【守谷総鎮守】本町の八坂神社|守谷市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

この記事でわかること
  • 由緒とご祭神
  • お祭りのようす
  • 御朱印のいただき方

歴史ある神社は素晴らしいと思います。しかし伊勢神宮に式年遷宮があるように継続には再生が必要です。何事も放っておけば基本的には滅びゆく運命だからです。

それを考えさせるのが今回紹介する守谷市の八坂神社です。新たな取り組みをメディアで取り上げられること多数。令和4年には地元商店向けにさい銭を利用した両替がNHKで報道されました。(参考:NHK首都圏ナビ)

境内を散策しつつ「再生」を発見するのも楽しいと思います。神社の概要につきましてはこの記事でまとめますので参考になれば幸いです!

守谷八坂神社とは

守谷八坂神社

守谷八坂神社

由緒

大同元年/806年
創建
※社宝の神鏡に「下総国守谷郷牛頭天王守護所、大同元年丙歳九月二十七日、神主吉信」とある
慶長3年/1598年
遷宮
守谷城主土岐山城守により高野村本宿から現在地に遷宮。その後、伊丹播磨守により修営
寛文2年/1662年
社殿焼失
火災により社殿焼失
寛文3年/1663年
社殿再建
堀田肥前守により社殿再建
寛文5年/1665年
社殿焼失
再び火災により社殿焼失
寛文11年/1671年
社殿再建
城主酒井河内守によって再建
元禄5年/1692年
大修営
関宿城主牧野備前守によって大修営される
文政6年/1823年
神輿が仮殿へ渡御
※例祭の神輿が6月11日〜15日かけて渡御されるようになる
元治元年/1854年
宮神輿奉納
※約40年の周期で修復されて現在に至る
明治元年/1868年
改称
社号を現社号に改める
明治5年/1872年
村社列格
大正14年/1925年
正遷宮
※2月25日
昭和27年/1952年
宗教法人設立
昭和56年/1981年
例祭の日程を改める
祇園祭を新暦7月の最終土曜日を本祭とし、火曜日から土曜日の5日間に改める
昭和57年/1982年
文化財指定
絵馬が市の文化財に指定される
平成元年/1989年
大鳥居建立および狛犬等奉納
平成27年/2015年
文化財指定
例祭(祇園祭)が市の無形民俗文化財に指定される
昭和29年/2017年
社号標建立
令和元年/2019年
両部鳥居再建

ご祭神は素盞嗚すさのおです。明治元年は牛頭天王をお祀りしており、「天王さま」として親しまれました。今でも「牛頭天王宮」の御朱印をいただけますよ。

素盞嗚命といえば高天原と葦原中国の両国で活躍する神。高天原にいた頃は乱暴者でしたが、追い出されてしまってからは一変し国津神を救う英雄としての姿が『古事記』『日本書紀』などに描かれています。

当社の文化財である『絵馬』や当社の頒布物などからもそうした活躍が読み取れるのがステキですね。宮司さんはデザイナーの経歴をお持ちで神社に関する発信が上手。頒布物や掲示物にも注目です。

社宝の神鏡によれば現在に遷される前は大字高野字本宿に鎮座していました。ただし、その時代のあらゆる文献に「牛頭天王」の字句はありませんので年号については慎重に判断する必要があるでしょう。

高野から現在地への遷宮は守谷城に大きく接近します。周辺には他に目立つ神社が見られないことから、守谷城主であった土岐(菅沼)定政は当社に多大なる期待をしたのではないでしょうか。

アクセス

最寄りのICは常磐道の谷和原IC。下りてから約15分(6km)です。国道294号を南下し、向原の交差点を左折して直進を続けると道路左側に見えてきます。

最寄り駅はつくばエクスプレスの守谷駅。1kmほどあるので徒歩だと15分ほどでしょう。十分歩いていける距離ではないでしょうか。

駐車場は境内西側です。具体的な場所は公式サイトの地図をご参照ください。

名称 八坂神社
住所 茨城県守谷市本町629番地
駐車場 あり
Webサイト 公式サイト
SNS

鳥居

鳥居

鳥居

当社の古い住所は「守谷町守谷甲」。紛れもなく守谷の中心地にあり、守谷を代表する神社。今では近くにつくばエクスプレスが走り、その中心地は大きく発展。当社は開発された市街に鎮座しています。

手前の一の鳥居は平成元年に再建、奥の両部鳥居は令和元年に再建されました。当社の境内は近年に整備されて物が多く活気あることが伝わります。

なお、鳥居の左手には守谷小学校の校歌にも歌われた銀杏の大木がありましたが、倒木の危険性があったため2021年に伐採されました。(参考:新しい命(宮司ブログ)

参拝したこの日は祇園祭の直前。境内には氏子の方々が準備のために集まっておりました。過去2年は神事のみ、ついに神輿や山車が動かせるわけですから特に思い入れがあったでしょうね。

神楽殿と手水舎

神楽殿

神楽殿

境内はシンプルながら神社らしさは十分。境内に足を踏み入れて目に止まったのは神楽殿。作りからすると近年に建てられたよう。

さすがにしょっちゅう舞を見れるわけではありませんが、当社の場合はSNSを通じて発信することが多いので以下のようにTwitterから奉納を拝見できました。

動画は29日(金)に撮影されたもの。当社の祇園祭は5日間と他社より長め。神輿や山車の渡御とは別に多様なしきたりを継いでいるのでしょう。祭りのようすは参加者の方のYouTubeからご覧ください。

祭りの当日に車に乗ったまま山車とすれ違いましたが、参加者の距離で見ると迫力が全然違いますね!

