ところで。。まれに亡くなった方を本当に神様として神社にお祀りする場合があります。この記事ではそうした神社であるつくばみらい市の伊奈いな神社をご紹介します。

伊奈神社とは

小貝川沿いに鎮座する伊奈神社

小貝川沿いに鎮座する伊奈神社

伊奈神社はつくばみらい市の福岡に鎮座しています。

桜の名所として知られる福岡堰さくら公園前の県道133号を北に1分ほど進んでください。小貝川の堤防沿いに大きな鳥居とちょっとした駐車スペースが見えてくると思います。

伊奈神社は茨城県神社誌に(たぶん)掲載されていない特殊な神社です。由緒をつくばみらい市観光協会のサイトから引用します。

谷原領開発の祖、伊奈半十郎忠治公を祭神として昭和16年に創設された神社です。伊奈忠次・忠治親子は水害の多かった鬼怒川と小貝川を分離させ、谷原領一帯を干拓しました。

寛永元年(1624)から新田開発を行い、「谷原三万石」といわれる美田の開発を完成させました。その新田用水の供給源として山田沼に堰が作られました。

その後、堰は下流の福岡地区に移され福岡堰となり、現在もつくばみらい市の農業に重要な役割を果たしています。
伊奈神社/つくばみらい市観光協会

ご祭神は伊奈半十郎忠治はんじゅうろう ただはる。天照大神や素戔嗚命ではなく、実在した人物です。茨城を中心に関東で治水などの公共事業を行いました。

茨城との関係は伊奈忠治の父・忠次ただつぐからです。忠次は天正18年(1590年)の豊臣秀吉の小田原征伐のあと、北条氏の領地を与えられた徳川家康の家臣として同地を支配しました。

忠次は代官頭として治水と新田開発、検地などを行いました。忠次の検地を「備前検地」、作った堀を「備前堀」と呼ばれるのは忠次が肥前守の位だったことに由来します。

伊奈忠治の代には関東における治水全般を監督することになり、さらに諸代官の統率を命じられ関東郡代かんとうぐんだいの職となりました。関東郡代は伊奈家が代々世襲し、その地方支配の方法は伊奈流と呼ばれました。

支配地は幕領なので伊奈家のものではないのですが、水戸藩並みに巨大な石高と権限を持っていますので、伊奈家は幕閣からはうとまれたとか。。

寛政4年(1792年)、そうした背景があってささいなお家騒動を理由に伊奈忠尊は関東郡代の職を罷免・改易されてしまいました。そして伊奈家の支配は終焉を迎えます。

残念な形で立場を失った伊奈家ですが、仕事は本物でした。例えば、忠次から忠治の時代、小貝川と鬼怒川が常総市の辺りで合流していたことで水害が多発する問題を解決しました。二つの川を切り離し鬼怒川を利根川につなぐことで小貝川の氾濫を防いだのです。

神社の周辺だけでなく、非常に広い範囲に渡って人々の生活を安定させたといえるでしょう。

wata

忠次は黒印状の発行などもしていたので、寺院の由緒などからも名前が見えます!
MEMO

福岡堰は茨城屈指のお花見スポットです。テレビで紹介されるほど人気なので非常に混雑しますが、水面に映るソメイヨシノが大変美しいのでオススメです。(参考:茨城県の桜)

鳥居

大鳥居

大鳥居

伊奈神社の境内はとってもシンプル。主な建造物は鳥居と社号標、本殿のみです。

大鳥居は昭和52年(1977年)に福岡堰土地改良区が奉納しました。いまの福岡堰は改良区の方々の働きですが、「先人がいたからこそ」という敬意を感じます。

右の社号標には「福岡堰鎮守 伊奈神社」とあります。この言葉が比較的近代に使われたのは感慨深いものがありますね。

wata

つくばみらい市は伊奈町と谷和原村が合併してできました。町名の伊奈はもちろん伊奈家からです

社殿

参道

参道

鳥居をくぐると50mほどの参道。手入れはあまりされていないようで木の葉が散っています。

木々に覆われた境内なので夏場でも涼しく心地良い場所ですね。

覆屋のある本殿と神事用?の敷地

覆屋のある本殿と神事用?の敷地

拝殿はなく、神明造の本殿がコンクリートの基礎の上に鎮座しています。

人の気配の少ない境内ですが、しめ縄は取り替えられていますし神事は続けられているのでしょう。

社殿(本殿)

社殿(本殿)

そしていつものようにお参り。なんだかよそのお家のお墓に来たような感覚もあるのですが。。あえて神社にしているのですから、だれがお参りしてなんの問題もないはずです!

覆屋の神紋(家紋?)

覆屋の神紋(家紋?)

後で気がついたのですが、覆屋には神紋らしきものがありますね。伊奈家の家紋でしょうか。

伊奈家については知らないことが多いのですが、家康や秀吉のようなある種の天才よりもよっぽど身近な存在なので共感しやすいと思います。

それに治水は領民の生活に関わる重大事案で失敗すれば死人がでるほどですから、その分野の名門だった伊奈家はもっと注目するべきでしょう。

利根川、小貝川、鬼怒川沿いの人々は伊奈家の恩恵を受けていたに違いありません。茨城の隠れた(?)偉人として覚えておきましょう!

アクセス

名称伊奈神社
住所つくばみらい市福岡2698-1
駐車場あり(5台程度)
Webサイトつくばみらい市(公式)

まとめ

この記事のまとめ

  • 伊奈家は代々治水事業を行っていた
  • 利根川、小貝川、鬼怒川などの治水に着手。多くの人々の生活に影響を与えた
  • 氏の祖である伊奈忠治公を祀る神社がつくばみらい市の福岡にある

参考文献

図説 伊奈のあゆみ 伊奈町史通史編/伊奈町編纂委員会