忠犬タローものがたり〜みんなのタロー像除幕式|石岡市

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wata

ども!いばらき観光マイスターのwata(@wata_ibamemo)です!

2017年4月15日(土曜日)リニューアルされた石岡駅の広場でみんなのタロー像の除幕式がありました。

石岡市民にはおなじみの忠犬タロー物語。物語は本になっていて著者は市長!過去になんどもテレビや新聞で報道されたこともあっていまや石岡だけの物語でなくなりました。

除幕式にはタローを偲ぶ大勢の方々。NHKのニュースでも放送されましたので、全国的に注目されたイベントだったんですね。

わたしも以前からタローを知っていて、駅前の老舗店でタローについてなんどか尋ねたことがあります。40年近く前のことですが、みなさん鮮明に覚えておられて驚きました。

この記事ではタローの物語と除幕式の様子をご紹介します。

『忠犬タローものがたり』とは

書籍『あした会えるさ - 忠犬タローものがたり-』

タローについては、この本を読めばほとんどのことがわかります。以下に内容をまとめます。

タローが知られるようになったのは東京オリンピックのあった昭和39年(1964年)頃。のちにタローと呼ばれる犬は、いつしか決まった時間に石岡駅に現れるようになり、しばらく人の行き来を見ると去っていきます。人々がそれに気づいてから17年間、タローは死の間際まで毎日駅に通い続けました。

タローは駅でなにをしていたのかというと、すれ違いによって石岡駅で別れてしまった飼い主を探していました。駅にいつもの時間に行けば再会できると思っていたのでしょう。毎日ひたすら通い続けましたが、残念ながら願いは叶いませんでいた。

ところが、タローの死から28年後、その出来事がテレビで放送されたことをきっかけに飼い主が名乗り出たのです。みんながタローのことを大切に思って物語を風化させなかったことが再会に繋がったといえます。

タローと飼い主の奇跡的な再会は、人と動物の絆の物語として、さらに大勢の方に知られるようになりました。

タローという名はだれがつけたかわかりません。本名?はコロといいます。

飼い主は石岡の幼稚園に通う女の子。住んでいたのは玉造だったので、毎日鉄道で通っていたのですが、そのときにタローとはぐれてしまったんです。

タローが女の子のもとにきたのは生後4ヶ月のとき。それから1年ほど一緒に暮らしました。人間でいえば6歳から20歳くらいの時期ですから忘れられない存在だったのでしょう。

MEMO

再会のきっかけとなった番組は『天才!志村どうぶつ園』

みんなのタロー像 除幕式

除幕式は改修中の駅の西口広場で行われました。ひと月前にはなかった交番が建っていてびっくり!駅もずいぶん変わっている。。。

石岡は姿を大きく変えましたが、タローの物語は変わらずにあり続けているのですね。式典は開式の言葉のあと、すぐに除幕となりました。

忠犬タロー像

タローはふだん石岡東小学校にいました。用務員さんにお世話をしてもらい、小学生たちと遊ぶ。そして、決まった時間になると石岡駅へ。駅には朝夕の2回、きっちりと足を運んでいました。

みんなのタロー像は子どもたちと一緒です。子どもたちの友だちだったことも忘れてはいけませんね。

市内の子どもたちによる合唱

忠犬タロー像除幕式での合唱

式典では子どもたちによる合唱が2曲。石岡東小学校の児童が『タローは今日も』。善隣ぜんりん幼稚園の園児が『ここで君をまってるよ』を歌いました。いずれもタローの歌です。

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『ここで君をまっているよ』は、石岡駅の上り電車の発車メロディになっています。

来賓挨拶

タロー像にレイをかける元東小学校校長

続いて、像を建てた忠犬タロー顕彰会の代表顧問からタローに首飾りがかけられました。元東小学校の校長をされていた橋本千代寿さんは、赴任してきてタローの存在を不思議に感じたことなど、とても温かい思い出を語っていました。

来賓の方々の挨拶はそれぞれ短いものでしたが、私にとっては印象的なものばかり。

「人も動物も愛されたり優しくされたことを忘れることはありません」
「タローは石岡市民の動物を慈しむ心のあらわれです」
「石岡から動物愛護の精神が広まることを期待します」

像を建てたのはタローのことを将来に残していきたいからでしょう。悲しいことに茨城県は犬猫の殺処分がとても多い県。県の生活衛生課によれば、2005〜2012年まで、犬の殺処分が8年連続で全国ワーストでした。

平成28年に茨城県犬猫殺処分ゼロを目指す条例が施行されましたが、状況をすぐに変えるのは難しい。。タローの物語は動物を大切にすることも一緒に伝えたいですね。

わんわんパレード

わんわんパレード3

除幕式が終わると、市内の専門学校生がワンちゃんを連れてパレードを行いました。

わんわんパレード4
わんわんパレード2

パレードで掲げられたのぼりには、『不幸な命を産まないために 不妊去勢手術を』『飼い犬、飼い猫に 迷子札をつけてね』などがありました。動物愛護といっても方法はたくさん。気持ちだけでなく行動も必要です。

式典の様子は茨城新聞が動画で公開しています。ぜひご覧ください。

イラスト『忠犬タロー』

忠犬タロー

Illustration by Kamiji Takayama

タローは写真が苦手でした。そのため、タローの写真は一枚しか残っていません。石岡東小学校で撮られたもので、タローの本の表紙にもなっています。

このイラストは、その写真を元に私が個人的にKamijiさんに描いていただいたものです。(ちなみにエアブラシで描かれています)タローのおとなしくて優しい雰囲気が伝わるイラストなので、今回ご紹介させていただきました。

アクセス

名称 みんなのタロー像
住所 茨城県石岡市国府1丁目 石岡駅 西口広場
駐車場 なし

まとめ

石岡市には飼い主をずっと探し続けた忠犬タローがいました。

タローの生前に再会することはできませんでしたが、テレビ放送によって飼い主がタローを見つけ出しました。
タローはいま、石岡駅前で忠犬の姿のまま人々に大切なメッセージを発し続けています。

関係報道
2017年3月22日 茨城新聞…「忠犬タロー」像設置 来月、石岡駅前