力石

力石

ちなみに境内の力石は力比べに用いれた石です。その重さはおどろきの28貫(105kg)。こうした力石はお祭り日など大勢の若者が集まるときに持ち上げられたといいます。さすがに現代ではやらないかな?

手水舎

手水舎

参道右手の手水舎で清めてから拝殿へと進みます。

社殿

拝殿

拝殿

銅版の屋根がキレイに染まって美しい。柱などからも拝殿は比較的新しいのかもしれませんね。

しめ縄のささらは5つ。神秘的な話をすると「5」は五行説でいうところの土気の生数。生数は土気を意味する数字で気が生まれた順番に由来します。

扁額

扁額

土気は季節の終わりの「土用」などに用いられるように「中間」も意味します。当社の祭神である牛頭天王も「牛(丑)」を冠する土気の神。そのため夏の土用に例祭(祇園祭)を催すのでしょう。

さらにいえば土気の色は黄色。当社の神紋のひとつ「織田木瓜」の由来はさまざまですが、木瓜はきゅうりの別名であり、きゅうりが元来「黄瓜」と書いて実際に黄色かったことから土気の神と結びついたではと推測しています。

本殿(覆屋)

本殿(覆屋)

本殿は覆屋によって全容がわからず。建立は遷宮された大正14年(1925年)でしょうか。だとすれば再建からまもなく100周年。大切にしていきたいですね。

境内社

本殿裏の祠群

本殿裏の祠群

拝殿裏手には江戸時代の元号が彫られた小さな祠が並べられています。周辺から集められであろう数々で当社の信仰とは必ずしも一致しないと思います。

「青麻大権現」「尾鑿山おざくさん」「月読尊」。。月読尊はよる月待講(二十三夜講)かもしれませんが、月山(出羽三山のひとつ)の可能性もあります。とすればこれらは山岳信仰。

「月読尊」の石碑

「月読尊」の石碑

明治以前には当地で活動した修験によって広められた信仰かもしれません。石碑の文字は読みにくくなっていますが、ご興味ある方はぜひ読み解きに挑戦してみください。

御神木:ケヤキ

御神木のケヤキ

御神木のケヤキ

社殿の正面左手にそびえるのは御神木のケヤキです。

 八坂神社のご神木は欅(けやき)の木です。樹齢は400年前後ではないかと言われています。多くの方がお参りをした際に御利益をいただこうと御神木に触れて帰って行かれます。八坂神社の御神木ですがよく見ると、一度分かれた枝がふただび合わさっています。これは不思議なことだと参拝者は縁を結んでくれるとか、夫婦和合の御利益がありますねとおっしゃります。皆様も参拝の際にはどの枝か探してみてください。

幹から伸びた枝がふたたび合わさる。自然現象と言えばそれまでですが、そこに神秘的な力を感じる方がいるということですね。

こうした考え方はじつに古くからあり、いわゆる「見立て」です。いつまでも青々しい常緑樹に若さを感じ、流れ去る川や滝に不浄を取り除くと考え、不変である岩や石に悠久の思いを託す。

もしかしたら信じる気持ちのすべてはその人次第なのかもしれませんが、気持ちを後押しする力はあると思います。御神木の周辺には絵馬を奉納できますので、めぐり合わせに期待して試してみてもよいのではないでしょうか。

御朱印

守谷八坂神社の御朱印(見開き)

守谷八坂神社の御朱印(見開き)

守谷八坂神社の御朱印です。拝殿の向かって右手の社務所でいただけます。

素盞嗚命の八岐の大蛇退治のワンシーンですね。かっこいい!御朱印帳の2ページに渡る印をバシっと押してから直書きしてくださいました。

守谷八坂神社の御朱印(牛頭天王)

守谷八坂神社の御朱印(牛頭天王)

もう一種類は旧ご祭神の牛頭天王。明治の事情で廃止となったご祭神ですが、氏子にとっては馴染みの深かったでしょうからこちらも大切にしておきたいですよね。

他にも例祭の時期に頒布する御朱印などもありました。社務所の前に張り出されていますので、ぜひチェックしてみてください。

上記は2023年(3月4日公開)に茨城新聞が当社を取材したものです。御朱印についても詳しく紹介されておりますので合わせてご覧いただけたらと思います♪

まとめ

この記事のまとめ

  • ご祭神は素盞嗚命。神鏡に大同年間とあり、土岐氏によって現在地に遷された
  • 例祭は7月最終土曜日が本祭。その日を最終日とした5日間開催
  • 御朱印は拝殿隣の社務所。種類は豊富

参考文献

茨城県神社誌/茨城県神社庁
茨城県の地名/編:平凡社

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